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第一章:少女Life

頑張って書きました。未完で誤字脱字も多いんですけど、よろしくお願いします。一応いい感じの区切りとメッセージは現段階にある最後にあるので、良かったら是非

プロローグ:

私の一番古い記憶はお母さんの話だった。

お母さんは優しく、私がなりたいと思った理想的な女性でした。

でも、お母さんは突然居なくなった。

「お母さんはどこにいるの?」

星の方を見て、泣きそうな顔をしたお父さんが言った。

「お母さんはこの日本の果てに居るよ」

あの時のお父ちゃんの遠くを見る目が未だに脳裏にこびりついている。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ねぇ、聞いている?ねぇ!」

「あ、ごめん聞いていなかった」

ぽかーんとしていた私を親友の菜穂ちゃんが起こしてくれた。

「まったくあんたは...いつもいつも寝ぼけていて困っちゃうよ」

彼女は席から立ち、食器の片付けを始めていた。

「そんなに寝ぼけているといつか痛い目を見るよ!」

「はは...菜穂ちゃんまたお姉ちゃんみたいだね。居たことないけど」

「私は困った妹を持っちゃったなぁ。居たことないけど」

「いつもありがとうお姉ちゃん~」

菜穂ちゃんは私の食器も一緒に片づけてくれた。その後に私達は空き教室を探しにキャンパスをウロウロした。昼休みの時間だったから空き教室が少なかった。でも幸運にも3階の端にあった教室が空いていた。

「はぁ、今日もダルいわ~」

私は机の上で倒れ込むと同時に両腕を伸ばしていた。

「あんた昨日どんぐらい寝たの?」

私の反対側に居た菜穂ちゃんが携帯を触りながら質問した。

「12時間!」

「12時間寝ているのにダルいのかよ!」

「はは!流石菜穂ちゃんの鋭いツッコミ~」

眠いのは嘘じゃない。あの夢を見るといつも眠りが浅くなる。

私は寝る時にいつも同じ夢を見る。

お父さんの言葉とあの目。

小学生の頃に一回調べた事があった。日本の最果ての地、北海道。

あそこに行こうと思えばいつでも行ける。でも何故か行こうとは思わなかった。

「月ちゃん今週の課題やった?」

「いやーまだやっていないんだよね〜」

「まったくあんたって子は」

「いやだって聞いてよ〜」

私は席から立ち上がった。

「あの先生の課題って超超超めんどくさくない?もうあの人が出している課題は普通の文章を読んで問題を答える感じなんだけど。その文章は本当に難しくて難しくて...もう三行で要約してよ!!!って思うよ!」

私はまるで熱く自分の意見を言う政治家みたいに言った。

「こらこら月ちゃんここ空き教室なんだけど...さすがに声が大きすぎ」

「だっっっっっっってあの先生の授業がめんどくさいからね!」

机を叩きながら私は熱弁していた。

「あんたは熱くなるとすーぐうるさくなる癖なんとかした方がいいよ。さっき外を横切ったメガネの子が驚いて逃げていたよ」

「えっ...そ、それは恥ずかしい」

それを聞いた私は一気に冷静になって、落ち着いて椅子に座った。同時に多分私の顔が赤くなっていた。

恥ずい。

「まぁ、課題に手こずっていそうなら私が手伝うよ」

「さ、さすが菜穂ちゃん!!」

菜穂ちゃんと私の間にあった机を飛び越えて抱きついた。

「もう菜穂ちゃんしか勝たん!やっぱり持つべきなのは最高の幼馴染だね!」

「ホントに仕方がない」

どこか菜穂ちゃんも嬉しそうだった。

私は現状に不満もない。ただ菜穂ちゃんと一緒に居たら楽しい。

でも...どこか引っ掛かる物はいつもあった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

すごく唐突なんだけど私の自己紹介をするね。

名前は彼方月。

ピチピチの大学2年生。

髪は茶髪でポニーテールの髪型をしている。オシャレな白い長袖の服と長いピンクのスカートを着ている。

趣味は雑誌集めと星を見る事!最近大学の課題が多すぎて困っているぜ!

