第三章十節
朝、肌に感じる寒さから目が覚める。
「、、、、、、寒!」
手で両腕おこすりながら目を開けると被っていた毛布がないことに気がつき、どこに行ったのかと探すとすぐ見つかった。
「すぅー、、、、。」
静かに寝息を立てている毛布、、、じゃなくファナだった。
昨晩、共に過ごしてからいるのは当たり前だが寒さから毛布に包まり身を小さくしている。
「やっぱりまだ寒いな。」
俺は幸せそうに抜ているファナを起こさないよよ静かに身支度をして部屋を出る。
窓の外はまだ暗く階段も下の方は暗闇が支配していた。
「ランプは、、、、、有った。」
ボックスから取り出したランプで照らしながら階段を下りる。
「さてやるかな、、、。」
テーブルにランプを置いて照明をつける。
暗闇が消え周りは魔道具の電灯で照らしだされる。
俺はまずは暖炉に火を入れるために細かく割った木を入れて人差しから火を出す。
「完全に人間チャッカマンだなと、毎回やるたびに思ってしまうな。」
ビルドイン式の暖炉が赤く燃え室内を温める。
その火種を持って俺は厨房の釜に火をくべて水で満たした鍋を置く。
さて、今朝は味噌汁でも作ってみるかな。確か干物でだしを取ったものがあったはず。
ガタ!ドン!!
「なんだ!?」
突然の物音に俺は顔を上げる。
音がしたのはあの少女が眠っている部屋だ。
静かに近ずく気ドア越しに気配を探ると、ごそごそと何かが動いている音がする。
俺はドアを開ける。
「・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・い。」
そこにはあの助けた少女が床に転がってい居る姿だった。、、、、、裸で。
「キィヤアアアアアァァァァァァァ!!!!!」
この状況、何かデジャブだ。
「大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫よ。」
あの後、小屋全体に響き渡った悲鳴が寝ていた二人を叩き起こす。
最初に駆けつけてきたノアが、「見てはだめです!!」
といって慌てて出てきたようで枕を持ったままきたノアはその枕を俺の顔へと投げつける。
「ごめん!」といって俺は幾つかの服を置いて部屋を出る。
「ごめんなさい、着ていた服は汚れがひどかったので、、、。」
「ええ、ありがとう。」
少し落ち着いたところで、彼女に今の状況をノアが説明してくれる。
「、、、、入っていいか?」
「!!!!!!」
「え!はい、大丈夫です、、、よね?」
コクコク
半身を起こした彼女が毛布で顔を半分隠して頷いているのを見たノアが「どうぞ。」といった。
「失礼します。」
遠慮がちにドアを開け入ると、あの少女は目元を赤くしこちらを潤んだ目で見てくる。
「ああ、先ほどは失礼をした。ごねんなさい。」
俺は頭を深く下げる。
「いえ!わたくしの方こそ、、、不注意でした。ですからあたまをおあげになってください。」
「そうか、、、ではしつれいして。」
俺が頭を上げると綺麗な顔を紅潮させている。
まあ当然か、俺は部屋に入り近ずく。
「俺はヴァン、この国の冒険者だ。君がここにいる経緯はきいてかな?」
「ええ、この子から簡単にですが。」
「分かった、じゃあ俺から詳細を話すよ。」
そう言って俺はあの時のことを話し出す。
勿論何をしていた帰りとか、空から見えたとか説明が難しい物は省いてだが、全部を聞いた彼女はしだいに顔を青くしてうつむく。
「とまあ、こんな感じだったわけだが、、、。」
「そうですか、、、、ありがとうございます。私は本当に死にかけたのですね。」
「ああ、本当に死んでいたかは分からないけどな。」
「??」
それを聞いた彼女が少し疑問を持ったのか首をかしげる。
「君に使われた毒矢は死ぬようなものではなかったんだ。」
と言ってのノアに目を向けると、「はい!」と言って説明する。
「あれは相手をマヒさせるものでした。使われていた量のそれほどではなかったようです。解毒はできたんですが後遺症でしばらく足を動かすことはできません。」
「と言う訳だ、どうやら相手は君を殺すために追いかけていたわけではなかったようなんだが、、、、相手に心当たりが、、、、、、あるみたいだな。」
聞いていた彼女が、何かを察したような表情をしている。
「まあ、深くは聞かない、それよりもまずは君の名前を聞かせてくれないかか?」
「、、、、、夜鈴」
少しためらった後にそう答えた。
「わかった、じゃあイーリンまずは飯にしようか。食欲は、、、、、(グゥ~~)、、、あるみたいだな。」
可愛らしい腹の虫がきれいに鈴を鳴らすと顔を赤くした。
コツコツコツ
静寂が支配する暗く深い階段を一人の男がランプを片手に歩いている。
照らし出されるのは薄汚れ風化した石畳といくつものひびが入った壁画だった。
コツコツコツ
描かれているのは人とエルフ、獣人が巨大な何かと戦っているものだ。
幾つもの壁画にも同じようなものが描かれている。
コツ、コツ、コツ
壮絶な戦いがあったとこの壁画は語っている。
そうこれは歴史、この世界で実際に起こったことを壁画にして残したのだ。
コツ、コツ、コツ
だがその絵には興味がないと言ったように奥へ進んでいく。
奥へ、奥へと進んでいくうちに周りの景色は一変した。
カツ、カツ、カツ
先ほどとは違う音が響く、周りの風景も変わり、やがて壁画が消え周りは一色の青黒い通路に出た。
そこはまるでその形にくりぬいたように隙間のない壁、先ほどよりも古いであるはずなのに傷も汚れもない物だった。
カツ、カツ、カッ!
行き止まりに着いたその者は、ランプを高く掲げてく槍と笑った。
「見つけた!」
白いローブと深いフードでかをを隠した男はそう言った。




