第一章十四節
「ここ、、は、、、。」
重いまぶたを開け周りを見る。辺りは暗くほんのりと見える天井は石造りで小さな灯りが石の凹凸を照らす。
灯りの揺れる先を目で追うと、机がありその上には小さなランプが温かい光を出しながら揺れていた。
ランプの灯りに少し目を細め少し慣れた頃俺の頭は動き出す。
「あれから、どうなった、、。」
重い頭を動かして記憶を辿る。ケーリュケイオスと呼ばれる国崩しの魔物、それと戦い、吹き飛ばされ、最後には二人で全てを出し切って、、、、、。
二人でのところで俺はハッとなる。いつも俺の側にいて、どんな時でも俺を助けてくれた。深い蒼の髪に燃えるように赤い角を生やした少女を思い出す。
「そうだ、ファナは!」
急いで体お起こそうと腕を動かすと動かない。ケガのせいなのかとても重く感じ、そして温かさと柔らかい感触も感じる。
「なんだ?」
慌てて右腕を見るとそこには探し求めていた人物がいた。それも全裸で俺の腕にしがみつくようにして眠っている。
穏やかな寝息が蒼の髪を揺らしている。そんな姿を見て一先ずホッとする。どうやら無事のようだ。見る限り包帯を巻いているとか傷があるとかは内容だ。
「すまんな。」
目元は少し赤くなっているのが見える。どうやら心配をかけたようだと思い左手で頭を撫でようと動かすと手は完全に包帯で覆われているのに気が付く。
そこで初めて全身に痛みが走る。ふぉうやらまだ傷は治りきっていないようだ。それより俺はどれくらい眠っていたのだろうか、あれから何日たっているのか、と考え始めていると、
ドンと扉が開かれる音がした。
「ヴァンさん!ご無事ですか!!!」
大声で部屋に入って来る者達がいた。見るとそこには、ショートの銀の髪に金の瞳した可憐な顔立ちの少女が此方に駆け寄って来るのが見えた。
「エヴァちゃん!ここ病室だからもう少し声落として!!」
続いては、金のポニーテイルに長い耳のエルフシャルルが部屋へ駆け込んでくる。
「ヴァンさん!無事ですか!!生きてますか!!死んでませんよね!!!」
「ヴァン!見舞いに来たぞ。」
騒がしい二人の後ろにはアスラとアニラが一緒になって入って来た。
「あ、、ああ、無事だぞ、、。」
「待ってください!その腕はどうしたんですか!!やっぱり無事じゃないじゃないですか!またむりしたんですか!!!!!」
「エヴァちゃん、落ち着いて大丈夫だからまずは落ち着いてよ。」
「ファナちゃんは?ファナちゃんは何処に!」
「う、、、ん、、、なに?」
ここで部屋の中が騒がしくなったことから隣で寝ていたファナが布団の中から起き上がる。あられもない姿のまま、、、。
「「「「・・・・・・・・・・・・」」ふん!!」、、、ぎゃあ!」
エヴァとシャルルは唖然とし、アニラは後ろに立って居たアスラの目に平手打ちをくらわす。
「ああ、、ヴァンおはよう~。」
ぎゅっと俺に抱き付いてくる。まだ寝ぼけているのか目は半開きのままだ。胸元に首を渦む腰に手を回してくる。実にいい感触だとたんのしていると。
「な!何やってるのファナ!そ、、そうゆうのはもっとですね、、、。」
その姿に、エヴァは顔を赤くし、シャルルはまだふぁまったまま、顔面を強くたたかれたアスラはアニラに首根っこを掴まれて部屋の外に出るそこで、、、。
「とにかく、無事で元気なようなら支度をして来てくれ。ヴラド伯爵が待っている。」
「あ、そうだった。ファナちゃんこっちに来てまずは着替えよう。」
そう言って、半分寝ぼけているファナの手を引いて扉横の仕切りに入って行く。
「取り合えず俺も着替えるよ。」
「そうですね、、。」
少し疲れと言う表情で部屋を出ていく時、、、。
「ヴァンさんとりあえず無事で安心しました。」
といって出て行った。その声には彼女が安心したと言うことが伝わってくる。
彼女にも心配をかけてしまったようだ。いやオルスにいる皆も同じだろう。今回は謝る相手が多いなと苦笑し服に手をかけるのだった。
今現在は昼を少し過ぎた頃、俺は少し広い部屋の中にいた、俺の右横にファナ左横にはエヴァが座り、対面にはウラド伯爵、シャルル、ミレーユそしてギルドマスターのグランが座っていた。
「さて、そろったところで話そうか、まずはヴァン、ケーリュケイオスの討伐ご苦労だった。」
オルスの領主であるウラド・ロスイス伯爵がねぎらいの言葉をかけてくる。彼は雄るで長年曹宇本当の意味で長年領主をしているダークエルフだ。
俺やエヴァが町で暮らせるようにしてくれたのもかれのおかげだ。
「ああ、相当の実力者だとは思っていたがまさかここまでとは、、、。」
