うたかた
「ルシフェル……」
初めてルシフェルを抱いている気がした。
散々抱きまくっておいて何を今さら……と自分で自分にツッコミを入れながらも、初めて触れ合うような感覚に俺もルシフェルも胸を高鳴らせた。
「ナツキ……」
名前を呼び合いながら深く唇を合わせ、夢中でお互いを貪った。
……このまま罪を犯した者同士、二人でどこか別の世界に行けたらいいのに。そう思いながら。
ルシフェルとのキスで、俺の運命はがらりと変わった。
「ん……っ」
こめかみにキスを落とし、耳たぶを噛むとルシフェルが小さく喘いだ。
その声をもっと聞かせろと、首筋や肩、胸へとキスの雨を降らせる。
「はぁ……あ、ナツキ、早く……」
先を求めて腕を俺の首に絡める仕草が愛おしかった。
自分の欲を発散させる為だけじゃない、彼女にもっと自分を感じて欲しくて俺は愛撫を繰り返した。
「ここ……?」
「や、ん……あ、ああっ」
「足、もっと開いて」
「ん……っ、あ、あ……」
羞恥で白い肌を紅潮させながらも従順な彼女を、俺は優しく揺らした。
あったかい……。
触れ合うことで生まれる熱と快感――――これを愛と呼ばないのなら、俺はきっと愛を知らない。
「アイシテル……」
二人同時に呟いて、俺達は快楽の頂点まで昇り詰めていった。




