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鈍感白魔道士とお出かけ(後半)[リーダー編]



「あっ!サクラお菓子屋さん行く前に少し寄っていっていい?」

サンドイッチを食べて早速お菓子屋さんに行こうとした時近くにある武器屋を指差してハルが聞いて来た。

「…うん」

「ありがとう。」

ハルは目をキラキラさせて武器屋に入っていった。

「いらっしゃい」

静かな店内、いつもはもっと門近くの武器屋に行くため街の中心にあるこの武器屋は初めてだった。

ハルはキョロキョロとあたりを見回して楽しそうに武器を見て回った。


「わぁ…かっこいい!」


ハルは武器が大好きである。

ギルドのリーダーとしてしっかりしているが武器の前では無邪気な子供みたいになる。

特にデザインがカッコよかったり、強い武器には目がなく、普段は剣しか使わないのにそれ以外の武器もついつい集めてしまう収集癖があった。

「……」

私はテンションの上がっているハルは置いて、魔術書や魔道具関連のコーナーを見てまわった。

魔術書は一般的な術が記載されているものばかりであまりためにならなかった。

なのですぐに魔道具コーナーに向かう。

「…」

家に置いて使用するタイプのものから持ち歩きやすいタイプまで様々あり、いいものがないかと見回っていると一つのブローチに目がいった。

装着タイプの魔道具で効果は魔力増加。

その効果ももちろん白魔道士としては魅力的であったが何よりその色合いが気に入った。

「…ブローチだね…トウマの瞳の色によく似てる。」

「…うん」

いつのまにか隣にいたハルが緑色のブローチを見てそう言った。

「買う?」

「…今度にする。」

金額は手が届かないというほどではないが、今の手持ちでは少し心ともない。

「じゃあ、取り置きしてもらおうか?」

「…そうする。」

「わかった。…すいません。これも取り置きしてもらえますか?」

「はいよ。」

ハルはすぐに店員を呼びやりとりする。

どうやらハルも気に入った武器があったようで取り置きをお願いしていたようだった。


武器屋をでてお菓子屋さんに向かう

その道中ハルは少し口数が少なくなっていた。

考え事?いや…なにか…落ち込んでいる?

「…ハル?」

「ん?お菓子たのしみだね。」

呼びかけるといつものように微笑んでそう答える。

どうやら理由を話すきはなさそうだ。


「…お菓子」

「着いたみたいだね」

少し気まずい空気の中やっと目的地に到着する


ホワイトカラーの外壁に金色の装飾と看板、高級感のある佇まいのお菓子屋さん。

あたりに甘い香も立ち込めていて、気まずさなんて忘れるぐらいテンションが上がった。


「…行こう。」

「……ふふっそうだね。行こう」

私はハルの腕を引っ張りお店に向かうとハルは仕方がなさそうに笑ってそういった。


「…-究極の選択」

「どれとどれで悩んでいるの?」

様々なお菓子がならぶショーケースを一通り眺める、どれもこれも可愛くて、美味しそうで悩んでしまう。

「…盛りだくさんいちごのケーキ、バターたっぷりマドレーヌ、宝石色のビスケット、ダブルチョコレートスコーン、大きなシュークリーム、5種フルーツのパフェ、クマさん柄のキュートクッキー」

「思ってたより多かった…」

悩んでいるメニューを読み上げるとハルは苦笑いを浮かべショーケースの中を覗く

「…それならケーキとパフェを頼んでマドレーヌとビスケットをお土産にしようか?トウマに買っていくでしょ?その時少し分けてもらったら?」

「…スコーン、シュークリーム、クッキーは?」

「それは今度、トウマも呼んで3人でそれぞれ買おう?それで三等分すれば全部食べれるでしょ?」

「……わかった。」

それは悪くない。

次回の楽しみにとっておこう。

「じゃあ、注文してくるからサクラは席を取って来てくれる?」

「…わかった。」

ハルはレジに向かい、私はお店の席を探しにむかった。


「…席、席…」

ちょうどおやつ時ということもありお店は混んでいた。

空いてる席を探すためうろうろしていると

「お客様お席お探しですか?」

「…うん」

エプロン姿の店員さんに声をかけられた。

「お連れ様はあのイケメンさんですよね?金髪の」

「…金髪….そう。」

「でしたらこちらが空いております。」

その通りだったのでうなづくと

店員はニコニコと微笑んで席まで案内してくれた。

「ずっとショーケースの前におられましたからとても目立っておりましたよ。」

「…」

そこまで長時間いただろうか?選ぶのに夢中で気が付かなかった。

「はい、ここです。ごゆっくりお寛ぎください。」

「…ありがとう。」

私はお礼をいって席に座った。


「…サクラ」

「…ケーキパフェ。」

席で待っているとハルは少し困ったように私を呼んだ

どうしたのか気になったがハルのもつケーキとパフェに目がいきそれどころではなかった。

「…サクラがいいなら俺的には全然嬉しいだけどね。」

少し諦めたようにそういうとハルはケーキとパフェをテーブルにおいた。

「…美味しそう」

「…ちょっとソファ奥側に詰めれるかな?」

「….うん」

私はハルが座れるよう右側によるとあいたスペースにハルが座った。

「……思っているより近いな…」

「…ハル」

「はいはい、サクラは最初どっちから食べたい?」

「…いちご」

「わかった。はいフォークね。」

「…ありがとう。」

ハルがなにかぼそっと呟いていたが、気にせずまずはいちごのケーキから頂くことにした。


「サクラ、クリームついてる」

ハルが顔を指してそういった。

「…ん?」

私は顔に手を当て確認するがよくわからなかった。

「そっちじゃなくてこっち」

ハルはそういうと顔に手を伸ばしてクリームを拭ってそれをなめた

「うん、クリームも味がしっかりしてて美味しいね?」

「…ハル」

私はそんなハルをじっと見つめる

「なに…?」

ハルは少し熱を帯びた目を私に向けた。

なので思いっきりお願いする

「…パフェ」

「……」

「….パフェわけて?」

「……」

「…まだダメ?」

ハルの手元にあるパフェはあまり減っていない、もう少し食べてからじゃないとくれないのかもしれない。

「…ふぅ…いいよ。」

するとハルは小さくため息をつくとわける準備にかかった。

「…やった」

私はハルから分けられるパフェを嬉しそうにみつめた。


帰宅後私とハルはお土産を持ってトウマの元に向かった。

「…お土産」

「ありがとう、今日は楽しめたか?」

「…うん」

「それはよかった。ハルも楽しめたか?」

「…そうだね。色々あったけど楽しかったかな…」

ハルは何故か遠い目をしてそういった。

「…今度話聞くからな…」

トウマは苦笑いを浮かべた。

「…今度はトウマも」

「.そうだな、今度予定合わせて出かけような?」

「…うん、トウマはクマさん柄のキュートクッキーね…?」

私は今度3人で出かけることを楽しみに待つことにした。




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