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臆病兎の錬金経営譚  作者: 桜月華
102/148

102話 夫婦の創世奇譚 06話 サテラ

        玉兎族(ぎょくとぞく)

亜人種族の中でも特に希少種で人間から生まれる子供のうち極めてごく稀に兎の耳と尻尾が生えた子供が生まれ玉兎族と呼ばれる。

玉兎族の特徴は男女生まれの地に関係無く、頭に生えてる兎の耳と臀部のやや上に丸い尻尾があり例外なく髪の色と瞳が銀色で生まれつき総魔力が高く魔法に精通している。

戦前今より遥かに亜人種への偏見・差別が酷い時代には凄惨な目にあった種族の1つである

戦後シャルーマーユ大陸では皇帝の全種族平等の一声で玉兎族も差別されることは無いのだが、戦前のあまりの凄惨な扱いに完全に人間嫌悪が玉兎族の共通認識で、同属で集まり人目を避けひっそりと隠れ住んでいる、いや隠れ住まないと危険なのである

差別が無くなったとはいえ戦前から玉兎族の希少性からその肉を食べると幸運に恵まれるという憶測に加え、玉兎族との性行為は人間のそれより遥かに快感が強く中毒性があるという事実から今も一部の異常者は血眼で玉兎族を探しており、捕まれば高値で取引され食われるか監禁され(なぶ)り続けられるという悲惨な結末しかない

故に今も生き残った極一部の少数で隠れ潜まなければならない




辺鄙(へんぴ)な山里だが人に見つかることなく平穏に過ごせていた。

以前の隠れ里が人間の集団に襲われ、逃げ残った16人でなんとかこの山に囲まれた人跡未踏の地に慎ましくも隠れ里を作り、野性の熊や猪を狩り、薬草等を食べ生活できていた。今日はジルおじさんに魔法学を教わる予定だった。里で唯一魔法学に精通したジルおじさんに教わり少しでも大人達の役に立ちたかった。


ジルおじさんの家に向かう途中でセントの声が里に響いた。


「人間だっ! 武装した集団が近づいてるぞ!!」


その言葉で里の皆が逃げようと森に駆け込むが、里は既に囲まれていたようで次々と里に追い込まれていく。私はジルおじさんに手を掴まれ森に逃げ込もうとしたが武装した人間に見つかり、下卑た目で私を見る人間は人ではない【なにか】に思えた。皆と同様に里に追い込まれるがジルおじさんが抵抗して【なにか】を火の槍で貫く。同時に【なにか】の剣がジルおじさんを貫いた。


ジルおじさんは血に塗れてもう動かない。私を覆うようにして事切れている。


おい! 殺しすぎだ、こいつらは男でも売れるんだぞ!


しょうがねぇだろ! 思ったより抵抗しやがるんだ


人と思えない【なにか】が言葉を交わす


ユーアも動かない。ミルトも動かない。セントも動かない。


ちっ! 値が落ちるがしょうがねぇ、こいつらの死体でも高値がつくんだ、仲間を集めて死体を集めるぞ。


急ぐ事はないだろ? むこうでカイトの奴がお楽しみの最中だぜ? 次は俺の番なんだからよ。


【なにか】が下卑た笑みを浮かべながら吐き気を催す言葉を交わす


ミリルも動かない。キルも動かない。長も、ネアおばさんも、ケニーも、キーラも

スーラは動いていた、でも【なにか】に服を破かれ犯されていた。泥と涙で可愛かった顔を汚したスーラと目が合った。

スーラは逃げてと叫ぶけどもう体に力が入らない。やがて別の【なにか】がスーラを殴り、黙らせるとまた行為に(ふけ)


入り口を見張りに付かせたデイル達が戻らねぇ、っおい! 誰か見て来い


向こうでも5人始末したぜ、こいつら魔法だけじゃなく弓の腕もまぁまぁじゃねぇか


おいそこの死体の下にも一匹いるぞ!