そう言ったのはグラン、オルスの街のギルドマスター大柄で禿げ頭で、左の頬には無数の古傷があり、歴戦の戦士と言った感じだ。
「まあ、今回は本当に助かった。外にある死体を見たがあれが町まで来ているかと思うと相当の被害が出ていただろう。この砦で防ぎ切ったことは本当に良かった。」
「ああ、Aランクの冒険者やほかの兵士や戦えるものを総動員して倒せるかどうかといったところだ。だから今回君たち二人には感謝している。」
そう言ってグランとウラド伯爵がそろって頭を下げてきた。
「ええ、まあ、俺達も必要だったからやったことですから。それに俺達だけで倒せたわけではありませんから。」
そう言ってシャルルとミレーユを見ると二人は少し苦笑いをしていた。
「と言ってもヴァンやファナちゃんがほとんど倒しちゃったよね。私達は最初の襲撃と最後の囮くらいしか役に立ってなかったし。」
「そんなことないさ、あそこで持ちこたえていてくれたから俺達も殲滅しやすかったし、ケーリュケイオスもミレーユやシャルルが注意を引いてくれたおかげで相手の動きを止めさせることが出来たんだ。」
コクコクとファナも俺に同意して頷いてる。実際あの砦が蛇の魔物の大群に落とされていたら。その後出てきたケーリュケイオスに早く気が付くことも出来ず俺は町に戻ってから伯爵やギルマスに報告をしていた。
実際ミレーユやシャルルがこの砦にいることも知らなかったし、助けに入らなかったかもしれない。この砦が無事だったお陰で早期に危機を回避できたそれだけでも勲章のもだと俺は思う。
「実際最初は終わったと思ったわよ、草原を埋め尽くす魔物の大群それもサーペント種、とてもこの砦の戦力だけではもたなかった。ヴァンやファナちゃんが来てくれて本当に助かった。」
そう言って笑っていた、偶然と偶然が重なって起こった今回の一件、一つ間違っていたら被害はもっと出ていただろう。
そう思うと今回はいい方向で終わることが出来たと俺も思う。
「今回の一件、今後のことも踏まえて報告書には詳細を書いてもらうことになる。シャルルやミレーユ両男爵とヴァンにもだ。」
「了解しました。」
「とりあえず今後のことだ、今回ヴァンとファナ君にはこの砦には昇格試験のために訪れていたのだったな。」
伯爵は隣に座っているギルマスのグランに話を振る。それにこたえ頷いて。
「ええ、彼は非常に腕が立ち礼儀もあり、依頼の方も低ランクの任務を数多くこなしていましたので、今現在のランクではもったいないと、早めの昇級をと出した依頼だったのですが、、、、、。今回のことで考えを改めました。彼の実力にはSランクがふさわしい。」
グランはそう言った。俺とファナはきょとんとし、伯爵や他の皆もうなずいている。
Sランク、この国でのぎるどはFランクからSランクまでの基準で能力分けされている。と言っても普通の人生で冒険者をしていればよくてBランクまで行けばいいと言ったところだ。Aランクもいるがそれは本当の実力者しかなることはできない。
実際入れが合ったアスラやアニラはAランクだが他の冒険者と比べると頭4っつ分くらい抜きんでた実力を持っている。まあ、Aランクにもさまざまだかそれくらいの差があると俺は思っている。
そして、ここで出てきたSランクとは。この国に数名しか存在しておらず。国のために数多くの貢献をした者に送られ、その実力は万夫不当の強さがある者にしか送られない物らしい。しかもSランクになるためには王族の承認が必要だとか。
俺も人ず手に聞いてだけで、詳しくは知らないが、それくらいすごいものだと言うことだ。
「しかし、ヴァンにはまだSランクになるために必要な物が無い。それは経験と日数だ。」
グラン続いて話す。
「彼はこの町に来てまだ数ヶ月しかたっていない、それに依頼の方も低ランクの物しか受けたこともなく中堅クラスの依頼がないのでSランクに昇級はできないのでまずヴァンとファナ君にはAランクに昇級してもらおうと思う。そこで中堅クラスの依頼をこなして経験を積んでもらいたい。」
グランはそう言った。Aランクになれば、氏名依頼以外は全部受けることが出来る。もちろん条件が一致すればだが、そこで下地を作れと言うことだ。
「確かにそれなら、ヴァンの旦那のことだ、すぐに数をこなせるだろうよ、まあ、早くて1年と言ったところかな。Sランクに昇級できるのは。」
ギルマスグランの話に納得したアスラがそう話した。
「で、ただAランクに上がるんじゃあこの功績はもったいない。そこでなんだが、、、。」
領主であるウラドが話す。その話をその場にいるみんなが聞いて頷いた後一斉に俺を見た。
苦笑いをして、肩を竦めた後に俺はその話に乗ることにした。




