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序章第六節

最初に見たのは、夜の月あかりに浮かぶ黒い影だった。空に浮かぶ三つの影から黒い影が下りてくる。

その影は、揺らめいていてはっきりとは見られない、暫くして陰から炎が広がっていく。

炎は瞬く間に燃え広がり辺り一面を明るく輝かせ夜が昼間のようになるほど明るくなった。

広範囲に広がる炎は、瞬く間に全てを焼き尽くしていった。私の大切なものを全て。

 

 逃げ惑う者は焼き尽くされ、向う者も吹き荒れる炎の中に消えていく。その中に父もいた。

 私は必死に叫びながら手の延ばす、決して届かない手を懸命に伸ばすが炎が視界を埋め尽くした。




 「お父さん!!!」


 自分の叫び声で目が覚める、目を見開き伸ばした手が目に映る。その先にある板の天井も。


「ここ、、は?」


 そこで初めて夢を見ていたことに気が付いた。まだ意識がはっきりしない頭を振り息を吐く。

次第に自分に起こったことを鮮明に思い出した。

 

「私、生きてる。」


 揺れる光、首を動かし周囲を見回す。

小さい部屋に机がありその上にはランプの光が淡く輝いていた。


(私は、えっと、、、、、村が燃えて、飛んで逃げて、逃げ、、、、。)


 そこで思い出す。村を襲った人間が、家族やみんなを殺したことを、父に言われるまま逃げて、体が痛み出して落ちた。それから先が思い出せない。すごく嫌の南角が体全体を蝕む感覚に襲われてその先を思い出せない。


「入るぞ。」


 ガチャ、入ってきたのは若い人間の男だった。









 叫び声が聞こえた。少女を寝かせた部屋から聞こえてきた。急ぎ部屋に向かい声をかける


 「入るぞ。」


 扉を開いてベットを確認すると、赤い目がこちらを見つめる。俺の顔を見ると驚いた様子でいるのがわかった。俺はなるべく静かにゆっくりベットに近づいて膝をついて身をかがめる。


「ようやく気が付いたか。具合はどうだ?」


「あ、、あの、、、。」


 少女の声を初めて聴く、静かな風鈴といった印象の澄んだ声。


「ああ、無理にしゃべらなくていい。君は三日間眠っていたから、体がまだ本調子ではないはず。」


「ここは?」


「ここはヘイズの森の中にある俺の家だ。」


「家?」


 困惑した表情を浮かべている。自分がなぜこんなところにいるのかを必死に思い出そうとしているような顔だった。


「まあ、混乱するだろう。現在の状況を簡単に説明するよ。」


 そう言って俺はこれまでの経緯を話す。



「と、こんなところかな。」


「、、、、、、、、。」


俺の話を静かに聞いていた彼女は、信じられないといったようなかをで俺を見てくる。まあ、自分が記憶にない行動をしたことに驚くのは無理もないが、困惑し顔をゆがめている少女に


「まあ、とりあえず体を休めるんだ。君からの詳しい話は、明日にしよう。」


そう言って俺は立ち上がり踵を返すように部屋を出ようとすると


「あり、、がとう。」


少しかすれた声がきこえた。声に反の下俺は振り返り。


「おやすみ。」と声をかけて部屋を出る。それを聞いた少女は再び眠りについた。







 朝になり、俺はいつものように身支度を整える。そして、暖炉に火をかけて昨日の夜に作ったスープを温めていると

ガチャ、ドアの開く音が聞こえた。そちらに視線をむけると竜人の少女がこちらに歩いてくる。


「歩いて大丈夫か?」


「はい、大丈夫です。」


 少女は、こちらに視線を向けて少しうつむいているが返事をする。彼女はなぜか俺のボックスの中にあったワンピースを着て

靴はなくはだしでたたずんでいる。


「服のサイスはあってたようだな。」


「は、、い。」


「・・・・・」

「・・・・・」


(会話が、そういえばこちらの世界で女の子と話したのは初めてだ。うーーーん何を話そうか。)

 

 木製お玉(自作)で鍋を混ぜながらそんなことを考えていると。


 ぐう~~~~と聞こえ振り返ると。


「ッ~~~~~~。」


 ほほを染めてうつむいていた。


「ま、まあとりあえず、飯にしようそこに座ってくれ。」


 少女は席につき下を向く。先ほどの音は腹の音だったようで、かなり恥ずかしかったのだろう、まだ顔が赤い。

俺はさらにスープを深皿によそおいテーブルにおくと、ぐーーーと先ほどと同じ音が聞こえた。

彼女はまたさらに小さくなった形で頬をさらに赤く染めていた。


「とりあえず食べてくれ話はそれからだ。」


 と言って、先割れスプーン(自作)を差し出すと。彼女はそれをおずおずと受け取り一口すくって飲む。


「!!!!!!!!!!」


 彼女は、よほど気に入ったようで、勢い良く手を動かししまいには皿に手をかけて飲み干し、ふう、と一息つくと

慌てて皿を戻し、先ほどよりさらに小さく肩を落としていた。

 がぶ飲みしたことがとても恥ずかしかったようでだ。


「まあ、三日、今日を入れて四日かな何も食べてなかったからしょうがない。お代わりはいる?」


 そう聞き返すと、返事は彼女のお腹から聞こえてくるとさらに小さくなったのだった。





 あれから、作ったスープと作り置きしていた、ベーコンやハムといったものを調理しそのすべてを食べつくした少女は今

席で満足といったように笑い自家製のフルーツジュースを飲んでいた。


「腹は鳴りやんだかな?」


 少しいたずらっぽく言うと「ごめんなさい。」とかえしてきた。うちにある食料の半分を平らげた事実に内心驚きもしたが

元気にそして何よりおいしそうに食べているこの子がとても可愛いものに見え思わず微笑んでしまう。


「さて、遅れたがまず自己紹介だな。俺の名前はヴァンだよろしく。」


「私は、ファナです。」


 ファナと名乗った少女は、その名乗った。

 今後彼女をどうするかを俺は悩み、まずはファフ爺に合わせに行こうと思ったのだった。




 

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