表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雫物語~Myth of The Wind~  作者: クロプリ
血に染まる白冠
122/221

バロールとの戦い4

 

「うおおおおぉぉぉぉ!!」


 ユングヴィ王子……………フレイは、神槍ゲイボルグを巧に操りバロールに攻撃を仕掛ける。


 ゲイボルグ…………かつて7国の騎士の1人、そして太陽神ルーの子孫であるクー・フーリンが操った伝説の槍だ。


 ゲイボルグが、どのような経緯でクー・フーリンからフレイに渡ったかは不明である。


 史上最強の剣、ソード・オブ・ヴィクトリーが失われた後、フレイはゲイボルグの所有者となった。


 その伝説の槍、ゲイボルグが稲妻の如くバロールに襲いかかる。


「航太!!今のうちに、ゼークの救出に向かえ!!バロールの魔眼はオレが引き受ける!!」


 フレイは神である為、魔眼で見られても死ぬ事はない…………力は半減させられてしまうが……………


 氷の球の中にも入り込んでくる、太く力強いフレイの声は航太や智美達に勇気を与える。


「しゃあ!!王子が来てくれたなら、もう大丈夫だ!!ゼークを助けに行くぜ!!」


 航太は渾身の力で鎌鼬を放ち、氷の球を破壊する。


「んで、ゼークのトコまで飛ぶぜ!!」


 航太は自分を中心に、円を描くようにエアの剣を回した。


 すると、地面から強烈な風が吹き出し、航太達を空へと…………ゼークの元へと飛ばす。


「仲間を守るか……………力を発揮出来ない武器で、我と一騎討ちを挑むとは愚かよのう…………」


「やってみなければ分からん!!」


 余裕のバロールに向けて、フレイはゲイボルグを投げつけた。


 ゲイボルグは投擲武器としても優秀であり、フレイの投げた槍はバロールの目の前で、なんと30本の槍に増殖する。


 その30本の槍の雨が、バロールに降り注ぐ!!


 しかしバロールの瞳が青白く輝いた瞬間に強風が吹き、槍の大半が軌道を逸らされた。


 残った槍も、簡単にバロールに弾かれていく。


 弾かれた槍に他の槍が次々に吸収されながら、主の元に戻っていき、フレイの手元に戻った時には、1本の槍の姿になっている。


 戻ってきたゲイボルグを構え、フレイはバロールの目の前に立ち塞がった。


「なるほど…………流石は戦神フレイじゃ!!魔眼の影響下にありながら、なかなかの攻撃じゃの!!」


「ふん、よく言うな…………貴様の魔眼のおかげで、ゲイボルグの力も半減だ…………本来なら、風ごときで軌道を逸らすなど不可能だ!!」


 バロールは3つの魔眼を見開いて、フレイと対峙する。


 2人とも話ながら相手の隙を伺うが、お互いに隙がない。


 だが、フレイのいる場所はバロール軍本隊の真っ只中であり、周りにはヨトゥン兵が溢れ返っている。


 バロールに集中するフレイに、そのヨトゥン兵が斬りかかってきた。


 ヨトゥン兵の数体など、フレイの敵ではない。


 それでもフレイがヨトゥン兵と戦えば、バロールの魔眼は確実にゼーク隊や航太隊に向けられてしまう。


 なんとしても自分に魔眼を向けさせておく必要があり、フレイは攻撃まで手が回らない。


「どうしても、仲間を守りたいんじゃの。人間は、魔眼で見られただけで死んでしまう弱い生き物だからのぅ…………しかし、ここに戦力をかけていては、ガヌロンに出し抜かれるぞ…………あやつは、アルパスター隊の布陣を熟知しておるからの…………」


 バロールの言葉を聞いて、フレイは一瞬戸惑う。


 ガヌロンがヨトゥン側にいるのは、何となく予測はついていた。


 問題は何故ガヌロンが裏切って今回の戦闘に参加している事を、バロールが教えてきたのか……………


(恐らく、今回の戦闘は我々の戦力の把握のはず…………コナハト城で籠城し、遠征軍を全滅させる為に必要な戦力を把握する事…………となると、1番弱い所を叩いて、その対応力も見ようとするか??)


 フレイは直ぐに考えを纏めると、口を開く。


「航太は500の兵を持って、前衛のアルパスター隊と合流!!ゼークは残りの航太の部隊を指揮して、私のフォローをしろ!!智美と絵美はゼークの援護を!!」


 フレイの言葉は、離れた場所にいるゼークや航太にしっかり届く。


「航太、聞いた??私達は、ユンクヴィ王子のフォローに向かう。智美と絵美は借りるわよ!!それと航太隊の500は、私に付いて来い!!」


 フレイの指示を聞いたゼークは、直ぐに行動を開始する。


「なっ………オレも行くぜ!!ここでバロールを討っちまえば、それが1番だろ??なら、遠距離攻撃出来るオレが王子のフォローをした方がいい!!」


「航太、ここは戦場よ!!そして、あなたは兵を指揮する立場になった。自分の判断が、多くの兵の命を左右する…………そして戦争の勝敗は、多くの人の人生に影響する。それを自覚して考えて!!多分だけど、バロール軍の本隊以外に別働隊がいる。だから…………」


 そこまでゼークの言葉を聞いていた航太は、頷いてその言葉を止めた。


「分かった!!やっぱ、皆すげーや。一瞬で考えて判断する………それが、指揮官として求められる能力か…………とりあえず、アルパスター将軍のトコ行って情報仕入れて来る。それまで、智美と絵美を頼む!!」


 そう言うと、航太は500の兵を引き連れて戦場を離れて行く。


「さてと…………煩いのは居なくなったし事だし、ゼーク宜しくね!!」


「水の力を使えば、魔眼の力を無効化出来るみたい。だから、私が防御を受け持つわ!!」


 絵美と智美の言葉に、ゼークは一時笑いながら頷く。


 それも一瞬で、直ぐに表情を険しいものに戻すと、航太の隊の兵と自分の隊の兵を見る。


「王子は、魔眼に対抗出来る術を持っているようだ!!王子がバロールとの戦いに集中出来れば、我々が魔眼の脅威に晒される事はない!!ここで先ほどまでの借りを返すぞ!!数では劣るが、ここが正念場だ!!ベルヘイム魂を見せてやれ!!」


 ゼークが、自らのバスタード・ソードを天に掲げた。


「うおおぉぉぉ!!!!」


 ベルヘイム兵達が、鬨の声を上げていく!!


(地面が揺れてる!!凄い!!力が漲ってくる!!)


 ゼークの横にいた絵美は、心を震わせる。


 智美は、振り上げたゼークの剣の柄が気になっていた。


 傷の多い刀身とは違い、柄は白く輝いている。


 そして、神秘的な炎の紋章がついていた。


(あの剣…………刃の部分は普通に見えるケド…………あの神秘的な柄…………ひょっとして、ゼークもMyth Knightなの??)


 智美は疑問に思ったが、戦いに集中しようと首を振る。


「いくよ!!絵美、智美、私に付いて来て!!テューネは、あまり無理しないでよ!!」


 そう言うと、ゼークがバロールの死角となってる林から飛び出した!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