第三章六節
「見つけた。」
あの後、俺は視を隠し追ってきた兵士から逃れてとある場所にきていた。
薄暗い部屋の中にあるのは、武器の類。
剣に槍、鎧に弓と矢が隊医療に置かれている。
「じゃあさっそく。」
そう言って俺は、近くにある木箱に触れると、その木箱は消えた。アイテムボックスを使い回収したのだ。
俺は手早く残りの木箱にどんどん触れて行き、最後にはそこに会った大量の武具が消える。
「さて次は、、。」
警戒ながら外に出ると、遠くから聞こえてくるのは戦いの音。
ファナが作戦通りに敵を引き付けているようだ。
ここに来た目的は、ファナが敵を引き付けて敵実力を測り、戦力を削ること。
そして俺が敵の物資を使用不能、又は破壊することだった。
俺は、破壊をせずに、せっかくあるアイテムボックスなのだからと、奪うことにした。
こうすれば、敵は物資不足で進行を一時遅らせることが出来るだろう。
こうして俺は五つの部屋を回り武具を全てボックス内に回収した。
「さてと残るのはここだな。」
一度外に出て、隣にある倉庫の前まで来た。
扉に近ずくと鼻に届く香りに気がつく。
その匂いに俺は目を見開くと俺は迷いなく中に入る。
「これは!」
中にあったのは、樽や俵の山だった。その中の一つを開けると、黒茶色の物体、そしてこの懐かしい香り。
「味噌だ!、、、、こっちは、、、、、見つけた!!」
俺は嬉々としてそこにあったものを全てしまい込む。
これでがあれば!と次から次へと浮かぶ俺の欲望が沸き起こって来る。
満足顔で俺は外に出る。
「そろそろか、、目的も達成できたしファナと合流しよう。」
俺は屋根に跳びファナの元へと向かった。
「グッ!」
私は、今までに感じたことのない衝撃を受けて宙を飛んだ。
侵入者がいると聞いて駆け付けて見れば、そこに居たのは私と年の違いのない小柄な少女だ。
しばらくその動きを観察していたが、あれでは個々の兵士では太刀打ちできないだろう。
そう思った私は、単身での戦いを選びその少女と対峙する。
確かにスピードもパワーもむこーの方が上だが、まだどこか未熟な部分がある。
こそをついた戦い、最初は優勢に進めていたが、今は劣勢だ。
「シッ!」
攻撃をしても、そのすべては躱され、逆に反撃を受けては、物凄い衝撃を体が襲う。
ならばもっと速く、と四肢に力を入れて動く。
繰り出す連撃は次第に速く鋭くなっていくが、どれもすべて躱される。
「くそ!」
次第に焦りだす。このままではと思った時。
「済んだぞ。」
と何時の間にかフード姿の男が現れた。
「済んだぞ。」
俺がその場に来てみたら兵士達が輪を作りその中心でファナと女兵士が戦っているのが見えた。
顔を出していることからそれなりに強い相手だったのか、ファナから溢れ出ているエーテルが強くなっている。
「・・・・。」
俺が声をかけると、ファナから力が抜け、あふれ出ていたエーテルもおさまる。
「行く?」
「ああ、撤退だ。」
そうした短いやり取りののちファナは一歩前へ出ると再び体にエーテルを纏いだす。
今度は、先ほどのような戦いの力ではなく、体全体を覆ったエーテルがファナの体をかえていった。
「「うわああああ!」」
そこに現れたのは蒼い体のドラゴンだ。
いきなり現した姿に驚き、一斉に混乱する兵達の声を背中で聞き俺は罠の背へと跳び乗る。
「ま!まて!!」
先ほどまでファナが相手をしていた女兵士がそう言って俺に飛び掛かって来る。
振り下ろされるのは神速の剣、だが俺はその一撃をエーテルをで作り出したフィオロスで受け止める。
小柄な体つきからは想像もできない衝撃が剣を伝って感じられる。
「ファナ!」
『ギュオオオオオオオオオオ!』
咆哮一つ、羽ばたく風が周囲のもの不吹き飛ばしながらファナと俺は空高くへと舞い上がった。
空に飛び立った俺達は高度を上げ流れる雲の上へと上がっていく。
「ファナ、とりあえずあそこに向かおう。」
『うん、、、、お腹空いた。』
「ああ、ついたら何か作るよ。詳細はそこで話そう。」
『うん!急ぐね♪』
さらに速度を上げ俺達は東へとむかった。
「くそ!」
見上げた空にあの魔物の姿はなかった。
まさに一瞬の出来事だった。顔を上げるとそこに姿はなくはるか上空へと消えていた。
「逃げられたな。」
後ろから声がかけられる、にやついた顔が気に入らなかったたので脛を蹴った。
「いってえな!いきなりな何しやがる!」
「今の今まで何してたんだ貴様!」
と怒鳴って来た男に私も怒鳴り返す。
確かこいつは私より先にここに来ていたはず。
なのに戦っていたようには見えずなかった。
「わりいわりい、急によ、用事が出来ちまって。お前がいるから大丈夫だと思ったんだが。」
そう言って周りを見渡す青年はため息を交じりに肩を竦める。
「まさか、逃がしちまうと、、痛って!!」
再びからかってくるこいつに私は同じ場所を蹴る。
蹴られた個所を抑えながら飛んでいるそいつに私は問いただす。
「で、その用事とは何だったんだ?」
そう聞いたら青年は後ろを指さす。
振り返ればそこには日の光を覆うような影がありそしてその人物に私は膝を折る。
「これは!孟将軍。」
そこに現れたのは、孟 暁東将軍だった。




