二日目 妹、参上!「出来ればもう少し後が良かったよ・・・。」
\(^o^)/
AAS最強に思いっきりとはいかないものの結構な力で殴られた二人は何とかその日の補習(AASではEランクとDランクの下位者にだけ課される)を受けきって、帰路についていた。
「はぁ~、ガチできっち~なぁ・・・。Sランクとは言わねぇけどせめてAランクならなぁ~」
「それは万年Eランクの俺に対する嫌味か征人。そして、どーせそういう事言いつつやらないくせによく言うぜ」
「えっ!?何でバレて!?」
「お前の性格くらいわかってるっての!」
「えーマジかよ~」
ギャーギャーと騒ぎながら寮へと帰っていく二人。
彼らはまだ背後から忍び寄る影に気づかない。
そう、いつもニコニコ あなたの隣に 這いよる混沌 ニャルラト「違うわっ!!」
くっ・・・
影に怒られるとは・・・。
「ふっふ~ん♪あれがアタシの転校するクラスの奴ねぇ~」
「「あ、進んじゃうんだ?!」」
「ふ~ん、見るからにバカね。まぁいいわ、そっちの方が色々とやりやすいしね」
二人が消えていくのを見届けたのか、不気味な発言を残して小さな、本当に小さな影は「喧嘩売ってんの?!」そそくさと去っていった。
「ちょ、小さくないわへばなっ!」
勢いよく立ち上がった衝撃で看板で頭を強打してはいたが・・・。
\(^o^)/
さて、天の声と影がバトっていた頃、(「あれ?ここにもいるんじゃね?」とかいったソコの君!気にしたら負けだ。)壮也もまた、騒動に巻き込まれていた。
途中で征人と別れ、家へとたどり着いたのは良い。
一応もう一度言っておこう。たどり着いたのは良い。
だが、そこには問題が待ち構えていたのだ。
壮也の家族構成としては、前話にも出てきていた、生徒会長朱音様と妹だ。ちなみに壮也たちの両親は既に他界している。
もちろん、朱音は弟や妹を護る為に強くなり、壮也も自分自身の身くらいは守れるように鍛えることになるのだが、それはまたの別のお話。
さて、家族の性格だが、姉、朱音は姉弟愛が多少|(?)強いものの、基本的にはサバサバした性格だ。
過ぎたことはさっぱり忘れるタイプな為、あまり問題は無い。とりあえずではあるが。
問題なのは妹の方なのだ。
「おい梨々香、あぁもう!なんでこうも面倒くさい事をするのさ!」
壮也はイライラしながらドアノブを捻るが、ドアはびくともしない。
その上に至る所に引っかかるとブザーの音と共に爆発する仕組みの爆弾やら何やらが所狭しと展開されているせいで、壮也は身動きすらろくにとれない。
「壮兄のぶわっかやろー!」
「何で?!」
罵声と共に飛んできたナイフを紙一重で避けながらつっこむ壮也。
やはりその背後ではセンサーに引っかかり何かが爆発する音。
「一体梨々香に何が起きたっていうのさ!」
「りーちゃんという者が在りながら、椎名さんなんぞと模擬戦を壮兄がするから悪い!壮兄はりーちゃんを放置して、他の女の人といちゃいちゃしてたんでしょ!りーちゃんじゃ物足りないって言うの!?」
「してないしっ!ってかお前は僕がボッコボコにされていたの見てただろ?!」
妹だからであろうか、壮也の口調は若干崩れてはいるものの、本人は強行突破をするわけではなくその場にとどまっている。
「あぁ、あろう事かあの女は無抵抗の壮兄に手を触れたのでせうか?!うわぁ~ん!梨々香一生の不覚・・・。」
「何か色々とおかしくないか?!っていうか、もうわかったからコレ解除してよ・・・。」
そう、妹である梨々香はお察しの通り、兄である壮也のことを一人の男性として、異性として大好きなのである。
それだけならまぁ、問題は無い。(いや、正確には大きな問題ではあるのだろうが、まぁ・・・アレだ。)
「問題あるわ!そして何だよ!」
壮也のつっこみはさておき、彼女ももちろんAASに所属している。ここも良い。
「さておくの?!」
だが、彼女は情報専門で、しかもAASの情報科、Sランクに現在在籍中であるにも関わらず、外部から情報提供の依頼が舞い込んでくる程の能力を有している。
つまり、姉、朱音とは違った意味でAAS最強なのである。
そう、コレが問題なのだ。
だから、
「壮兄は今日だけで女の人とすれ違ったのは756回、324人で壮兄と言葉を一言でも交わしたのは274人。壮兄に触った女の人は35回、その内女の人からは17回!これはどういうことなの壮兄!」
「何で梨々香は間違った方向にそうやって能力を使うかな・・・。」
「リーちゃんは壮兄のことが大好きだからね!」
「そこは胸を張る所じゃないから!そしてだからってモニタリングするなよ!アレか?前から思ってたけど梨々香は暇なのか?!」
「暇じゃないよ・だってりーちゃんは毎日壮兄の事をモニタリングしないといけないしね。」
「だから暇だろ!」
梨々香が本気になってしまうとストーカーなんてお手の物なのである。
まぁ、壮也の口調が崩れるのも無理は無いか・・・
「当たり前だろ!」
「それに忙しくなったら、リーちゃんは悪魔の堕とし子としてこちらの世界に来ているわけだし?使い魔を遣えば簡単であるわけだ。」
そして、重度の厨二病でもあった。
「はぁ・・・」
「まぁ、りーちゃんはその他諸々の試練を乗り越え、伝説のハッカーへと落ち着いたのでせうよ!」
「何だかんだで違う上に変な所に落ち着いた?!まぁ、伝説のハッカーなのは正しいけれども。」
「フフフフ・・・ついに我が最愛の兄も我が能力を認めるように・・・ってか壮兄話をそらすなっ!で、椎名さんとは一体どういう関係なの?!」
「モニターから問い掛ける前に家に入れようか梨々香。」
「だが断る」
「え」
こうして壮也の夜は更けていった。
「ちょっ!助けろよ!」
え、やだ。
続く―