私に気づいた【なにか】が私を引き釣りだし地面に叩きつける。


こいつも女じゃねぇか、あっちの小娘は俺達の物にしてこいつは生け捕りにして売るぞ。



ああ、なんで私達はこんな目に合うのだろう。何も悪い事などしてないのに。こいつらが憎い、殺したい、こんな奴ら消えてしまえば良い・・・


縄を持って私に迫る【なにか】を前に私は神に祈る事しかできなかった。


ボドッ! ビチィッ!


耳障りな音がした方向を見ると【なにか】の首が幾つか転がっていた。私に迫っていた【なにか】と同時に空を見上げると、見慣れない生物に騎乗した男と女がいた、この世のものと思えない光景に私はつい思ったことを呟く。





―――ああ――――神様だ――――――





リリーを走らせると目の前に4人の軽装した男女が姿を現す。


「気をつけて! こいつさっき矢を弾いたわっ!」


「おい! この先は俺達の獲物がいるんだ、見逃してやるから身包み置いてさっさと消えな!」


「なぁ、あの女かなりの上物だぜ、馬みたいなやつも見たことないから高く売れるぜ」


「そうだな。面倒だから男を殺して頂いちま・・・


聞くに堪えない台詞を最後まで聞く必要は無いとシドは槍を一閃し、賊達の首が地面に転がす。

賊の内の1人が弓を装備しており、先ほどの矢はこいつかとシドは槍を更に一閃し、女の体を両断する。


「どうやらこの先でこいつらに襲われてるなにかがいるようね、どうする?」


カレンの興味のない淡々とした口調に、シドが逆に声を荒げ答える


「なにが襲われてるのか知らんし興味もないがお前に矢を向けた一味がいるんだろう? 見逃す気は更々無い!」


シドの怒りが自分の為と知り呆れ半分、喜び半分のカレンは「好きになさい」とシドの行為を静観する。


男達の首を拾いリリーを飛行させ奥へ向かうと、眼下で先の男達の仲間と思われる武装した男女56人と襲われてる兎の耳を頭に生やした人? を動体視力上昇で正確に捉える


「あれは―――獣人? いや、亜人か? 見たこと無いが」


シドが始めてみる種族に、先程までの怒りより先に変わった種族に対する興味が沸く


「あれは・・・珍しい種族に会えたものね、あれはおそらく玉兎族よ。私も目にするのは始めてだわ。薬学や魔法に精通した種族で温厚なんだけど―――」


淡々と告げるカレンだが胸の内で驚いていた

シドに内密に事を進めようとした目的の種族にこうも偶然に出会えた事に


「むぅ、まぁいい。亜人は後回しにして賊を1人残らず滅ぼすぞ」


手にした首を手放し地面に落下させると、大半の賊が此方を見上げ混乱した様子で様々に口を開くが、シドは聞く耳もたんとばかりに空中で槍を一閃し、発生したかまいたちが賊を軽々と貫通し更に地面を大きく抉る。3振りすれば賊の数は10人余りと減り、そこで漸くリリーに騎乗したまま渦中の中央に降りる。


っひ! ひいい、、、た、たすけてえええ!!


ば、、ば、、、ばけものおおぉおおぉお!!!


なんなんだっ! なんなんだよっ!


生き残った賊の内まだなんとか錯乱に陥ってない若い女が一歩前に出てシドに懇願(こんがん)する。


「ね、ねぇあんた達も玉兎族を攫いにきたんでしょ? まだ若い娘が2人生き残ってるからあんた達に譲るわ! ついでに死体も全部あげるっ、だから私達を見逃してくれないかしら?」


女の意味不明な提案にやはりこいつも錯乱してるのかとシドが思案してるとカレンが説明する


「玉兎族の肉を食べると幸運の加護が授かるって噂が人間の間で広まってるのよ、出鱈目だけどね」


カレンの説明を聞いたシドは余りの内容に怒りが若干収まり引いてしまう


「肉を食べるって・・・獣じゃあるまいに、まぁそれは置いとくとしてだ、貴様は錯乱してないようだから良く聞け。俺の嫁に矢を向けた時点でお前らの末路は決まったんだ。懺悔しながら逝け」


