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イナイチ  作者: タイヨウノトウ
12/12

6月12日 日曜日(2)

 朝と昼の間のような時間になって、彼女はのそのそと起きだした。

「はい今日は、、、君にプレゼントが、ありまあああす」

最後にあくびが混ざった。彼女はベッドの下から箱を取り出して、開けて見せた。見覚えのある形の、赤いランニングシューズが入っていた。新品のシューズ独特のにおいが、すごく懐かしかった。

「それ、高校のとき履いてたやつやろ?」

確かにそれは、僕が高校時代に使っていたシューズだった。足によくなじんだから、同じモデルを3足は履きつぶしたと思う。廃版になったのは確か2年前で、人気モデルだったこともあって、どこのスポーツ店からもすぐに在庫がなくなってしまった。その後は仕方なく別のモデルを使っていた。もっとも、最近は走ってさえいないけれど。

「どこで見つけたん?」

「ヤフオク」

「てか、何で知ってるん?ウェーブウィング履いてたの」

「あんだけ毎日真っ赤な靴履いて走り回ってりゃ、嫌でも覚えますがね。あとマジックテープだし」

「高かったろ?もらっていいん?」

「君は走ってないとダメな人でしょう?ゲームもしないし」

「そうかもしれない」

「私のところにも、もう毎日来なくていいよ」

「とか言って、終電間際になったら電話してくるくせに」

「は?私はもっと余裕を持って電話しますから」

「だめだろ」

彼女は焼いたパンにジャムを塗って、少しずつ口に入れている。

「じゃあ、こうしよう」

僕はその案を、彼女に話した。



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― 新着の感想 ―
[一言] もう更新はありませんか? 身辺に変化があり、忙しいこととは思います 面白いので、よければ落ち着いた頃に続きを書いていただけると僥倖です
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