諦め
「は…?」
そこには本来見ることのないはずの光景が広がっていた。
「ささ、持ち物の整理をしましょう。」
そうのんきな声で彼女は荷物の整理を始めた。俺はこの光景をしっている。つまり俺は死んでもある程度の時間まで戻されてしまう。その事実は案外素直に頭に入ってくる。けれど、現実を知っても何も思うことはなかった。それは、ある種の諦めなのかもしれない。
それから、俺は前回と同じ様に時間を過ごす。
食事も武器を持った感覚も全て一緒なのだ、こんなのは可笑しいけれど、その不変さに何故か安らぎすらも思えてくる。
そして、夜が来る。
同じ様に雄叫びが地を鳴らし人々に狂気の旋律を奏でさせる。
「みんなを救わないと!」
彼女はまた同じ様に俺に協力を求め、彼女は戦場へと赴いていった。
しっていたんだ。全てこうなるのを俺は知っていた。知っていた。知っていた、知っていた知っていた知っていた知っていた知っていた知っていた知っていた知っていた知っていた知っていた知っていた知っていた知っていた、知っていた知っていた知っていた知っていた知っていた知っていた知っていた知っていた知っていた知っていた知っていた知っていた知っていた知っていた知っていた知っていた
でも…何もしなかった。
いや、何をしても無駄ということがわかってしまったんだ。
ゴブリンすら、まともに倒せない自分がなにをしてもこの状況を変えることはできないと頭が理解して、思考を止めてしまった。
こんな言葉では足りない、そうだ。俺は諦めたんだ。
窓の外を見てると、そこには亡骸を抱えて友の名を呼ぶ者や、怪我人を庇ってゴブリンに滅多打ちにされる者など様々な者がいる。
「ほら、なにをしても無駄なんだ。」
1匹のゴブリンと目が合う。その瞬間に俺の体は反射的にナイフを取り出していた。ゴブリンは石を投げ窓を割って入ってくる。
「おらっ!」
俺は机を盾にしてゴブリンに突撃して、地獄のステージへと踊りでる。
「ウィンドカッター」
俺は机越しにモンスターの首を落とす。
そして、周りには、数十匹のゴブリンが居るのを見てナイフが手から落ちる。
「何やってんだーよ!お前は!」
その声ご聴こえた頃には俺の身体は宙に浮いて2、3匹のゴブリンをクッションにしていた。
「どうしてお前が諦めてんだよ!立てよ!まだその時じゃないだろ!」
「俺にどうしろってんだ!俺には何の力も無いんだよ!俺だって自分の力でどうにかできるんだったらどうにかしたいさ。実際にどうにかしようともしたんだ!でも、駄目だったんだ。もう、辛いんだ。俺一人じゃどうにもならないんだ!」
「だから、俺の力を使えよ佐々木拓郎!」
「俺の名前は石橋優!お前の友達だ!」
その言葉を聴いたら無意識ではあるが声にある言葉がでてきていた。
「スティールー!」
その瞬間に頭に声が響き渡る。
「vRモードに以降します。」
身体が軽くまるでVRゲームをしているようだ。
もう、こんなくだらないことで悩むのは辞めよう。
「ありがとう優、俺はまだ頑張るよ。」
俺はまた立ち上がる。
「行くぞ!トラウマモンスター!」