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雫物語~Myth of The Wind~  作者: クロプリ
2人のフィアナ騎士
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決意の後の目覚め

「くわぁ~~~~~よく寝た。……………………ってココはドコだ????」


起きて伸びをした航太は、自分の部屋じゃない光景……というか、テントの中みたいな光景に焦り、手を横に広げた。


ふにっっ☆


……………………


何となく手に柔らかい感触が…………


「あ~~~~~~!!!航太何してるでしゅか~~~~!!ふにふにでしゅ~~~~!!」


ガーゴの声に、航太は完全に今までの経緯を思い出した。


オゼス村から夜営地に戻った4人は、昼過ぎぐらいの時間だったが、食事もせずに用意してくれたテントで寝てしまったのだ。


徹夜した上に、目まぐるしく色々な事が起きたから仕方ない。


(確か、オレの横って絵美が寝てたよな……)


(^-^;


航太はゆっくり、自分の腕の先を見ると……


絵美の胸の上に自分の手があるのを、はっきり見てしまった……


スグに手を離し、周りを見る。


先程のガーゴの大声でみんな起きたのだろう。


智美は怒りの目、一真は呆れた目をして航太を見ている。


「いや、これは事故だよ………うん……焦って手を動かしたらたまたま……」


「たまたま手を動かしたら、たまたま絵美の胸の上に手が動いて、で、胸に手を乗せながら考え事をした訳ね!!」


智美の目は吊り上がっている。


「航兄……元の世界に戻らないって決めたからって、何してもイイ訳じゃないんだから……」


一真は明らかに呆れた声で言った。


「てか、言い訳するならヤらないでよ!!意気地無し!!!」


絵美は、航太に向かって「べーっ」と舌を出す。


「だいたい航太は変態なんでしゅよ。ガーゴは知ってましゅたよ!!」


ガーゴが得意げに言った。


「つーかアヒル野郎!!てめぇが大声出さなきゃ、皆に気付かれなかったんだよ!!」


航太がガーゴの頭と足を持ち、雑巾を絞るように絞り上げる。


「痛いでしゅ~~~エロの次は虐待でしゅ~~。最低の人間でしゅ~~」


それを見ていた他の3人は吹き出していた。


「航ちゃん、そんなマジにならなくても、分かってるから平気だよ~~♪」


絵美が笑って、涙目になりながら言った。


その時、テントの入り口が開き、ゼークがチョコっと顔を出した。


「楽しそうでイイなぁ~~☆今度私も混ぜてね☆そうそう、起きたなら食事の準備出来たから行こ☆色々説明しなきゃいけないし☆」


(☆が飛びまくってるな~~。戦ってる時はカッケ~けど、普段は年頃の女の子だな……)


航太達は軽く寝癖を整えて、テントの外に出た。


外はすでに日が昇り始めていた。


灼熱の陽射しが降り注ぎ、ジリジリと皮膚を焼いていく感じがした。


「この陽射しスゴイなぁ~~日焼けしちゃう!!」


絵美が腕を組んで、イヤイヤするように首を振る。


「てか、この暑さの中でよく寝れてたなぁ~~。かなり疲れてたんだな……」


航太は腕で汗を拭った。


「そこの中で食べるよ☆あまり豪華な物は出せないケドねー☆」


以前は緊張しながら入ったアルパスター将軍のいるテントだが、今はそれほど緊張しない。


「入りま~~す」


ゼークがまずテントに入り、続いて4人も入る。


テントの中には大きいテーブルが用意されており、アルパスター将軍・ネイア・アリアが椅子に座っていた。


「今まで顔を合わせている面子で食事した方が、緊張もしないと思ってな」


テーブルの隅で立っている4人に、アルパスターが声をかける。


「まー座ってよ☆早く食べよ☆」


椅子に座りながら、ゼークが言った。


ネイアとエリサが席を立って、4人に座る場所を指示する。


肉を焼いた物や野菜を炒めた物……普通な料理に航太は少しホッとした。


「まず食べよう。話はそれからでいいだろう?」


何も食べずに今までいた4人は、無心で食事に噛り付く。


お腹が空いてると、人間何でも食べれると、航太は実感した。


「そろそろ落ち着いたかな?」


4人の食事を見ていたアルパスターは、食べる勢いが落ちてきた頃を見計らって4人に声をかけた。


「大丈夫です!スイマセン!!がっついちゃって!!」


智美が手を口にあてて言う。


「沢山はないけど、昨日頑張ってくれたんだから、しっかり食べて」


ネイアが智美に声をかける。


「まずは力を借してくれる決心をしてくれて、ありがとう」


アルパスターは軽く会釈する。


「まず航太・智美・絵美にはMyth Knightとして、我が軍に迎える。一真はネイアと供にホワイト・ティアラ隊の一員として頑張ってもらいたい」


航太はアルパスターの声を人事発表のようだと思い、少し笑いそうになった。


「神剣にはそれぞれ特性があるの☆航太は大分気付いてるんじゃない??」


ゼークが航太に言う。


「ああ、オレの【エアの剣】は風を起こしたり、それを攻撃や防御に転換出来るみたいだ」


「私の矛からも水の刃みたいなの出たケド、アレもそうなんだね♪」


航太の話に頷きながら、絵美が続ける。


「そうだ。神剣の特性を把握する事で、戦いに大きく役立つ。訓練を重ねて、まずは神剣を自分の手足のように扱えるように努力しろ」


アルパスターはさらに続ける。


「大変だが、Myth Knightは人間の希望だ。頑張ってくれ!」


その言葉に航太は身が締まる思いだった。


その時、テントの入り口が開いて、一人の女性が入ってきた……

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