最低な行いー2
「ルシフェル、俺のこと心配してくれんの?優しいね」
優しく笑って腰に手を回すとルシフェルはぽっと赤くなった。
「そ、そりゃ……当たり前でしょ。ナツキは私の……」
「奴隷だろ?俺はルシフェルの性奴隷」
笑いながら口元に付いたソフトクリームを舐めると、ルシフェルはピク、と身体を硬直させた。そんな彼女を抱きしめながら、俺はどや顔で学校の連中の方を見た。
皆、鳩が豆鉄砲喰らったような目で俺とルシフェルを見ている。
お前らがイジメまくって学校に来なくなった五十嵐夏生は引きこもってもないし自殺もしていない。こんな美少女と街で堂々とデートしてるぜ?
ルシフェルと一緒で良かった。一人であいつらに会ったなら、俺はきっと逃げ出していただろう。
そんな自分を情けないと思いつつも、これ見よがしにイチャついて見せた。
「ナ、ナツキったら、恥ずかしいよ……こんな所で」
腕の中のルシフェルを見ると真っ赤になって照れていた。普段外でこんなことをしない俺の突然の行動に戸惑いながらも、その顔はとても幸せそうだった。
チクリ、胸のどこかを針で刺されたような痛みを感じた。
俺は……自分自身を最低だと思った。
糞は俺だっつーの……。
だけど……俺は……あいつらに復讐する理由がある。それだけのことを、あいつらはやったんだ。
顔を引き攣らせている連中を尻目に、俺はルシフェルの肩を抱いてそそくさと雑踏に身を隠した。
思いついた計画はこんなチンケなものじゃない。
お前ら、今のうちに人生楽しんどけよ。
復讐の炎が、俺の心の中で燃え上がりつつあった。
◇◆◇
あくる日、俺とルシフェルは学校の校門の前に立っていた。
「ナツキと同じ学校の生徒をフェアビューランドに転生させるの?」
「ああ。一気に大勢まとめて送ってやるよ」
「学校には……死にたい人がたくさんいるの?」
「ああ、そうだよ」
……死なせたい人が、たくさんね。
「ねえ、待ってよナツキ。送るのはこの世界から逃げたいと思ってる人だけだよ」
「うるさい」
ドンとルシフェルを壁に押し当てて黙らせる。
「家畜も必要だって、お前言ってただろ?いいから黙って見てろよ。今夜はあっちでステーキが食えるぜ」
「ナツキ……!」
叫ぶルシフェルを放置して、俺は校内に入っていった。
これは復讐だ。俺には正当な理由がある。