一方的に言い放ち、苦し紛れの言い訳に耳を傾けず槍を交差に一閃すると生き残った賊が皆切り刻まれ息絶える。



惨状を前に賊を全滅させたシドが辺りを見回すと確かに2人の玉兎族の生き残りがいた。1人は服を裂かれ息も絶え絶えで、もう1人は呆然と此方を見つめている。

今にも事切れそうな方を同じ女性のほうがいいだろうと判断しカレンに任せ、呆然としてる方にシドは話しかける。


「気休めにもならんだろうが仇は取ったぞ。怪我はないか?」


シドに声をかけられ、玉兎族の娘は緊張が切れたのかその場で意識を手放す。

対応に困ってるとカレンが寄ってくる。その様子からもう1人の玉兎族の娘の末路を悟る


「回復より死を選んだわ。その子は無事のようだけど、どうする?」


「どうするって、なぁ・・・流石にこの有様で放っていくのは気が引けるぞ」


人間の娘なら放っておくか兵士に任せる事もできるが、先のカレンの説明を聞くにそれすら危険と想像が付く以上は放っておく分けにもいかず、どうすればいいかなど直ぐに思いつかない。


「ならその子は任せるから一先ず時空掌握(じくうしょうあく)に放り込んでおきなさい、玉兎族の(むくろ)を埋葬するわよ、死肉を漁る(くず)に好き勝手させるのは業腹だわ」


カレンの提案に賛同し玉兎族の娘を時空掌握に収納し、賊の亡骸は放置して里の近くに槍を振るい、かまいたちで地中深く穿ち、そこに玉兎族の亡骸を埋葬する。里にある4つの家を物色し形見の品になりそうな物を幾つか持ってカレンとリリーに騎乗して空を翔ける。





屋敷に戻った一向は玉兎族の娘をフロアのソファに寝かせると娘の今後を2者で相談する。

妖精は珍客に戸惑い隠れてしまったらしい。


「この国の兵士に任せるのはやはり不味いか?」


「人目を避けて山に隠れ潜んでるような連中よ? 下手に預けても権力者の餌食になるでしょうね」


カレンも玉兎族とは始めて接するがその悲惨な末路を辿る種族のことは知識としてあった。

この国は種族平等を謳っているがそれでも一部の人買いに狙われるだろうと、肉以外の玉兎族の特性ともいえる体質に狙われる要素があることを。


「落ち着いたら人目のつかない所に逃がすしかないか―――」


「まぁ最悪本人が希望すれば他の世界に逃がすわよ、亜人の国なんて幾らでもあるでしょうし」


亜人至上の国や人間と折り合いのついた国など幾らでもあるので、そちらに転移させたほうがこの国にいるよりは遥かに安全だろうと、娘を案じての言葉だ。

人間ならここまで親身にならない2者だった。カレンは兎も角、シドは元々人間だが超越者に成った事での精神の変貌もあるが屋敷で人の歴史を学び、(たま)に国を探索してはその愚かしさを痛感しているので2者とも人間には無関心だった。


