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第三章九節

「よしあそこに降りてくれ。」


『ブル!』


 あれから少し、経って俺は拠点にしている小屋に着いた。

 この小屋は、皇帝陛下が避暑地の一つとして使っていたもので今は俺達の活動拠点になっている。

 見た目は普通の山小屋だが中はしっかりとしたつくりのログハンスになっている。

 部屋は10以上あり、メインルームにリビング、キッチンと風呂にトイレも完備してあった。

 残りは使用人の部屋らしく四畳くらいの部屋がいくつか、そして裏庭に岸壁から流れる湧き水で作った溜池もある。

 この至れり尽くせりの小屋で俺達はここ数日間紅月の動向を探っていた。


「よしよし。お前なかなかいいな。」


『ヒィヒィン!』


 俺の言葉が分かるのかそう返事する黒い騎獣、ファナほどの力もスピードもないが短距離や地上を移動する分には申し分ない能力があるようだ。

 そう思い手綱を近くにある杭に結びんで俺は小屋へと向かった。


「ただいま。」


「おかえりなさい!ヴァンさん」


 中に入ると出迎えてくれたのは栗色の髪の少女ノアが通る元気な声で出迎えてくれた。

 

「ノア、ただいま。早速だけど彼女は?」


「あ、はい!処置が終わったところです。」


「そうか、大丈夫なんだな?」


「ええ、傷も魔法でふさぎましたし、それ以外に特に異常はありません、ただすごく疲れているみたいで今は眠っています。」


「うん、わかった。ファナは?」


「ファナさんでしたら、今お風呂の準備をしています。」


 とそう言いながら俺は彼女が寝かせてある部屋のドアを開く。

 ベットの上には先ほどの少女が寝かされている。

 脇には少女が着ていたボロボロの服と、汚れたタオルが置かれている。

 

「ヴァンさん、この人はいったい?」


「俺も分からないが、おそらく紅月の人間だろうけど、訳は俺にもわからない。」


「そうですか。」


「まあ、その辺については、彼女が目を覚ましてからにしよう。それまで悪いけど面倒を見てやってくれ。」


「はい!」


 さて、とりあえずこれでひと段落かな、問題はこのことを報告するべきか、しないか、、、。

 どっちにしろ彼女が目を覚まさないと始まらない。

 今はとりあえず飯にしようか、、、確か塩津家にしていたものがいいころ合いに、、、、。


「あ、ヴァン。」


 俺が夕食の事考えているとファナが一室から出てきた。


「ファナ、ただいま。」


「うん、、、、あの子は?」


「とりあえずはこのままでしばらく様子見かな?」


「うん、、、、ヴァンお腹空いた。」


「ああ、これから作るからちょっと待っててくれ、、、、、何か食べたいものはある?」


「、、、、何でもいい、ヴァンが作るなら。」


「わかった、じゃあカルビ肉でも焼くかな。」


 俺はアイテムボックスから必要なものを取り出すとキッチンに入る。

 すでに火は付いており、鍋にはお湯が沸いていた。

 それをどかし取り出した骨付きカルビを鉄網の上に並べる。

 ジュー!と肉が焼ける匂いが部屋いっぱいに広がる、幾らかしたら裏返し均等に焼いていく。


「ヴァン何か手伝おうか?」

 

「じゃア、これをおらってきてくれ。」


「分かった。」


 だなに渡したのはレタス、これを皿の下に敷いて肉と一緒に食べる。

 本当はサンチェ

 この肉には塩をふりかけ表面が十分に焼けてきたら日の弱いところでじっくりと焼いておく。

 その間に付け合わせのスープを温めるために鍋を火にかける。

 今回はキノコの出汁に各種野菜を入れて長時間煮込んだものだ。

 癖もなく野菜の甘みが食べた肉の脂っぽさを洗い流し次の一口が旨くなる。

 今日はこの二品だけかな。

 

「ヴァン、ここに置いておくね。」

 

「ありがと、ファナ皿に敷いてくれないか?」


「うん、分かった。」

 

 木皿にレタスを並べべ丸みがあるところは手で押して平たくする。

 俺は脇にどけていた肉を取って焼き加減を確かめるとその皿の上に並べて行く。

 20っ本はあるがその半分はファナが一人で食べてしまう。

 本当にあの細い体のどこに入るのいつも疑問に思うが、竜の姿ににもなるファナを思えば納得の食欲なのかな?


「もうそろそろか、ファナ、ノアを呼んできてくれ。」


「わかった。」


 並べられている肉たちに後ろ髪を引っ張られながらノアの元に行くファナ。

 木の器にスープをよそって、テーブルへともっていく。

 骨付きカルビの塩焼きと野菜スープ。後はパンと果実水を取り出し、準備完了だ。


「わー!おいしそうですね。」


「ノア、簡単で申し訳ないが飯にしよう。」


「はい!ではいただきま!」


 骨の部分を持って、まだ表面に音が乗っている肉に躊躇なくかぶりつく。

 サクッと香ばしい焼かれた表面、しかしその下は柔らかく容易にかみちぎれる。

 中からは焼いた表面によって閉じ込められた肉汁があふれ出し口元を濡らす。

 噛めば噛むほどそのうまさがあふれ出す。

 

「うん、上手く焼けたな。」


「はい!とてもおいしいですね。このスープもとてもやさしい味がします。」


「うん!うん!、、、もぐもぐ。」


 二人とも思うままに肉やパンを手に取って口に運んでいく。

 これがここ数日の俺達の食事風景だ。

 こうしてのんびりとした夜も、もうすぐ終わるだろう。

 紅月の物資の量は日に日に増えそれが北と東に運ばれている。

 西には進軍していないようだ。あくまでも目的は皇族、なのだろう。

 いったい何のために、皇族が必要なのか、そもそもの侵略をしてきた目的は?

 これからは、そこら辺の事も調べて行かなければ。

 

「ヴァンさん?」


「うん?」


「どうしましたか?ボーっとして。」


「ああ、いやなんでもない。」


 まあ今は言い、とりあえず食って風呂入って寝よかな。  


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