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第七十九話 公方勢力との決戦 阿波・摂津攻略

間違いがありましたら指摘お願いします。

ネットで色々と調べながら書いていると、ホント、高校生に戻った気分です……。

あー……脳がパンクする~。

 1561年 八月 京 二条御所 【視点:須藤惣兵衛元直】



 武田との戦を終えた後、織田軍は再び上洛、公方側への対処を進める事となった。

 阿波・摂津の三好、越前の朝倉、そして槙島城の将軍足利義昭。

 これが現在織田と敵対関係にある勢力だ。

 だが、それも瓦解寸前となっている。

 石山本願寺や比叡山延暦寺、摂津国人衆や畿内の松永、紀伊の”根来衆”等、戦力に余裕のある織田軍は、三勢力同時に対処を始めたのだった。




 さて、先ずは三好だが、俺達が手を加える事無く、事は動き出した。


 七月中旬、三好の本国である阿波の上桜城で、長慶の死後、阿波を任されていた三好長治を大将とした、阿波国・讃岐国の国人勢が、上桜城城主であった篠原長房と戦を始めた。

 篠原長房も抗戦したが、結果は篠原長房の敗北で終わった。


 だが、話はこれだけでは終わらない。

 その後、権力を振り翳していた長治に対し、讃岐の国人である香川之景や香西佳清等が離反を警告する書状を送り、家臣もこれを受けて長治に諫言した。

 だが、長治はこれを無視するどころか、香川等に対して兵を送った事で、完全に対立関係となったのだ。


 これを受けた織田軍は、すぐさま香川等への援助を開始、香川等もこれを快諾した。

 取次をしたのは、松永だった。

 あのオッサン、いつの間にそんな人脈を持ってたんだか、香川等からの援助を要請する書状を持って来たのだ。

 というか、絶対に主導は松永(アイツ)な気がする。

 俺等が武田に集中している間に、色々と動いていたらしい。

 更に、八月中旬には織田に松永と共に降伏していた三好義継を、正当な長慶の後継者にして”織田阿波・摂津攻略軍大将”として祭り上げ、松永や高山右近等の大和・摂津の国人衆達と共に向かわせ、織田家からは官兵衛を軍監として派遣した。

 史実においては”三好家最後の当主”とも呼ばれる義継は、松永の主だった長慶の養子である。

 今は松永の下に身を寄せているが、養父の土地であった阿波を得たいと思うのは自然な事だろう。

 多分だが、松永もそれを知っていて、動いたんだろう。

 意外と忠義深い奴である。



 更にこの頃、織田にとある勢力から有難いと同時に、面倒な申し出があった。

 土佐の国人で、勢力を伸ばしていた長宗我部家が、当主の妻が明智光秀の家臣である斎藤利三の妹であった事から、姻戚関係を頼り、同盟を申し出てきたのである。

 長宗我部家は土佐国を統一した後、阿波・讃岐・伊予への侵攻を始めており、明らかに四国の統一を狙っての事だった。

 信長はこれを承諾するも、家臣である義継や、讃岐の国人達の事も考慮し、阿波の南部のみ領有を認めた。

 結局は長宗我部は折れてくれたが、恐らくいずれは牙を剥いてくるだろう。

 油断は出来ないので、それを聞いた信長は”伊賀忍”に命じて土佐国の情報を集める様に命令した。

 正直に言うならば、史実においては最終的に織田から離反したので、全然信用ならないのである。

 だが、長宗我部が動くのは先の話だと考え、更に三好衆の衰退を優先する事を決めた信長は、結果的には長宗我部との同盟を結んだ。




 それを受け八月下旬には、土佐の長宗我部と阿波・摂津方面の織田軍による、阿波の三好長治、摂津の三好三人衆への攻撃を開始した。

 長宗我部と阿波・讃岐の国人衆等が阿波の三好軍を相手にしている最中、織田軍が摂津の三好衆を追い立てる。

 結果、幾つもの戦を経て、阿波の三好長治等は討死、三好長逸は行方知れずとなり、政康は病没、岩成友通は降伏した。

 彼等が擁立した足利義栄も、三好三人衆と共に摂津に逃げ込んだ際に病没していた為、これにより三好三人衆及び阿波三好勢力は完全に崩壊したのである。



 一方、槙島城の足利義昭を幾人かの将に見張らせ、俺達は越前の朝倉・浅井と刀根坂で相対する事となったのである。





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