2者が話し合ってると玉兎族の娘が目を覚まし朧気ながらもゆっくりと起き上がる。


「目が覚めたか? ここは俺達の家だ、一先ずは安心しろ」


シドがなるべく怖がらせないよう優しく語りかけると娘はポツポツと言葉を発する。


「――――――神様のお家ですか?」


外見は14,5歳ぐらいの娘は覇気が無く、気だるげで目に生気が無く瞳には光りが無い、以前はカレンと同じ銀の瞳には光りがあってさぞ綺麗な瞳だったのだろう。


「神? まぁ俺もカレンもそれに近い存在だな、人間ではない事は確かだ」


シドの言葉に2者を見比べる娘にシドは自己紹介をする


「俺はシド、こっちは俺の自慢の嫁のカレンだ。ちなみに俺より強いから怒らすなよ」


シドが少しでも気を紛らわせようと冗談めかして娘に自己紹介する、最も事実なのだが。


「すみません神様、私にはまだ名前がありません。名付けの儀式がまだできてなくて・・・」


娘の発言にシドだけでなくカレンも驚き問い返す。


「名付けの儀式? あんた達玉兎族は人から生まれたんだから名前ぐらいあるでしょ? 名無しだと仲間との生活でも不自由でしょ?」


「人間に付けられた名は捨てて、中秋(ちゅうしゅう)名月(めいげつ)に名付けの儀式をして長に新名を授かるんです。それまでは耳の色で呼ばれてます」


シドも当然玉兎族は初めて目にするが、カレンから聞いた状況からして人間に付けられた名前すら忌まわしいのだろうと儀式を察する。


(ならこの娘は黒い耳と尻尾だから黒と呼ばれてたのか)


「玉兎族独特の風習のようね。それで、あんたどうする? 折角の縁だから好きな場所に逃がすわよ」


他の世界に、とはまだ口に出さないが本人が人のいない場所を望めば要望通り、その世界に転移させるつもりだ。


「――――スーラは? 私の他に居たもう1人の子は無事ですか?」


「・・・虫の息で回復より死を望んだわ」


「・・っそう、、ですか―――」


あの惨状でのスーラを思い出し言葉を殺し涙を流す。2者も言葉をかけず落ち着くのを待つ。


「―――――あの・・・私には他に仲間も身寄りもありません、人間にはもう近づきたくも無いです。なんでもするのでお傍に置いて頂けないでしょうか? 魔法なら少し行使できます」


「むぅ・・・カレン?」


娘の意外な提案にシドは流石に考え付かずカレンに振ってしまう。シドがあの星に来てから来客は1人も無かった。幾ら人間以外には優しいカレンでも傍に置くとは考えにくく、断って何処かに転移させる事になるだろうと判断する。


そんな娘の提案にカレンは暫し無言になり娘を【注視】して看破する


「へぇ、なんでもねぇ。そういえば玉兎族との性行為は人間より快感が凄いらしいからあんた試してみる?」


「・・・子供を抱く趣味はないし、そもそも俺はカレン一筋だ。だがそんな特異体質なら余計心配だな」


カレンからも驚きの台詞が飛び、娘もビクッと体を震わせるが、思ったことを素直に口に出し即座に否定し、尚更この娘の心配が増してしまう。この世界の神はとことん玉兎族が嫌いなのかと勘繰ってしまう。


「ふふっ・・・ありがとう。そうね・・・」


シドの一筋発言に気分の良くなったカレンは笑顔で更にとんでもない発言をする。


「あんたの瞳、綺麗ね。壊れた人形みたいでいいわ。シド、書斎の整理要因も兼ねて使用人として置いてみるのはどうかしら?」


娘の生気の無く色の失った銀の瞳がどこか妖艶で綺麗だとはシドも密かに思ってた事だった。だが壊れた人形とは・・・カレンの発想に驚かされ、使用人として傍に置くという事にも一層驚かされる


「カレンの屋敷だからな、カレンがいいなら俺に異存はないさ。しかしそうなると名無しは不便だな」


「そうね。―――決めた、あんたにサテラの名を授けるわ。これからはサテラと名乗りなさい」


「サテラ、、サテラ、有難う御座います。神様」


「サテラか、良い名前だな。これからよろしく頼むぞサテラ、だが今は休め」


「私達のことは名前で呼びなさい・・・それとあんたの横にある袋の中に、あの里にあった家屋から持ち出した形見になりそうなの詰めといたわよ」


カレンの言葉に釣られて袋を空け中身を確認すると涙を零し、カレンの「仲間達の躯は全て埋葬しといたから安心しなさい」の台詞に遂に涙腺が決壊し止め処なく涙を溢れさせ泣き出し、嗚咽する。


