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6月5日 日曜日(2)
人の声がしなくなったと思ったら、合コン軍団は寝息を立てていた。腹が減った。スマホが震えたので見ると南が起床したという連絡が来ていた。午前11時20分。帰ろう。南がギターを取りに来るので、ついでにラーメンを食べに行くことにした。まほろば亭だ。
「南は、バンド楽しい?」
「先輩らに組まされてやってるから、今はまだ何とも」
「ギターを弾くこと自体は好きやろ?」
「うん」
「ギターが弾けなくなったら、どうする?」
「どうするって、、」
「別に生きていける?」
「うん」
「なんで?」
「意味わからんな」
「確かに」
「お前は何かやらんの?ゲームも下手だし」
「何かやらないといけないと思ってる」
「そうやな」
「また陸上やりたい」
「高校では速かったんやろ?」
「県内では割と」
「やれば?」
「うん、でも半端にはできない」
「なんで?」
「そういうものだから」
「そうか。そろそろ食べよう」
南はラーメン、僕は酢豚と焼き飯を食べた。
まほろば亭は、中華料理屋だった。