ついでに大学も紹介するね~。

私達が通っているのは私立星ノ空大学。まだ創立20年という比較的新しい大学。学生達が自由に自分の好きな物を探求できるという目的で作られた。講師には実力者が多く、ほとんどの人は創設者の下で研究したいという考えで働いている。

基本的に学部は二つしかない。

自由になんでも模索できる自由学部とやりたい事がハッキリしてある専学部。

私を含めて大学で何がしたいのかがハッキリしない学生が自由学部を受験して、菜穂ちゃんのように夢のある人は専学部に入る。一二年は同じ必修科目があって、3年から自由に行動できる学部。

8割の学生は自由学部で残りの2割は専学部。

専学部はやりたい事がハッキリしている人が多い事から菜穂ちゃんを含めて頭がめっちゃクチャ良い人も居た。

卒業するハードルは人によって変わる。

ただ一つ何かを成し遂げた卒論を書く必要があった。それがただ一つの卒業条件だった。

「おーい!月ちゃーん!」

「おっと来ました!私の最愛の幼馴染!大野菜穂ちゃん!」

中には長袖の服を着ていて、テーラージャケットとデニムを組み合わせたザ・カッコイイ女性の服装。男物の帽子も被っていたからマジでイケメン!そして、昔私がプレゼントした林檎のネックレスも付いていた。

「急に自己紹介なんで!?」

「いや気まぐれ?」

「はぁ。いつも通りのツキコウね」

「またツキコウって言ったね!ムカムカ」

「はいはい服買う予定じゃなかったの?」

菜穂ちゃんがデパートに向かうように歩き始めた。

「そ、そうだったね!」

慌てて私も付いていった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今日は冬の服を菜穂ちゃんと買いに来た。夏の時に冬服は安くなる傾向があるからわざわざ熱い中を歩いてここまで来た。今までは高校生に着ていた服を着ていたけど、服が徐々に破れたり穴が開いたりしていた。さすがにこれはヤバいと思ってセンス抜群の菜穂ちゃんに服を選んでもらった。

「この赤いトップスどう?結構派手な色なんだけど菜穂ちゃんに合うと思うよ」

「はい!買いまーす」

「しっかり見て悩めや!」

「だって菜穂ちゃんの選んだ服が外れた事ないもん」

しっかり菜穂ちゃんの顔を見て言った。

「そ、そうかな?私ってそんなにセンス抜群なんだ」

右手人差し指で右頬をかいていた。

「私に褒められてそんなに嬉しいのか〜。このこの」

両手の人差し指を菜穂ちゃんの肩を突きながら言った。

「そんな事よりも!」

無理矢理話題を変えた。

「この赤のトップスに黒のロングスカートが合うからとりあえず早く試着してね」

「ちょ、ちょっと無理矢理試着室に押さないで押さないで」

「はい!入って、着替えて!」

更衣室に押し込まれて、カーテンを閉めた。

「くっ...乱暴すぎるよ菜穂ちゃん」

「乱暴じゃないよ。早く可愛い月ちゃんが見たいだけだよ。アハハ」

「菜穂ちゃんのそういう部分私苦手...素直に褒め言葉受けて入れたいいのに」

「聞・こ・え・て・い・る・わ・よ」

「ヤベ思わず口に出していた」

さてさてこれから試着しなきゃ菜穂ちゃんに怒られる。にしてもやっぱりセンス抜群だ。最初私の茶髪が赤い色と合わないと思っていたけど、めちゃくちゃ似合う。

スカートの色もちゃんと合うし。センス抜群すぎる!

