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7話

 男性は何とも言えない微妙な表情を浮かべながら、空を見上げていた

 後ろには、大地に半ば埋もれるように盛り上がっている古代遺跡があった

 どうやら先ほどまで男性がいたのは、古代遺跡内部だったのだろう

 また、男性の服装もウォーキング用のジャージやウォーキングシューズといった

 服装ではない

 甲冑と共に黒熊の毛皮をまとった蛮族一式装備だ

 特に頭に被っている黒熊の貌を象った帽子(兜?)は、今にも雄叫びを発しそうな

 ほど禍々しい



『今回は何か大人しいにゃ?

 ()()外に出たときは、かなりはしゃいでいた気がするにゃ』

 すぐ横にいた黒猫が、空を見上げている男性に喋る

「はしゃぎたいのは山々だけど、今回は自重するよ

 それにやはり今回は、()()()変だ」

 不安げな声で応え、視線を曇天の空から注意深く周囲に視線を素早く走らせる

『・・・変といえば、その格好も変にゃ』

 黒猫はジロジロと男性の恰好を見つつ喋る


「 最後にレアに分類する『一式装備』を引き当てたんだから仕方がないよ

 こんな物騒な蛮族形なわりに性能が高いし・・・」

 男性は居心悪げに身じろぎしつつも応える

「399回目の時に『解除』した『四次元倉庫』の中に、もっと優れた

 装備類が仕舞ってあったはずにゃ?」

 黒猫は毛繕いしつつ、喋る

「・・・『現在メンテナス中で四次元倉庫使用はできません』

 と表示されてましたが?」

 男性は黒猫に視線を向けながら告げる

『・・・こじ開けるかなとこいつはっと思ったにゃ』

 黒猫は毛繕いを終えつつ喋る


「 ()()かそれをして、強制死に戻り(リスタート)させられたから、

 今後絶対しないよ!?

 ―――それに今回最初から、用心を重ねて『戦徒サーヴァント』を

 呼び出しているし」

 蛮族一式装備の男性が応えつつ、後ろをゆっくりと振り返る

 その後ろから空間をチリチリと焦げつかせるような、膨大な魔力や気力を

 発している複数の集団が現れはじめた



 最初に姿を現したのは、香り立つ死の臭いを漂わせたード付きマントを

 羽織っている者だ

 闇よりも濃い漆黒で統一した全身の無骨な甲冑を着込み、腰には髑髏を

 象った様な不気味なランタンを吊っている

 フードの奥の素顔を見ようとしても、()()()()見えもしない

 背中には長さ一メートルほど長剣を軽々と背負っていた



 次に姿を現したのは、ビリッと感電したと錯覚する威圧を漂わせている

 鎧兜に陣羽織を羽織った者だ

 まるで戦国時代の武士を彷彿とさせる

 額から顎までの全部を覆うような総面をつけているため、こちらも

 素顔は判別できない

 腰には日本刀を差している



 次に姿を現すのは、先ほど男性が呼び出した壮大な気配を

 漂わせていた者だ

 奇妙な装飾の施された杖、フード付きの深く昏いロープを着込んでいた

 貌は奇妙な石の仮面を被っているため判別はできない



 最後に姿を現したのは、海より深く底知れぬ恐怖を醸し

 だしている者だ

 闇に溶け込みやすくするため工夫され、隠密性能に優れている

 忍び装束以外に特徴を表せば、貌に白い狐面を被っているため、判別できない

 そして腰には忍者刀を差している



『なかなかの()()だと思うにゃ』

 黒猫がその集団に視線を向けつつ喋る

「まあ、状況によれば これだけで済むかどうか」

 蛮族一式装備の男性は、何か不安そうな声で応える

死に戻り(リスタート)』をするときは、必ず

 死に戻り(リスタート)』するにゃ』

 黒猫が喋る


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