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序章第二節

 遥か昔のこと、この地には多くの人種や種族が暮らしていた。天災や争いといった物はたびたび起こっていたが

平和に皆が暮らしていた。しかしある日その平和が崩れ去った。敵が現れたのだ。

 敵はこの世界を手中に収めようとしてこの地に降り立った。彼らは大地を汚し、森を焼き払い、山を削った。

彼らは奪った土地でひどい圧政を敷き、古くからその地に根を下ろしていた者達はそれに苦しんだ。だが、そんな暴虐非道の敵を討つために、当時の王達は反旗を翻した。

 王達は圧倒的な数の兵を用意した。しかし敵は、僅か数人で数万のもの兵達を殺した。それはまさに蹂躙といってもよかった。

 王達は敵との戦いに敗れそうになった。だがその時、突如王達に味方する者が現れた。

それが魔人たちだった。彼らは王達や、その臣民に力を与え知恵も与えた。そしてついに、この大地を取り戻すことに成功したのだった。

 しかし、侵略してきた者達は最後にこの地に月を落とそうとした。当時の王たちは戦いに疲弊して、ついぞ打つ手がなくなった。

人々が世界の終わりだと絶望する中、魔人たちは己の命を懸け落下する月を止めたのだった。かくして世界は救われ、生き残った者たちは

魔人たちを英雄と呼び、彼らの散っていったこの地を聖域として、この地を守っていったのだった。






「儂は当時の魔人たちに協力して戦ったのだ。当時は種族に関係なく、力と知恵のある者たちが戦ったのだ」


 太陽が隠れた事で既に周りは暗く、森が夜の中に隠れる頃、ファフニールはこの世界のことを話した。その話をしてい居た彼はとても懐かしそうに、

それ以前に話すこと自体が久しぶりのようで、とても饒舌に丁寧に話してくれた。しかしその話の中では、何故俺がここにいるのかの説明がされていなかった。

いろいろと気になる事が出てきた俺は、それが知りたくて質問する。


「なるほど、、、俺はいったいだれなんですか?」


「お前はその魔人達、正確には魔人の女性が身籠っていた赤子なのだ。」


「赤ん坊!?今の俺は赤ん坊ではありませんよ!俺自身はもう成長していますけど!?」


 ますますわからなくなってくる。その女性の赤ん坊が今の俺だとして、一体どうして成長した姿で今ここにいるのだろうと混乱してた。

 頭を抱えていると彼は答えてくれた。


「お主の母親は最後の決戦で重要な立場にいた。世界を守るために、その命を捧げなくてはならなかったのだ。

お主はその母親の力で守られ儂のこの体に根付いた木の中で成長し時間が止まったのだ。」


「俺が木の中で。」


 今その気迫ら(←「気迫る」が何のことかわかりません)や藻の中でも淡く光っているように見えた。蛍なのか虫なのか分からないが、小さな何かが無数に光っていた。

それを見るだけでもただの木とは思えず、とてもきれいで安らぎを覚えた。


「事情は分かりました。俺がこの木の中で育ったというなら、なんで一万年もの間眠っていたのですか?そして記憶です。

俺はこの世界とはまた別の世界での記憶も持っています。俺がこの世界に転生したのは事実です。それがなぜこの体に転生したのか。」


 そう、この木に赤ん坊がいて成長したと言うのなら、そこには、この体の元の持ち主の魂が宿っていたはず。にも関わらず俺はこの体を今、自由に動かせる。

そうすると、元の魂はいったいどこに行ったのかと疑問に思った。


「それについては儂もわからない。本当は数年で目が覚めるはずだったのが1万年もの間眠り続けていたのだ、そこに原因があると儂は思っている」


 ファフニールはそう言うが、結局何が起こったのかは分からない。もしかしたら俺はこの体の持ち主だった魂を消してしまったのかもしれない。(原文の意味が良く分からなかったので文脈に合わせた文章を一から作りました)

 俺がこの体を乗っ取って代わりに生きていることに罪悪感を覚える。俺は元の持ち主を殺してしまったのではないか。そんな俺の考えをファフニールが察して声をかけてくる。


「理由までは分からないが、今こうしてお前は生きている。この先も生きてゆくのだろう。」


 その言葉を聞いて俺は改めてこの体の持ち主に謝罪をした。ごめんなさいと謝った。それに何の意味があるか、ただの自己満足でしかないのだがそうせずにはいられなかった。


「分かりました。俺は生きます!元の持ち主に恥じないようにこの世界で生きていきます!!」


 改めて強く決意する。しっかりとこの体で第2の人生を生きようと誓った。そうすることで俺は俺自身を許せるような気がした。


「うむ、ではまずはこの森で学ぶがよい。世界は広いが、その分とても危険だ。先ずは自身の命を守れるくらい強くなるのだ。儂も協力しよう。」


 ファフニールは俺の決意にそう応えてくれた。その声を聴いて幾分か気が楽になった俺は頭を下げた。このドラゴンが力を貸してくれるというだけで、とても心強く思えた。


「そうと決まれば、まずはお前の名前を決めねばならんな。」


 そう言ってファフニールは俺を見た。真剣な表情に思わず身が固くなる。名前。前世での記憶の中に俺の名前の記憶はない。ならば新しく自分の名前を決め、

この世界で生きていく第一歩を踏み出そう。どんな名前がいいか、いろいろと考えていると。ファフニールは「名前なら決めている。」と答えた。


「お主の名は、お主の母から預かっていた。もし生まれ落ちたならその名前を付けてくれと頼まれたのだ。」


 ファフニールは優しげに、しかしどこか悲しげな声で話してきた。恐らく当時の事を思い出しているのだろう。俺は思わず、ファフニールと俺の母親の関係はとても深いものなのでは、と考えてしまった。

 改めて俺は姿勢を正してその言葉を待った。


「ヴァン、お前の名だ。ふふ、ようやく約束が果たせた。」


 そう言って俺にヴァンという名をくれた。


「ヴァン、、、。」


 どこか懐かしい響きを持った名だった。俺はまるで今までもずっとその名で呼ばれていたかのように、違和感無くその名を受け入れられた。きっと俺の魂ではなくこの肉体が、

母親の中にいた時からそう呼ばれていたのだろうかと考え納得する。

 この名前と名をくれた母親。そして目の前にいる老いたドラゴン、ファフニールに誓った。俺はこの世界でしっかりと生きていきます。

 そう誓って、巨木を見上げる。そこには無数の光たちが夜空の星よりも眩しく、そして美しく輝いていた。


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