勢いよく左手で試着室のカーテンを開けた。

「どうよ!」

「うわーモノスッゴクニアウ」

「なんでカタコト!?」

「いやだって、顔が整っているから何着ても似合うよ」

「えっそうなの?」

多分今の私の顔めっちゃ緩んでいる。

「やっぱり私は美少女だったんだ!嬉しい!」

「さすがに何着ても似合うは言いすぎか。ある程度常識の範囲内の服をね!」

「???」

「いや月ちゃん服のセンスくっっっっっっっそダサいよ」

「???」

「いやそんな反応しないでよ」

「???」

「3回目はうざいよ月ちゃん」

「だってショックじゃん、そんな事言われたら」

「じゃあこの店にある服選んで」

「アイアイサー」

敬礼のポーズしながら移動した。

ターコイズクイーン。最近流行りの服を多く作っているブランド。私はあんまり服の事詳しくないけどテレビに出演している女優とモデルが激推しだったから今一番繁盛していると言えるブランドだった。この店には沢山女性が居た。オシャレな人から普通の服を着ていた子も居た。

「しかし、めちゃくちゃオシャレな服が多すぎて悩む」

あれもこれも良いって言えるレベルの服が多かった。でも私は心の底から良いと思った服を選んだ。

ククク。きっと菜穂ちゃんびっくりするんだろうなぁ。私のセンスの良さに!

急いで試着室に向かって着替えた。途中で前に居た人を蹴散らす勢いで進んだ!(もちろん迷惑かけずに行ったけど)

「お!月ちゃんどんな惨めなセンスを見せてくれるか楽しみだよ!」

菜穂ちゃんが悪い顔をしていたけど、この顔はきっと数分後に仰天するだろうね。

「ニシシ」

「いやなんであんた笑っているんだよ。よくもそんなダサい服を持ってきて自信持てるな」

「な!?」

「いやなんでだよ」

「くっそ〜、見ていろよ!!!」

「はいはい」

菜穂ちゃん絶対に見返してやる!

即座に試着室に入って着替えた。さっきよりも勢いよくカーテンを開いた。

「どうや!」

「はいクソダサいね。」

「???」

「まずトップス。あんた本当にセンスないね。どこの誰がその虹色のネタトップスをオシャレって呼ぶの。マジでダサい。そして、迷彩柄の長ズボンって何ボケなの?最後にこの組み合わせを考えた彼方月。センスなし!」

「ぽかーん」

「とりあえず私がおすすめした服をあと3着買えばなんとかなるよ」

「う、うん...」

素早く服を選んで試着して私は服をレジで買おうとしていた。

「合計で3万円になりま〜す」

「さ、さ、3万円!?」

「いや反応なんかしないでささっと買って。ほら後ろにいっぱい人が並んでいるよ」

菜穂ちゃんは後ろを指しながら言った。

「本当だ!カード払いでお願いします!」

急いでカードを取り出した。

「一括払いでよろしいですか?」

「はい!」

「ではこちらにタッチか差し込みお願いします」

レジに居たお姉さんが両手を兼ねて暗証番号を入力しいている所が見えないように左側を向いた。

ピ、ピ、ピ、ピ

ピピ!

