パンゲアンロード

時は近代に入り、世の中は進歩していた。
古代技術の解析により、飛躍的に科学技術を向上させた世の中は、飛行艇が空を飛び、工場が乱立し、蒸気が世界を支配した。そして、こうした世界の流れが、パンゲア大陸を縦断する、ある交易路を作り出した。
「パンゲアンロード」
人々はそう呼んだ。
世界はグローバルな世界へと移っていったのだ。足りないものをお互いに補うことで物流は活性化され、人々の交流で文化は発展し、科学技術は神をも屈させた。
そして、パンゲアンロードは、負の発展をも促したのだ。
人々はまさに、狂乱の時代へと突入しようとしていたのだ。

そんな時代の中、一人の少女が現れた。
名をマニカ。マニカは、「翻訳」のスキルを用いて、世界を旅することになる。
だが、今はただ、餓死寸前の少女。柱にもたれかけて、母への思いを吐露する。
そんな少女の、母を捜す冒険譚が、今、始まろうとしていた。