2018年5月23日(水) 2つのアドバイス
5月23日(水)
先週末にお世話になった、日本人会のドン中村さんご夫妻のご主人から飲みに誘われ、グルガオンにある日本料理店の喰う楽でディナーを供にすることになった。
日本でも繁盛しそうなくらい、とても美味しい焼き鳥と枝豆に舌鼓を打ちながら、インドにおける仕事や生活の術をあれこれ伺う。
さすが、中村さんの14年間に渡るインド駐在経験は伊達じゃない。
みんながインドの生き字引と称賛するだけのことはある。
そして、教えてもらった2つのアドバイスが、とても印象的だった。
1つは、インド人に丸め込まれないように、ずる賢く生きること。
もう1つは、インドでは、何事も思いっきり楽しむこと。
ここ喰う楽では、サワーをオーダーするとお店のスタッフとジャンケンができ、勝つと生レモンサワーが無料で大ジョッキになるというサービスがある。
片言の日本語しか話せないインド人スタッフに対し、中村さんは「最初はグーね」と念押しをする。
しかし、いざジャンケンが始まると、最初に思いっきりパーを出し、100%の確率で勝利を収めていたのである。
- インド人に丸め込まれないようにずる賢く生きる -
すっかり酔いも回り、喰う楽の目の前にあるカラオケスナックの沙羅で二次会をすることになった。
沙羅には、日本語の話せる中国人ママを中心に、インド東部にあるアジア系人種が多く住むマニプール州から出稼ぎに来ているインド人女性20名が在籍していた。
マニプール人を見てびっくりしたのだが、顔が日本人そっくりなのです。
私の隣に座ってくれた女性もマニプール人というが、どう見ても日本人。
「本当は、日本人なんでしょ?」
何度も話かけるが、彼女に日本語は通じない。
しかも、英語も一切通じず、ヒンディ語しか通じない。
中村さんは中国人ママと日本語で仲睦まじく談笑しており、割り込んで邪魔するのもなんだか悪い。
私はマニプール人女性とジェスチャーであれこれコミュニケーションを図ろうとするが、まるで通じない。
ついには、彼女はスマホを弄り出してしまった。
うぬぬぬ。
ならば、歌でも歌ってやる!
と席を立った矢先、店内にハッピーバースデーソングが流れ出したのです。
なにが起きたの? と思いきや、この日はママの誕生日だったのです。
へぇ、偶然にも今日はママの誕生日なんだ。
と思っていると、隣では中村さんが懐からリボンに包まれた小箱を取り出し、ママへ誕生日プレゼントを渡しているではないか!
驚いた私は、中村さんに野暮な質問を投げかけてみた。
「ママの誕生日だって、知ってたんですか?」
「当たり前じゃん、常連なんだから。でも、内の嫁さんには内緒にしといてね」
- インドでは何事も思いっきり楽しむ -
中村さんは、自らのアドバイスを、しっかり体現されていました。
インド駐在14年の経験は、本当に伊達ではありません。
この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。