「少々お待ちくださ〜い」

ずずずとレシートが出てきた。

お姉さんは出てきた3枚のレシートの内2枚目の真ん中のレシートを切って、ポケットから出した判子をレシートに押した。

「はい!こちらがレシートでーす!ありがとうございました〜」

「こちらこそ」

「あっ!こちらも忘れずに」

「はい」

なんだろうこの引換券みたいなやつ。しかも10枚。

「すみません。今ちょっと混んでいるので詳しい説明は引換券に書いてある場所に行ってください」

「わ、分かりました」

「またのご来店お待ちしています!」

私達はターコイズクイーンから出た。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おおおおおおお!」

今私は今日一興奮していた。

「このぷるぷる動いているキツネみたいなデザート凄い!!!」

パシャパシャと写真を撮る音が店内に響き渡っていたぐらい沢山撮っていた。

「落ち着けー落ち着けー」

「あまりの可愛さに興奮しすぎた」

「気持ちは分からんでもないけど興奮しすぎだよ月ちゃん」

しかし、このキツネみたいなデザートの見た目も可愛いし、美味しい。

「無敵か!?」

「心の声!?」

やっぱり菜穂ちゃんと一緒にいるのは楽しい。

「結局あの引換券どうするの?」

「行って損はないでしょ!」

「確かにね〜」

「場所はこのデパートの一階なんだね」

「じゃあ食べ終わったらとりあえず移動しようか!」

「うん!」

パクパクと食べ進んでお会計をした。菜穂ちゃんのご機嫌が良かったから奢ってもらった。

やった!

「あっ!こちらもどうぞ〜」

また例の引換券も貰った。

「こちらは合計3000円につき貰える引換券ですよ」

菜穂ちゃんはそれを受け取って財布の中に入れた。

「またのご来店お待ちしています!」

「「ごちそうさまです」」

私達は店を出て、宣言通りデパートの一階に向かった。

ざわざわと沢山人が居たけどなんとか通り抜けた。

「休日はやっぱり混むね菜穂ちゃん」

「そうだね...はぁ」

人に酔ったのかな?

「次から平日に行こうよ」

「う、うん」

なんか謎の執念を今感じた。

「あ!あれじゃない菜穂ちゃん!」

「確かにあれっぽい」

「行こ!」

菜穂ちゃんの手を掴んで走った。

「ちょっとそんなに走る必要ないじゃん!」

「こっちの方が楽しいじゃん!」

菜穂ちゃんも私も笑っていた。

こんな日々が続けばいいのに。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「こちらの引換券一個につき一回このガラガラを引けますよ」

「11回もガラガラ引ける日が来るとは!?」

「今はツキコウを止めような」

「説明続けても?」

「「どうぞどうぞ」」

「と言ってもあとは景品の説明だけなんですけど」

スタッフの人が右手で景品が書いてあった所を指しながら景品の説明をした。

「基本的にE賞からA賞まであります。ガラガラから出た色で何が当たったか分かる感じです。ごく一般的なガラガラですが、日本のどこかに行ける魔法のチケット賞という物があります」

「日本のどこかですか?」

「はい!まぁ場所はルーレットで決めるのでそこは気にせずに」

「なるほど。とりあえず早くやろうよ菜穂ちゃん!」

私はワクワクしていた。

B賞に望遠鏡があった。星空を見るのが大好きだったから本当に欲しかった。

そのまま流られるようにガラガラの前に行って、引換券をガラガラ担当のお姉さんに渡した。

「はい引換券10枚ですね〜。ゆっくり回してくださ〜い」

「うおおおおおおおおおお」

出ると思って雄叫びをあげていたが、特にガラガラを回す速度を変えていなかった。

白、白、白、白(以下略)。

「全部白だったーーーーーーーーーーーーー」

「はい!こちらが参加賞のティッシュ10個で〜す」

「感情もなく渡してきた!?」

「慣れていますから」

ニコニコしていたスタッフが言った。

これがビジネススマイルか...。

「?」

ある事が引っ掛かった。

「10枚?11枚じゃなくて?」

「私の分出すの忘れていたよ」

「は、早く言ってよ〜」

菜穂ちゃんは財布から引換券一枚を取り出してスタッフに渡した。

「ではあともう一回ですね!」

「今度こそは!」

さっきは全力で叫んだけど今回は逆に無の境地で引く。

ガラガラの持ち手を握って時計回りに動かした。

ガラガラ、ガラガラ

ポン

落ちた球を見た。

色は金。

「お、おめでとうございます!!!」

カランカランカランとベルが鳴った。

「魔法のチケットが当たりました!!!」

予想外の物が当たってしまった。

「さて、場所はー」

何故かこの時ドキドキした。同時に何かが動き出しそうな予感もあった。

「北海道!!!」



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