序章第四節
砂埃が晴れると、鉄さびのようなにおいが充満していた。大きな音を聞きつけ駆け寄ると。
青いドラゴンが木にぶつかる形で倒れていた。
「死んでるのか?」
ディバルイスを左手に装着し盾に変形させ、右には長めの槍を作り出し様子を見ながら近づく
ふいに、ピカッ!とドラゴンが光りだす。その光を盾越しに見つける。
ドラゴンはエーテルに包まれ徐々に小さくなっていく。
その眩しさに盾を構えより一層警戒しながら成り行きを見守っていた。やがて光は収束し消えた
その光な中にドラゴンは消え失せ、紺色の髪に赤い角が生えている一人の女の子が姿を現した。
「これは!」
驚いた俺は、構えを解いてしまった瞬間にドカ!と衝撃が襲う。
「人間!殺す!」
吹き飛ばされ咄嗟に受け身をとって起き上がり前を向くと、そこにはさっきの女の子が立っているのが見えた。彼女からは凄まじい殺気と魔力があふれ出し彼女の周りでバチバチ魔力が帯電し周囲の空間が地鳴りのように鳴り響いて広がっていく。
「待て!俺は敵ではない!」
何とか落ち着かせようと言葉をかけるが彼女は正気ではないようで唸り声をあげながら今でも俺にとびかかる勢いでにらみつけてくる。凄まじい魔力と殺気が吹きだすと同時に体中の骨が軋む音と血が噴き出しているのが見えた。
(このままでは彼女の体が魔力に耐えられなくなってしまう)
そう思うと同時に彼女の周囲の魔力がはじけ飛ぶと同時にものすごいスピードで向かってくる
一気に距離をつめてくる彼女は必殺の一撃のようなはいきっきを繰り出してくる。
俺はそれを左手でいなし脚をつかむと横に流した。バランスを崩した胴体にこぶしを突き出す。
「ギィ!」
うめき声と共に彼女は気を失ったと同時に体からあふれ出す魔力も収まるり崩れ落ちた
俺は咄嗟にそれを抱き支えると腕の中で力なくうなだれている。
「上手く加減できたかな?」
俺にとっては初めての対人戦だったが、上手くいったようだ。
抱きとめた彼女をよく見ると、体のあちこちから血がにじみ出ていた。
俺は慌てて草むらに寝かせると着ている服を(初めからボロボロ)引きちぎり傷の具合を確認
すると擦り傷や打撲、切り傷が無数に付いていた。いちばん重症なのは右肩から左わき腹にある大きな傷だった。傷はまだ燃えているかのように赤黒い熱を出しているようで肉の焦げ付く匂いが
鼻を突いた。
「まずい!確かボックスに傷薬、ポーションがあったはず。」
確認しポーションを取り出して傷口にかける。小さい傷はみるみると消えてたが、火傷は治る気配がない。
もう一本のポーションをかけるが全く治らないのだ。
「どうなってるんだ。」
俺は、改めて火傷を見た。すると、その傷はエーテルを放っていた。
そのエーテルは黒く燃え広がるように彼女の体むしばみ焼き尽くし広がりつ続けている。
「なんだこれは!こんなの一体どうすれば。」
途方に暮れていると俺の方に鳥が止まってくる。
『どうやら呪いがかかっているようだな。』
肩に止まった鳥から聞きなれた声が聞こえてきた。
「ファフ爺!」
『凄まじい殺気を感じ来てみたが、この娘、このままでは死んでしまう。』
「何とか治す方法はないのか!」
しばしの沈黙の後、ファフニールは『仕方ない』と呟き俺に言った。
『儂のところにこの娘を連れてこい、時期早々だがお前には、フェアラークをしてもらう。』
「フェ・・それをすればこの子がたすかるのか?」
『危険だが、今は、それしかあるまい。』
「わかった。」
そう言い終わると彼女を布に包んで、抱きかかえると森を抜けファフ爺のいる処へと駆けだしていくのだった。




