2018年4月9日(月) まず驚くもの
4月9日(月)
今日は人事異動の発令日である。
そして、人事部の塚原からようやくこのタイミングで部下たちに私がニューデリー支社へ転勤することを明かしてもよいと許しが出た。
「この度、ニューヨーク支社への転勤辞令を頂きました。今まで大変お世話になりました」
「私、シンガポール支社へ転勤となりました。本当にここまでご指導を賜り、感謝の気持ちでいっぱいです」
新たに辞令を受けた部下たちが、次々と転勤の報告を私にしてくる。
みんな羨ましい場所に転勤するな……
辞令を受けた全員からの報告が終わったところで、私も軽いタッチで自身の異動内容を披露することにした。
「あ、そうそう、俺も転勤なんだ。インド。インドのニューデリー支社。ナマステ~。みんなこれからもよろしくね」
部下たちはポカンと口を開けたままである。
「え! インド! ニューデリー支社ですか! 一体、何をしでかしたんですか!」
ようやく事態を理解すると、インド人もびっくりするほどの驚きの反応を示した。
日本人にとってインド転勤というのは、良し悪しよりも、まず驚くものなのである。
この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。