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たとえばこんなディストピア  作者: おきをたしかに
*キスから始まる異世界転生*
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うたかた

「ルシフェル……」

 初めてルシフェルを抱いている気がした。

 散々抱きまくっておいて何を今さら……と自分で自分にツッコミを入れながらも、初めて触れ合うような感覚に俺もルシフェルも胸を高鳴らせた。

「ナツキ……」

 名前を呼び合いながら深く唇を合わせ、夢中でお互いを貪った。

 ……このまま罪を犯した者同士、二人でどこか別の世界に行けたらいいのに。そう思いながら。

 ルシフェルとのキスで、俺の運命はがらりと変わった。

「ん……っ」

 こめかみにキスを落とし、耳たぶを噛むとルシフェルが小さく喘いだ。

 その声をもっと聞かせろと、首筋や肩、胸へとキスの雨を降らせる。

「はぁ……あ、ナツキ、早く……」

 先を求めて腕を俺の首に絡める仕草が愛おしかった。

 自分の欲を発散させる為だけじゃない、彼女にもっと自分を感じて欲しくて俺は愛撫を繰り返した。

「ここ……?」

「や、ん……あ、ああっ」

「足、もっと開いて」

「ん……っ、あ、あ……」

 羞恥で白い肌を紅潮させながらも従順な彼女を、俺は優しく揺らした。

 あったかい……。

 触れ合うことで生まれる熱と快感――――これを愛と呼ばないのなら、俺はきっと愛を知らない。

「アイシテル……」

 二人同時に呟いて、俺達は快楽の頂点まで昇り詰めていった。

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