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イナイチ  作者: タイヨウノトウ
10/12

6月5日 日曜日(3)

 今日も御影に向かう。神戸線に乗り換えると、電車の窓に水滴がついて、流れるようになった。遠くの空には、別世界の夕焼けが見えていたけれど、高校生の集団が乗ってきて、視界が塞がってしまった。ポケットからスマホを取り出して時間をつぶしていると、アナウンスが聞こえた。線路内の安全点検のため、次の駅でしばらく停車するとのことだ。よくあることなのだろうか。電車が止まったから少し遅れる、と彼女にメールしておいた。


 開きっ放しになったドアから、雨に濡れた鉄とアスファルトの心地よいにおいが掠めた。停車してから10分は経っただろうか。乗客は静かで、まるでトラブルを意に介していないように見えた。僕にとっては大阪に来てから初めての経験だったので、ネットで何か情報がないか検索してみたが、今ここで神戸線が止まっているという事実は、どこにも見つからなかった。こういう事態は大抵誰かがSNSで発信するものだと思っていたが、案外そうでもないのかもしれない。彼女からの返信は、まだない。

 



 

 

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