本編2話
自分の家に帰り着いたあと、夕飯を食べてからお風呂に入り、ニ階の部屋に戻った。
(今日、借りてきた読みかけの本を読もう。)
カバンから借りてきた本を取り出し、読み始めた。
読み終わったあと、本の上に手を置いた。
私の左手の中指には指輪が付いている。本物かはわからないが、蒼い宝石が付いている。なぜかはわからないけど取れないし、周りからも見えないらしい。
この指輪は魔法少女になったときに貰ったものだ。
そう、私は魔法少女である。
事の発端は、兄さんがさらわれてから一ヶ月後。マスコットみたいな精霊がいきなり現れ、契約して魔法少女になった。
(あの時、この力を持っていれば、兄さんを助けられたかもしれないのに。)
そう思っても仕方が無い。今の私に出来ることは、兄さんのような被害を出さないこと。ただそれだけ。
そう物思いにふけっていたとき、私の左手に付いている指輪が青く光りだした。
それと同時に私のかばんの中に入っていた“自称精霊”の黒板消しによく似た“ラーフル”が飛び出し、フワフワ浮きながら直接頭の中に話しかけてきた。
(この近くで人形が暴れてるフル!倒しに行くフル!)
私は変身するために目をつむった。
そうすると『単語を入力して下さい』という音声と共に、頭の中に縦線のカーソルとキーボードが出てくる。そこにキーボードを使って単語を打ち込むと変身が出来る仕組みになっている。
不便なことに、一度使った単語では変身できない。
このために、私は日々様々な本を読み、新しい単語を覚えている。ノートまで作っているのはこれのため
詳しい基準はよくわからないけれど、造語は使えない時もある。
人名は今のところ一つも使えなかった。
何とかパワーみたいな口上が無いから雰囲気が出ないのが残念。
(今回は相加相乗平均でいきましょう。そ・う・か・そ・う・じょ・う・へ・い・き・ん、っと。)
打ち込み終わって目を開くと、指輪から出ていた光が私の全身を包み込み、輝きだした。シュルシュルシュルと布が巻き付き、魔法少女の衣装になっていく。最後には頭の髪留めが付いておわり。
変身後の衣装は個人的にお気に入り。かなりかわいい。
私は変身し、家を飛び出した。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
今回は、前回のあとがきで言っていた通り変身しました。若干ムードが欠けていますが、これがこの世界では通常の変身方法です。変身については色々設定があったりなかったりします。
あと、主人公が頭の中で考えてるシーンばかりになってしまい申し訳ないです。
次回は戦います。
とりあえず敵と戦います。
戦闘シーンを上手に書けているかは甚だ疑問ですが、読んでいただけたら嬉しいなって思います。
次回もお楽しみください。