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もふもふとハムくん(仮) 2

「…さて。

もふもふと…名前がないから、ハムくんって呼ぶね。

2人が良ければ、ハムくんもうちで一緒に住む?

あ、でも穴の中が良ければそのままそこでもいいんだけど…」

<キュッ!>

<キュ?…キュッ!>

嬉しそうな2人を見て、ハムくんもうちに住むことになったんだろうと思う。

…ハムくんの食べ物調査もしないとダメかな?


「ただいま」

<キュイッ!>

<キュッ!>

家に帰って来ると、2人はリビングにある机で話し始めた。

どうやら、移動方法はもふもふの上にハムくんが乗るらしい。

ハムくんの食べ物調査は、もふもふの時よりもきちんとやらないとダメそうな気がしたので、俺のお昼ご飯と共にいくつか作ってみることにした。


まず、簡単なものから。

食パンと牛乳、砂糖でミルクパン粥のようなものを作って出してみる。

きっと、反応はもふもふが見てくれるから俺はお昼ご飯作りへ。

今日は確かパスタがあったから、ピリ辛野菜パスタとかにしようかな。

キャベツや白菜、きのこにベーコンを出して、それぞれ切って炒める。

具材がしんなりしてきたところでパスタを茹でるけど、気になったので後ろをちらっと確認する。

<キュッ!>

<キュ?…キュー!>

…楽しそうでなにより。


茹でたパスタと野菜を混ぜて、盛り付ける。

最後にラー油をかけたら完成。

ピリ辛になってるといいな、野菜パスタって感じ?

ほかほかのそれを持って机の方へ行くと、すっかりパン粥が終わっていた。

もふもふの口周りに牛乳の跡がついていたから…飲んだのかな。

キュッキュと楽しそうに2人で会話をしていたから、多分どっちも気に入ったんだと思う。

それは良いんだけど、俺のお昼のパスタにまで視線が注がれているのは少し困る…。


どうしようか、と悩んだ後、半分に折ったパスタを使ってもふもふとハムくん用に作ることにした。

いっそ、自分のパスタは冷めても仕方ない…!

背中に強い視線を感じながら、パスタを作り終える。

辛いのがどこまで平気か分からないので、ラー油は少しだけにしておいた。

もふもふがダメそうだったら、ラー油のかかってないところをあげよう。


「もふもふ、ハムくん。

ピリ辛野菜パスタなんだけど…もし苦手だったら残して良いからな」

<キュッ!>

<キュー>

俺がいただきます、と手を合わせている間に2人は食べ始めていて、見る方に集中してしまう。

ハムくんはなんでも食べるのか、辛いところも普通に食べ進めている。

…と、いうより辛いのがお気に入りみたいな感じがする…。

もふもふに視線を移すと、少し辛いだけなのが良かったのか、楽しそうに食べていてホッとした。

このくらいの辛さが大丈夫なら、他にも食べられるものはあるかもしれない。

そんなことを思いながら、冷め切ったパスタをのんびり食べ終えた。

…ラー油をかけすぎたのか、辛かった。


食後にはやっぱり甘いデザートがいいだろうと焼きバナナのチョコソースがけを出した。

もふもふはチョコソースが好きらしく、白い毛を真っ黒に染めながら幸せそうに食べていた。(ぺろっと1皿分を食べ終えて、おかわりは?と言うように鳴いていた)

