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佐藤さんのお家訪問 3

「佐藤さん、もしこの後も時間があったらなんだけど……」


ふわっふわになったもふもふたちと共にリビングに戻ると、2人の目が輝いた。

「もふもふだ!」

「うわあ…すっごい…」

「みゆちゃんが寝ちゃったついでに、もっふもふになったもふもふたちを見せたいと思ったんだけど、どうかな?」

「もふもふー!」

「すごいね、佐渡くん…。

ハムくんがもふもふになってるよ…」


そう、普通のハムスターみたいに見えるハムくんは、濡れた後ドライヤーで乾かすともっふもふになる。

触り心地も最高で、さっきからみゆちゃんがとろけそうな顔をしているくらいだ。

「もふもふー…もっふもふ…」

「佐藤さんも、触って来たら?」

「え、で、でも…」

「もふもふ、こっち見てるよ」


ちらっと佐藤さんがもふもふの方を見ると、もふもふの目がキラン、と輝いた。

「うう…」

そして、まだ迷っている佐藤さんの肩に飛んできた。

「…!うわあ…!」

首をふわっと撫でる感覚に、感動したような声を上げる。

「どう?」

「予想以上にふわふわ…。

なんか、ふわふわしてるだけじゃなくてしっとりもしてるような……」

「それは、ブラッシングのおかげかも。

もふもふたちが気持ちよさそうにするから、毎日やるようになったんだよね」

「ブラッシング…!」


もふもふの頭を撫でていた佐藤さんが、キラキラした目で見た。

やりたい、と目に書いてあるようで。

「ちょっと待っててね」

もふもふ用に買ったブラシと、ハムくんに試そうと思って買った新しいブラシを持ってくる。


「はい、佐藤さん。

もふもふ用のブラシだよ」

「い、いいの…?」

「もちろん。

もふもふが気持ちよさそうなところを重点的にやってあげてもらえる?」

「…わかった!」

ブラシを受け取った佐藤さんは、そっともふもふの毛をとかし始める。

もふもふも楽しそうにしているから、多分大丈夫だと思う。


次に、もふもふほわほわ…と幸せそうにしているみゆちゃんの方へ行く。

たくさん撫でられて幸せそうにしているハムくんに安心しながら声をかける。

「みゆちゃん、ちょっといいかな?」

「うん、いいよー。

ハムくんもっふもふで可愛いね…」

「そのハムくんなんだけど、このブラシを使うともっと可愛くなるかもしれないよ」

「そうなの?!」

「使ってみないと分からないけど、きっとね。

ちょっとハムくん借りるね」


まずは俺が試してみてから、とハムくんにブラシを当ててとかしていく。

ふわふわだった毛がサラサラに近くなって、つやつやとしてきた。

…これは正解なのか、どうなのか…。

そのまま続けていくと、つやっつやになって、ちょっと面白い見た目になった。

「……えーっと…」

「ハムくん、つやつやだね…」

「うん、そう、だね…」

ハムくん自身は嬉しそうなので、これはこれでアリ、なのかもしれない。


「佐渡くん、もふもふちゃんのブラッシング終わったよー」

佐藤さんの声に振り向くと、佐藤さんももふもふも自慢げな顔をしていた。

…佐藤さんは分かるけど、なんでもふもふも…?

そう思っていると、佐藤さんが説明してくれた。

「私、もふもふちゃんと仲良くなったんだよ。

たくさんお話して、芸まで披露できるようになったんだから!」

「…芸?」

「見ててね!」

と、佐藤さんが言うと、肩に乗ったもふもふが後ろを向く。

その間に、佐藤さんが片手に飴玉を入れて手を閉じる。

そして、もふもふが前を向き、佐藤さんの手をポン、と叩く。

開いた佐藤さんの手には飴玉が。

「以上、飴玉当てでした!」

<キュイッ>


よくある手品ではあるけれど、俺はもふもふにそれを見せたりしたことはないし、完璧にこの場で初めて披露されたものだった。

「お姉ちゃんともふもふ、すごーい!

ねえねえ、他には?」

「えっとね…」

「すごいな、もふもふ」

驚かせてくれたお礼に、いちごをあげる。

その際にも佐藤さんからアドバイス?があって、もふもふは投げた果物をキャッチ出来るようにもなったとか。

やってみたら、本当に飛んでキャッチしていた。


「…それにしても、どうやってもふもふにこんな技術を覚えさせたんだ?」

「それはね、簡単だよ」

もふもふの頭を撫でた佐藤さんは、もふもふのおやつ用に出していたラズベリーを1つ取って手に乗せた。

それを、もふもふが寄って行って食べる。

同じく手にラズベリーを乗せて少し高めに手を置く。

もふもふが食べる……と、これを繰り返していたらしい。

「なるほどな…」

さっきのもふもふが自慢げだったのは、おやつをたくさんもらったのもあったのかもしれない。


時間はすっかり遅くなり、外も真っ暗になっていた。

流石にこの時間に帰すわけにいかないので、申し訳ないが彼女たちの親に連絡してもらって泊まりということにする。

みゆちゃんはもふもふたちと寝れるととても嬉しそうだった。

…佐藤さんは少し申し訳なさそうで。

ご飯もお風呂も、寝る場所もなんて、と言っていたけれど、この時間まで家に居させてしまったのは俺の方だし、謝罪は受け取らなかった。


3人ともふもふたちだと、二階のいつもの部屋ではちょっと狭いので、一階に布団をひいて寝ることにした。

「ここで寝るの?!」

「そうだよ。

歯磨きして、みんなで寝る場所を決めようか」

「はーい!」


みんなでワイワイ歯磨きをして戻って来ると、もふもふの姿がなかった。

みゆちゃんは不安そうに探しているけど、俺にとってはいつものことだから、大丈夫だよ、と落ち着かせる。

もふもふたちは人にトイレを見られたくないらしく、こうして姿を消すらしい。

それを説明すると、みゆちゃんは「不思議ー」と笑っていた。


「もふもふちゃんたちって野生にもいるのかな」

「ああ、どうなんだろう…」

「やせい…って外にいること、なんだっけ?」

「そうだね、そんな感じかな?」

「外にももふもふたちがいたらいいのになー…」

「そしたら、毎日幸せそうだね」

「毎日もふもふに囲まれての生活……って、佐渡くんはいつもそうなんだっけ、いいなー…」

「佐藤さんもみゆちゃんも、たまに遊びに来たらいいんじゃないかな?」

「いいの?

遊ぶー!」

「それ、いいかも…!…あ、でも、迷惑じゃない時に行くからね!」

「うん、分かったよ。

とりあえずは明日また来るんだよね?」

「…あ、うん、そういえばそうだった……。

明日ももふもふと戯れられるなんて…!」

「みゆも、来ていい?」

「もちろん。

2人でまた来てね」

「…!うん!」


その後、みゆちゃんが寝るまで3人でお喋りをして、楽しい気持ちのまま眠った。

お家訪問編、終わりました!

次は料理回…ですかね?

お楽しみに…!

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