表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雫物語~Myth of The Wind~  作者: クロプリ
2人のフィアナ騎士
28/221

決戦前の決意

決戦の朝……


決意を胸に外へ出た航太を出迎えたのは、幻想的な朝焼けの光景だった。


青からオレンジへ変わっていく景色を見て、航太は気持ちが少し落ち着いた気がした。


しかし、そんな時間は長く続かない。


「見たぞ見たぞ~~~~~!!夜中に若い女と2人きりで何してたぁ~~♪♪♪」


顔を合わせた瞬間に、絵美がニヤニヤしながら航太に話かけた。


「……………なんで知ってんの?」


「ガーゴは見たでしゅよ!!夜ばいする変態の姿を!!まったく、このロリロリ野郎にはウンザリでしゅ~~」


(またアヒルのヌイグルミか……。せっかくイイ気分だったのに!!もー、どうにかしてくれ!!)


航太は、頭を抱える。


それを見て、智美が「プーッ」と吹き出した。


「毎回、同じやり取りしてて、楽しいの??」


「楽しい訳ねーだろ!!誰だ!!こんなアホに命吹き込んだの!!」


「ゴメン………私だ……」


航太が怒鳴った瞬間に、消え入りそうなエリサの声が聞こえてきた。


「航兄、とりあえずエリサさんに謝った方がいいと思うよ」


「………………………………スマン………」


航太は、エリサに深々と頭を下げた。


(今のはオレが悪いのか???まぢ納得できねー!!)


「みんな相変わらずだね☆でも、今からは気を引き締めて!!なんたってフェルグスが相手なんだから!!」


ゼークが馬に乗り、綺麗な銀髪を靡かせながら、颯爽と登場する。


ゼークの言葉に、昨日のテントでの話が航太の頭の中に過ぎる。


アルパスターとフェルグスは、絶対に戦場で出会わせてはならない。


将軍という肩書がある以上、過去のように戦わずに済むはずがない。


2人が戦場で会わないよう、自分がしっかりしなくては…


航太は気持ちを入れ直し、深呼吸してから周りの景色を見た。


辺りは少しずつ明かりを増していき、太陽の光を感じられる程になっていた。


「ヨトゥン軍に人間から仕掛ける事なんてほとんどない!!この奇襲で、我々が優位に立つぞ!」


ゼークが全軍に向かって叫ぶ。


「おー!!!」


全軍がゼークの声に応え、凄まじいパワーが声になって戻ってくる。


大気を震わせる程のパワーに、航太は身震いした。


「ホワイト・ティアラ隊は後方支援。我が部隊は正面から突っ込む!!相手を後退させれば、それでいい!!」


ゼークの声は躊躇いもなく、将としての威厳もあった。


(今のゼークなら…大丈夫!!)


航太には、なぜか核心めいた思いがあった。


「突撃!!」


ゼークの声で、一斉に馬が走り出し、凄まじい量の砂煙りが舞い上がる。


前衛にゼークと航太。


中軍に絵美と智美。


後衛にホワイト・ティアラ隊といった陣容で、フェルグス軍との戦いが開戦した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