第二話
とある巡視船にて
「艦長、レーダーに反応が……」
「反応? ていうことはあいつらが来たのか。一応どこの船かわかるか?」
「いえ、さっきから無線で呼びかけているのですが、一切応答がなうようで……私的にもいつもの公船かと思うんですけど…」
「 ? 」
「いつもより数が突出して多いです」
「マジか。ということは、遂にあいつら仕掛けてくるのか?
……おい、本部に応援を要請しろ、海自にも艦隊を派遣するよう要請してくれ」
「既にしております。応援は5分後に、海自艦隊は8分後に到着予定です」
すると突然レーダーを監視していた者から、
「か、艦長、対空レーダーに反応あり! 四つの飛翔体がこちらに高速で向かってきています!」
「なに!? た、対空戦闘!」
「対空戦闘! 近接防御ミサイル発射! CIWS発砲許可!」
白い船体の中央より、四つの噴煙がのぼっていき、青い光を放つ飛翔体に向かっていく。
「目標三迎撃成功、一向かって来ます!」
船体前方から、光弾がこちらに向かう飛翔体に向けて凄まじい勢いで放たれていく。
そしてその飛翔体は、船体前方の先端艦橋よりも高い位置で爆発した。
「目標の迎撃成功! 全ての目標の迎撃に成功しました!」
「よし、よくやった!」
「艦長、敵船が見えてきました!」
「お、そうか。もし相手が軍艦だったら俺ら人生終了だが……」
そう言いながら艦長が望遠鏡を覗き込む。
そして水平線に現れた船に照準を合わせると……
驚きの表情を浮かべた。
「帆船……?」
「帆船ですね……」
すると、一番前方にいた巡洋艦ほどの大きさの帆船から、青く光る四つの飛翔体が噴煙と共に上がっていき、曲線を描いてこちらに向かってくる。
「また来た!?」
「対空戦闘、近接防御ミサイル発射!」
先程と同じように、船体中央から四つのミサイルが発射される
「全弾目標命中、迎撃成功しました!」
「艦長、応援が来ました!海自艦隊も敵を捕捉、攻撃を開始しました、あと本部より我々にこの海域から離脱するよう通達が来ました!」
「そうか、では180°反転、全速力で離脱する!」
「はい!」
ハイス皇国召喚地攻略軍西方部隊にて
「司令、魔導警戒探知機に複数の反応がありました。召喚地の一部と思われます」
「ほう、ということはここら辺に召喚地があるということか」
「はい、大きさからして島でしょう」
「失礼します。司令、魔導警戒探知機に新たな反応がありました。大きさ、また移動していることから船舶かと思われます」
「召喚地の船か?」
「この海域は今、軍以外の立ち入りを禁止されています。
それに魔伝で何度も呼びかけておりますが、一向に応答がないです。なので召喚地の船で間違いないです」
「そうか……では、あの船に攻撃せよ」
「攻撃用意、弾種、対艦魔導誘導弾、発射弾数4」
「対艦魔導誘導弾四発すべて装填完了、攻撃準備が整いました」
「よし…それでは、攻撃始め!」
「対艦魔導誘導弾発射ぁ!」
現代風な帆船の中央から、青い光を放つものが煙をはきながら上がっていき、そのまま曲線を描くようにして目標に向かって行く。
「 !? し、司令、目標より四つの飛翔体が出現!
対艦誘導弾に向かっていきます!」
「何!?」
めちゃくちゃイカつい男が驚愕の表情を浮かべている。
この男がこんな表情を浮かべるのはリコーヤ戦役以来である。
「誘導弾3迎撃されました!……ああぁ!最後の誘導弾が迎撃されましたぁ!」
「次弾用意!絶対沈めんぞ!」
何故か熱くなってしまっているイカつい司令様
「は、はい!」
そしてまた四つの青い光を放つものが空に上がっていくーー
「ああ、また迎撃されたぁ!」
「くそっ! こうなったら当たるまでどんどんブッパなすぞ!」
「え!? まってください!これからも敵が現れるかも知れないんですよ!? いや、絶対現れるのにたった一隻に使い潰すなんてバカの所業ですよ!」
「ああ!? 誰がバカだよ! 司令官に向かってそんなこと言っちゃいけないんだぞぉ!」
「司令、赤だるまになってるところすいません! 左舷前方より18の飛翔体がこちらに向かって来ます! そしてその後ろに八つの不明船からなる艦隊がいます!」
「赤だるま言うな!とにかく対空戦闘ぉ!」
「対空誘導弾発射!」
先程のものより一回り小さい青く光るものが八つ上がっていき、周りの駆逐艦ほどの帆船からも上がっていくものといっしょに迎撃目標へと向かって行く。が
「っ!? ぜ、全目標ロスト!」
「ロ、ロスト!?」
そして次の瞬間、凄まじい爆発音が響いた。
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