ハムくんはというと、バナナのぐにゃっとした感じが不思議なのか、てしてしつつきながら食べていた。

…のんびり食べてると、隣に狩人がいるから取られるぞ。


俺はかなりお腹がいっぱいだったので、冷蔵庫から出したお茶を飲みながら2人を見ていた。

…もふもふがキョロキョロしていたから、果物の場所を見つけたら食べるかもしれない。

その辺もきっちり仕舞っておこうと心に決め、2人が食べた、デザートの皿を洗って片付けた。


まだお昼過ぎなので、外を散歩するか何かしても…と思って外を見たら、さっき予想した通り雨が降り始めていた。

まだ土砂降りというほどではないけれど、これで外に出るのは厳しいかもしれない。

家で何か出来るものは…と、考えながらもふもふの方を向くと、外を見て固まっていた。

何かあったかと思ってもう一度見るけど、変わらず雨が降っているだけで。

何が原因か分からないので、とりあえず顔の前で手を振ると、その手をガシッと掴んだ。

そして、こちらに泣きそうな顔をしながら視線を向けてくる。

……もふもふは、雨が怖いということらしい。


これで雷でも鳴ったらどうなるんだろう、と思いつつもふもふの羽や頭を撫でる。

すると、もふもふの隣にいたハムくんももふもふを撫で始めた。

<キュッ!>と鳴いて撫でている様子は、僕がいるから大丈夫!と言っているようだった。

微笑ましい光景を見ながら、ホットミルクでも作ってあげようと器とコップを出す。

温かいものを飲むと、心も落ち着くだろうから。


そうしてしばらくすると雨は止み、外には虹がかかっていた。

その光景を2人に見せたくて、手の上に乗せて窓へ近づく。

さっきまで雨に怖がっていたもふもふは、綺麗な景色に上機嫌だった。

虹を初めて見たらしいハムくんも喜んで、キュッキュ!と嬉しそうな声をしていた。


そういえば、と時計を見ると、針は3時を指していた。

おやつはさっき食べたし、外は雨が上がったばかりで濡れているし…。

少し悩んだ末に、もふもふとハムくんをお風呂に入れてしまうことにした。

少し…というかかなり早いけど、後になって面倒くさくなってしまうよりは良いだろう。

2人にそれを話すと、もふもふは喜び、ハムくんは不思議そうな反応だった。

その後、2人の会話が聞こえてきたからもふもふがお風呂を教えているのかもしれない。


2人がお風呂に入って来て、ドライヤーで乾かした後。

もふもふは前と同じくもっふもふに。

そして、ハムくんは……。

もふもふふわふわになった。

そんなに毛の量が多くないし、サラサラになるくらいかと思っていたけど、もふもふふわふわになった…。

予想を超えた毛並みをもふりながら夕飯のメニューを考える。

手はハムくんのもふもふで、肩はもふもふがいるので、とても幸せな気分だった。

これはメニューとか考えていられない。


仕切り直して、机の上で2人を遊ばせておいて1人でメニューを考えることにする。

今日の食べ物調査で、もふもふがうどんを食べられそうなことに気がついたから美味しい月見うどんにしようか。

メニューが決まったので、早速作り始める。

うちの月見うどんは、普通の素うどんにかまぼこと卵が入っているだけの簡単うどんだった。

ほとんど素うどんのそれを、小さい頃の俺は兄と喧嘩し合うように食べていた…らしい。

小さな頃の思い出を思い出しながら、簡単なそれを作っていく。


「…よし、出来た。

もふもふとハムくんのはこれによそって…と」

うどんはもちもちしている上に太いので、パスタの時より小さくカットして出した。

卵とうどんを2人が気に入ってくれるといいけど…。

いただきます、と手を合わせて食べ始めると、もふもふとハムくんの熱そうな声が聞こえてきた。

…忘れてた。

「もふもふ、ハムくんごめん。

このうどんはものすごく熱いから、少し冷ましてからの方がいいかもしれない…」

そう言うと、2人はふーふーすることを覚えたらしい。

自分で冷まして食べ始めた。

もふもふなんて、途中で風を起こそうとしていたから慌てて止めた。

ここで思いっきり羽ばたくと羽が入っちゃうかもしれないし。


思い出と共に作ったうどんは、温かくて、優しい味がした。

俺がうどんをのんびり食べている間に、もふもふとハムくんは2回ほどおかわりをしていた。

もふもふならわかるけど、ハムくんの体のどこにそんなにうどんが入っていくのだろうか…。

今日一番の疑問だった。


もふもふとハムくんに二階で先に寝ているように言って、お風呂に入る。

…あ、お風呂と言えば、バスボムのようなものも良いかもしれない。

可愛い色のものもあるし、もふもふたちに悪い影響がなさそうなものを今度買って来よう。


髪の毛を乾かして二階に行くと、いつもの部屋でもふもふとハムくんが寝ていた。

もふもふはいつも通り丸まっていて、ハムくんはその上ですぴすぴ寝ていた。

可愛い寝方だな、と思いながら布団に入って寝た。

明日はいい天気だといいな、と願いながら。

ハムくんが正式にうちの子決定しました…!

そして、いつのまにか(仮)が取れたという。


2人になったもふもふたちをよろしくお願いします。

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