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序章第九節

 ガサガサ!


「そっちに行ったぞ。」


「了解。」


 木々をなぎ倒して進むのは巨大なバファローが角を振り回し突進していく先にファナが待ち抱えていた。

 

  「ブウオオオオオオオオオオオオオ!」

 

 雄叫びを上げてさあらにスピードを出す。ファナは悠然と構え当たる瞬間に両手で角をつかみ。その勢いを利用して持ち上げた。


「フッ!」


 気合と共に持ち上がった巨体はファナの優に3倍近くある。その巨体を勢いのまま地面へと叩きつけた。 


「!!!!?!!?」


 凄まじい轟音とともに大量の土埃が舞い上がる。ファナは地面に転がり痙攣しているバファローにとどめを刺すのだった。

 その一撃は頭を粉砕しその衝撃が地面を陥没させ、バファローは絶命した。

 

「相変わらずの怪力だな。」


「まだ加減ができないけどね。」

 

 ファナ達竜人族は、種族的に魔法の類が苦手らしい、その代わり身体の強化筋力や五感といったことに魔力を使い怪力や感覚を鋭く

その中でも、ファナは先祖返りと言われるもので普通の竜人族より魔力の総量が多い。他にも特殊な能力があった。


「調子は?魔力はうまく制御できてるけど?」


「うん、まだ、体の傷は問題ないし、身体強化は問題ないけど変身となるとまだうまく行かないみたい。」


 ファナは竜の姿に変身できた。先祖返りとは、大昔にいた古龍の血を色濃く発現させた個体を指す。

 この森に傷つき倒れた姿がまさにそれだった。しかし、あの時に受けた傷が原因で正確には、治療行為としてファナの体に

俺の魔力、エーテルを流し込んだのが原因だった。ファナの魔力と俺の魔力が交じり合い変質していることが変身するための

制御をうまくできなくしていた。ファフ爺いわく、魔力の扱い方を再度確認して、上手く制御できればまた竜への姿へなることが

できると言った。

 原因を作った俺としては申し訳なく謝ったが。彼女は。


「謝らなくて大丈夫だよ。むしろ以前よりなんだか力がみなぎっている感じがするし調子もいいから。むしろ感謝したいくらいだよ。」


 と言って、笑った。ここ数ヶ月模擬戦闘を繰り返すごとに目を見張る速さで強くなってきていた。

力はもともとあったらしく一撃一撃がとても重い。油断していると俺が数十メートル吹き飛ばされることもあったのだ。

しかし、技術のほうはまだらしく力をうまく流されたりといったものはまだこれからだった。それと魔力も上がってきているが、

体の節々に流すとゆうことができずにいた。


「体全体に流し込むイメージはあるんだけど。実際にできていないと意味ないよね。」


「こればっかりは、何回も繰り返さないと。でも一部分の維持まではできているからそんなに時間はかからないと思うよ。」


「うん、午後にまた手合わせをおねがいできる?」


「ああ、もちろん。」


 朝から森の中で狩りをしていた俺たちは、昼食を取るために家へ帰ってきた。

 アイテムボックスから食事のための食器を取り出しているとファナが声をかけてきた。


「ヴァン、服ができているからあとで試着してみてくれないかな?」


「お!もうできたの?あとで確認してみる。」


「うん、細かい調整が必要だったらいって。」


 そう言って皿を並べ始める。彼女は服を作ることが得意なようで、いま彼女が来ている服も自分で作ったのだ。

ホットパンツに、皮で作ったジャケットと靴を着ている。俺の着ているズボンやジャケットも彼女が作ったものだった。

 ファナに趣味が裁縫だと知ってからは、服を作ってもらっていた。アイテムボックスの中に数着あったが生活してい

行くうえで、着るものがとても少なくましてや今は二人で暮らしている。そんな中でしかも女物の衣類はなくサイズも俺には小さく

ファナには大きいものばかりだった。そんなこともあってファナの再訪スキルはとても重宝していたのだ。


(実際、すでに着回しをしていたから所々破けたりしていたのを騙し騙し使っていたからな、新しい服を買うことも

ましてや、俺自身は作ることも出来ないから本当に助かった。)


 ヴァンは転生者なので現代の衣装デザインなどをファナに教えて作ってもらった、春や夏はまだ薄着で大丈夫だが。

秋や冬になると気温も下がってくる防寒着なないのは本当につらいからな。


「ローブ?コートってゆうのかな、を作ったけどまた素材がなくなったから、もらっていいかな。私の分もつくるから。」


「分かった、革素材しかないけど、それをもっていくよ。さてできた、皿を取ってくれ。」


 焼きあがったにくを、葉物野菜のようなものの上にもりつける。ジューとまだ音を鳴らしている肉からは、香ばしいにおいが香

食欲を掻き立てる。


「ではいただきますか。」


「うん、いただきます。」


 そう言って俺たちは肉にかぶりつき、滴る肉汁で口元を汚す。野菜も旨くゆであがっている切り分けた肉をそれに包んで食べるといった

ことが今俺たちのブームだった。

 ここでの生活がもうすぐ1年になる。その一年間調味料が塩だけだった。味に変化にクルミを砕いてまぶしてみたがあうものと

合わないものがほとんどだった。ああ、醬油や味噌が欲しいと何度思ったかしかしここでは手に入るわけもなく今ではあきらめている。


「せめて胡椒があればな。」


 思わず口ずさんでしまう。それほどまでに飽きがきていた。


「この近くに町や村はないからね、そもそもお金もないし買えないよ。」


 食べ終わり、デザートの木のみを食べながらファナは言う。

 この森の半けえ数百キロに人の住める場所はない。ましてや、森を抜けられるほどの移動手段もないのだ。


「私自身が変身できれば飛んでいけるけど、、、、ごめん。」


「ああ、いや俺も贅沢を言ってしまった。」


「ううん、気持ちはわかるから。だから早く飛べるようになるためにも強くならないと。」


 ファナからは少し焦りが見える。あれから数ヶ月が過ぎても、自身が強くなっているとゆう実感が持てないらしい。

ファナ自身は、あの時村が襲われたときに見た白い騎士が脳裏に焼き付いているのだろう。その凄まじい強さからまだまだ自分自身が

弱いと思っているところがある。


(十分強いと思うんだけど、その白騎士はそんなに恐ろしく見えたのか。)


 その存在が、どれだけの強さがあるのか、もし俺が戦って勝てる相手なのか、そう思ってしまう。

 俺は実際他人の強さがわからない、ましてや比べることができないからだ。この世界に転生してから初めて人型に会ったのがファナしかいない

だからその白騎士の強さがそれほどまでなのかと思ってしまう。なら俺自身もさらに強くならないとなと今後は自分自身ももっと訓練しなくてはと決心するのだった。

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