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第三章一節

 炎だ、おれは周り一面の火の海の中に居る。赤く燃え黒煙が舞い上がる空間に俺は立っていた。

 いや見ていたのだ。燃え盛る炎の映像を観客として映画館に座ってみていた。

 映画館と言っても、それほど広くはない。席は三、五、三の客席が5列に並べられているだけだ。

 だがそこには観客は俺一人でスクリーンに映し出されている映像をただ見続けていた。

 スクリーンに映し出されているのは二つの光景だ。

 一つは燃え盛る建物の前で女の子が座り込んで泣いている。来ている服は焼け髪も本来は赤い色をしているのだろうが今は黒くすすぼけている。

 女の子は口を大きく開け何かを叫んではその赤い瞳から滝のように涙が流れ落ちる。

 そしてもう一つは水の上に浮かんでいるボートに一人の男性が立っていた。

 夜なのだろう、漆黒に飲み込まれそうなその水平線に赤々と燃える者が映っていた。それは島だ。島全体が炎に飲み込まれている。

 そしてその島を見ている男性のその肩は震えていた。

 深くかぶったフードからはその表情を見ることはできないが一筋流れるものを見て泣いているのだろうことが分かる。そしてその流れた涙が落ちた先には白い布に包まれている赤ん坊に落ちる。

 その赤ん坊はたびたび落ちてくる涙をつかもうと手を上に向けその小さい掌です掴もうと腕を男性の顔に伸ばす、それを見た男性は優しく抱きしめている。

これが永遠と続く、何度も、何度も、、、、、。いったいいつになれば終わるのか、そもそもこれはいったい何なんだろうか。

 何かを伝えたいのか、俺にどうしたいのかとそう思った。

 

(思った、、、?)


 気が付くと俺は考えられるようになっている。この状況をしっかりと認識できるように自覚している。

 俺は体に何かが流れ込んでくる、これは、、、、、ファナだ。

 温かく静かなエーテルが流れ込んでくるのが分かった。

 

「ヴァン。」


 優しい声だ、耳から入るその声に俺は横向くと、そこにはいつのまにかファナが座っていた。

 ほほ笑む顔が俺の目に入ると静かに手を伸ばして頬を撫でてきた。

 

「迎えに来たよ。」


「ああ、ありがとうファナ。」


 彼女の手を握り、そのぬくもりが肌を通して感じられた。温かく心地の良い温かさに俺は目を閉じる。

 

 目を開くとそこは俺の知っている天井、オルスにある館の俺の部屋だ。

 周りを見ると誰もいない、重い体を起こそうとベットから起き上がると体に不自然な重さ。

 

「、、、、ファナ。」


 俺の体をしっかりホールドするように絡みついたファナが静かに寝息を立てている。

 

「ファナ、ファナ。」


「う、、ん。」


 目をこすって起き上がる彼女は当然のように裸だ。まあ見慣れているのでそこは無視して俺自身も体を起こす。


「おはよう、ファナ。」


「うん、、、、おは、、よ、、、、、!」


 寝ぼけているようで細くした目で俺を見る。そしてその目が徐々に見開かれて最後には体全体で俺に飛び込んでくる。


「ヴァン!ヴァン!」


 抱き付く彼女は子供の様に泣きじゃくりながら俺の名前を呼ぶファナの頭を優しくなでる。


「ごめん、面倒をかけて。」


「うんん、面倒なんかじゃないよ。」


「そうか、ありがとうファナ。」


「うん、、、おはようヴァン。」


「ああ、おはようふぁな。」


 そうしてしばらくはお互いのぬくもりを確かめ合いながら抱き合ってると俺の性欲が掻き立てられる。

 ファナもそれに気が付いたのか俺に目を向けてくる。


「いいか?ファナ??」


「うん、、、いいよ。」


 そこからは二人互いの唇を合わせる。それを合図に二人は再びベットの中へと深く沈むのだった。

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