「―――っ・・! 皆・・で・・・っやっと・・平和に暮らしてたのに―――っ!」


カレンがその背を優しく擦り、シドが暖かく見守る。




こうしてカレンの屋敷に3人目の住人が決まった。

玉兎族の娘、サテラ。

初めての出会いはシドとはまた違った意味で記憶に深く印象が残った。




その日の深夜、隣でシドが寝息を立ててるのを確認したカレンがシドの寝顔にキスをしてゆっくりベッドから離れルルア渓谷に転移する


「さて・・・どいつにしようかしら」


サテラと奇跡の遭遇をしたことで順番が狂ってしまったが当初の予定通り、シドへの内密の目的を果たそうと1者思案するカレン


数分して目当ての神物を思い付き伝達の魔法を行使する


(モーハナ、私よ、直ぐ来なさい)


(ぇ!? こんと、んっん! カレン様?! 何用でしょうか?)


咄嗟の事でカレンの忌み名の混沌姫と言いかけ咄嗟に呼び直すモーハナ

性を司る大伸で1万を超える妻がいるという異才の神だった


(あんたに頼みたい事が有るから私のいる場所に来なさい。339の星に居るわ)


(頼み事ですか・・・判りました。直ぐ伺います)


暫くしてカレンの眼前に転移して来たモーハナ

女を魅了する特性のある色男だがその大神振りから神威が溢れ星に影響を及ぼす程だ


「お待たせしましたカレン様。それで何用でしょうか? 今2075人目の妻と喧嘩の真っ最中なのですが・・・」


「相変わらずの多妻振りね。それは私が仲裁してあげるから私の実験に協力しなさい」


「それは助かります。して・・・実験とは?」


「この星独自の種族で希少種の玉兎族と目合ひして欲しいの」


「ぎょくとぞく・・・それは別に構いませんが何の目的で?」


「玉兎族との性行為は人間のそれより遥かに快感が凄まじいらしくてその実験よ」


カレンは実験というがその目的は半分は玉兎の特性の確認だがもう半分は異なる

玉兎の特性から自身への糧になるかの確認が大事だった、シドの為に


「成程――そういう事でしたら私は歓迎です」


「じゃあ頼むわね、これから玉兎を探すから少し待ってなさい」


モーハナの協力を取り付けた事でカレンが大規模索敵魔法を展開して玉兎族の波動を探し出す

幸いにも昼間に玉兎族と出会い玉兎独自の波動を感知したのでこの星の何処に隠れ潜もうともカレンなら探し当てる事は容易だ


「見つけたわ。別大陸だから転移で行くわよ」


「了解です」


熱帯雨林の避暑地にある玉兎の隠れ里に1者と1柱が転移するとそれと同時に即座に見張りの玉兎に発見され、揉めるかと思いきやモーハナの神威を感じ取り、見張りの玉兎が低頭して伺うのでカレンが目的を告げると里長の母屋に案内され、そこで長に歓迎されたカレンが事情を説明すると長は神の子を授かれる可能性に加えて自身ら玉兎の特性についても詳しく判明するならと、妙齢の玉兎族から同意を経てモーハナとまぐわう事となった。


その結果は散々だった


玉兎の娘は死亡し、モーハナは性に明け狂うという無残な事になった

この結果からカレンの追及する事象には至らないと結論が出たので玉兎の娘は蘇生し、モーハナは一苦労したがなんとか正常に戻した


玉兎の娘と里長は神の子が宿ると大喜びだがモーハナは憔悴しておりこの結果を固く口留めさせて元の星へ帰らせた。


(玉兎の特性から妊娠への手掛かりが有ればと思ったんだけど―――仕方ないわね、次の手を考えましょう)


こうしてカレンの実験は失敗に終わったが善意で協力してくれた玉兎に感謝し、今後その特性から神々の眼に付かないようにいずれ神々には玉兎は星事滅んだと偽りこのまま穏やかな余生を過ごしてもらおうと決めた。

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