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 「知りたかった情報も手に入ったことだし、俺は先に帰らせてもらうことにする…っと、念話が入ってきたな。相手はランジェルド王国の先遣隊を付けさせていた連中か。内容は……!?クオリア公国の首都が陥落した?流石に早すぎるだろ…何?武力衝突が起こる前に公国の将校たちが降伏したのか」


 『どうやら、我々が聞いていた以上に公国内部はボロボロだったようですね。戦争もここで終わり。これでは、公国内でこれ以上の経験値の獲得は難しいかもしれませんね』


 「いや、しばらくは各地で抵抗する貴族や、ゲリラ活動が起きるだろうから大丈夫だとは思うけど、今までの様にまとまった死体を確保するのは難しいかもしれないな」


 もしジル達がいる間なら、王国の兵士の仕業に見せかけていくつかの村を殲滅することもできたかもしれないが、残念ながらこの場所にはスライムしかいない。いくら並みの人間よりも高い戦闘力を持つとはいえ、眷属が機動力に乏しいことは否めない。


 そんなスライム達が村を襲撃したらどうなるだろうか。もしかしたら1人残らず殲滅できるかもしれないが、1人ぐらいには逃げられてしまうかもしれない。そうなれば生き延びた1人によって情報が伝わり、この辺りに生息する、人間も襲う謎のスライム集団の情報は一気に広まるはずだ。


 そうなってしまうと、これまでの『スライム』という種の無害が失われ各地でスライム狩りが発生してしまうかもしれない。やはり危険は冒せない。人間が殺した死体のみを吸収することにしよう。


 『そうなると、眷属もできる限りバラバラに行動して、より捜索範囲を広げる必要がありそうですね』


 『だろうな。これまでは相手が部隊など団体で行動していたが、ゲリラを仕掛けている奴らだと見つからないように少数で行動しているだろうし』


 『進化した個体は人間に見つかり次第討伐されかねませんので、私と同じサーチ・スライムと同行しなければなりませんね。進化していない個体を中心にこの場に残して、進化した個体は別行動させることにしましょう』


 「それがいいかもしれないな。細々としたことはお前に任せることにするよ。というより、公国と王国の国境周辺の事はお前に一任するから好きなように采配してくれ」


 『りょ…了解です!この19番!ボスの為に一命をとして事に当たりたいと思います!』


 「いや、一命って…別に命まで賭けろとはいわないが…死にそうなったらさっさと撤退してくれてもいいんだけど…ま、ほどほどに頑張ってくれ」


 別れ際に『アイデンティティが…』という内容の念話が聞こえたような気がしたが、特に気にする必要もなさそうだったので無視することにした。


 ここからウィルバートの町まで数日はかかる距離にある。急げば時間を短縮することは出来そうだが、道中獲得した能力の鍛錬に充てるつもりでいたので、のんびりと移動することにした。町に着くまでにさらにいくつかの能力を実戦可能なレベルにまで引き上げることを目標としているが、そう簡単にはいかないだろう。


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