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序章第十四節

「どうやら話し合いはついたようだの。」


 飛行船の下では少佐ともう一人、現地人だろうか?と話をしているようだ。その話し合いが両方の武器を収めるといったのが見えた。

 

「さてさて、一体どうなっているのか。まったく、予定道理には進まないの。」


 今回の任務はいろいろと不審な点が見られた。ましてや、私が現役を復帰するとゆうこと自体異例な事態だった。

 なんでも、人手が足りないからと艦長経験のある者がいないとのことで軍へ復帰していた。


「やはり、何かおかしい、、、、。」


 長年軍属として、国のために働いてきたが、ここ近年の政策は嫌なものに変わりつつある。

 国内でもいろいろと不穏なうわさが飛び交っていることが最近では多い。これでいいのかと思いふけっていると


「艦長!後方から友軍が接近中です!!」


 見張りの兵士から連絡を受ける。それを聞いて嫌な予感がする。

 もともと、この任務は極秘扱いで一部のもの以外は知らないはず。だと擦れはその友軍の飛行船の目的は、、、、、!


「舵を取れ!!面舵!!!」


 ズドオオオオオンン!!!


 衝撃、船体が激しく揺れる。飛び交う兵士の悲鳴が聞こえる。

 遅すぎたのだ。と思った時はもう地面へと向かって落ちていた。






「これはひどいな、、、。」


 目の前にはヴァンともう一人女性が横に眠っていた。ヴァンが仰向け、ケガ押している女性はうつぶせに眠らされていた。

 近くには私とファフニール様そして彼女をここまで担いできた兵士1名だった。


「ファフニール様、ヴァンは助かりますか?」


「ふむ、、、。」


 難しい顔をしているのが見えた。ファフニール様でさえ、簡単ではないとすると。もしもが起こってしまうのではと血の気が引く思いだった。

 暗闇に落ちていくような感覚が全身を襲ったのだ、失うと心が爆発しそうになる。


「助ける方法はある。」


「え?」


 それを聞いて顔を上げるとファフニール様は私を見ている。


「ファナよ、ヴァンと助けるためにはお主が必要だ。」


「わ、私ですか?」


「そうだ、ヴァンお助けるために力を貸してくれ。」


 ファフニール様は私の力を貸してほしいと言ってきた。


「はい!何でもしますですからヴァンを、、。」


 即答していた。ここの生活で私はヴァンにたくさんのものをもらい生きていくための力をもらった。だから今度は私が陣に挙げる番だとそう思ったのだった。


「うむ!」


 満足そうにうなずくとファフニールは話し出す。


「ヴァンは今呪いを受けている。これはお前がここに来た時と同じ呪いだ。それを解呪しなくてはならないのだが一つ問題がある。」


「それはなんですか?」


「この呪いはヴァンにしか解けないとゆうことだ。もしくは同じ力を持った者にしか解くことはできない。そこで、ファナここでお前の力が必要だ。」


「はい、何でも言ってください!」


「ファナよ、お前のすべてをヴァンに捧げられるか?」


 と聞いてきたファフニール様、捧げる?全てを??それは私の命や体といった物なのかと思案し少し恥ずかしくなった。

 だがここでいいえと答える気にはならなかった。むしろ望むところであるためは私、、、。


「はい、私の全てを捧げます。この命はヴァンに救ってもらいました。ですからこの命はヴァンのために使いたいです!!」


「分かった。ではお主にはヴァンと主従契約を結んでほしい、そうすればお主にも解呪の力が宿るはずだ。」


 主従契約、それは命と命をつなぐ魔法それによりお互いの力を使えることができるとゆうものだった。そしてそれは相性の良いものでしかできないとゆう。

 少なくとも、私とヴァンは相性がいいとゆうことなのだ。それが私は嬉しかった。


「では、始めるぞ!ヴァンの上に覆いかぶさるのだ、その時、肌と肌が密着すればするほどいい。」


「わ、、分かりました、、。」


 そうして私は上半身裸になる、、頬が赤くなり鼓動は跳ね上がっているしかしこれでヴァンが助かるのならと彼の体に覆いかぶさる。


「ほれ、そこの人間、そこに居れば巻き込まれるぞ。」


 一人、ここに場違いと言わんばかりの兵士一人、ファフニールを見てから、一向に動こうとしなかったが今の一言で我に返ったようで


「は!はいっす!!」と直立不動になり回れ右の状態で固まる。それを確認したファフニールは呪文を唱え同時に魔力が辺りを支配するように渦巻き始める。


「全てのマナは一つ、全ての真名は一つ、全ての愛は一つ、ここに聖約を契約を結び、、、、、」


 渦を巻く魔力はやがてヴァンとファナへと収束していく、輝きが二人を包み込んでいく。

 

「さて、仕上げだ、、。」

 

 ファフニールは、おもむろに爪を立て、己が胸に突き立てる。その行為に痛みも公文もない表情で胸部を開いてその中にある緑輝くものを取り出す。


「これで、われの役目も終わる。」


 取り出したそれは、やがて、光の粒のようになり二人の元へと飛んでいき、やがて蒼く輝きだしたのだった。






 (温かい、、、。)

 

 最初は、肌をさらし密着することをためらっていたファナだが、心地良さを感じていた。

 

(ヴァンの心臓の音、私の心臓の音と、重なっていくみたい。)


 お互いの心臓の音が混ざり合い一つになっていく。

 ファナはその音を聞いているだけで心が安らいでいくのを感じた。ファナにとって心から信頼し安らげる場所とゆうものは以前の暮らしでは得ることのできないものだった。

 だから思う、私自身の居場所を、大切な存在をこれからもずっと一緒に居たいと。

 

(私の居場所を私の大切な人を、今度は私が救う番、だからお願い!!!)


 今はただ、深く願うだけ、それしか私には何もできない。






 暗い闇の中、そこに俺は漂う、何もなく何も聞こえない。以前にも同じようなことがあった気がする。しかし記憶になく考えることも出来ずに意識は闇の中へ溶けていく。

 自分が自分でなくなる感覚を全身で感じている。俺は死んだのか?とそれ以降考えも言葉も感情も浮かんでこなくなっていた時。

 一条の光が俺を照らし出す、光の中から声が聞こえる。

 

【ヴァン!ヴァン!!!】


 その声に、俺は聞き覚えがあった。

 引っ込み思案で、まじめだが融通が利かない。一人ですべてを押し込めて、夜一人肩を震わせているような寂しがりなあいつ。

 

(そうだな、俺はまだここに来るべきではない少なくとも今はまだ始まってもいない。)


 目を開くと、目の前の光から手が差し伸べられる、俺はその手を迷わずつかみ取る。瞬間、周りは光輝き景色が変わった。

 一面の空、雲があり太陽があり、そしてどこまで持つ続く青い空が広がっていた。

 その眩しさに目を細めるが、手に感触があるそれを見ると、赤い瞳が俺をまっすぐ見ている。


「ファナ!」


「ヴァン!」


 お互いが、名前を呼び合い引き寄愛身を寄せ合う。


「ばか!ヴァンのバカ、、、。」


「すまん。」


 腕の中で泣いている。今度は恐怖や寂しさからの涙ではなく、喜びに満ちた涙がファナの頬を流れる。


「もう、勝手にいかないで、私は絶対に離れないから。」


「わかった、約束するよ。」


 そうして、俺たちは光に包まれ、それが収束し一点へと浮かび上がる。

 その光が輝きを増すと、影が映し出された。ファフ爺だ。

 

『どうやらうまく行ったようだな。』


 そう言って、安心して此方をのぞき込んでいるの。



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