ー5日目そして6日目ー
ー5日目ー
「・・・・・」
昨日、神木はアルファに撃たれた。
その原因は神木自身にもあるが、小宮に促されたこともある。
「・・・・・」
小宮は必ず“貿易”が出来る立ち位置にいると思っているらしい。それは初日の俺と神木の“貿易”を見ていたから。
俺はチョコ、神木はタバコ
しかし、俺がアルファに年齢確認をされて神木は諦めた。
もしかしたら、俺の身長が高ければ年齢確認をされなかっただろう。
「・・・・・」
昨日の事は刺激になった。改めて死が密接なこと、小宮、神木が俺を出し抜こうとしたこと。
それが分かっただけでも良しとしよう。
「・・・・・」
ちなみに、神木は室内の隅に座って怪我を療養している。
小宮はレジの近くの床に座っている。
「・・・・・」
その少し前に俺は座っている。目を開けて、目の前の小宮から視線を外さずに。
「何か用ですか?」
「・・・・・」
「“貿易”の交渉ですか?」
「・・・・・」
「はぁ、、、」
話が通じない事を感じ取った小宮は立ち上がり、バックヤードの方に向かう。
それに当たり前かのように付いていく。
コミニケーションは取らない。ただ黙って見ている。これをひたすら続ける。
次の日、すなわち6日目。
同じく朝から夜まで付いていく。見続ける。
神木にも小宮にも“貿易”の交渉はしない。
「本当に何なんですか⁉︎意味もなく付いてこないでください!」
2日間ストーカーされて、イライラが溜まってきた小宮。口調からも感じ取れる。
それに対して答えない。何も答えない。
そして、最後の7日目が始まる。