【番外編】クリスマスSS~七海家でのクリスマス会~前編
何故か今めちゃくちゃ読んでいただけているようなので、ちょっとリハビリを兼ねて感謝のSS投稿です。(短くてすいません)
ヒーターが壊れたおかげで部屋が寒すぎてPCに向かってられないので前後編分けての投稿とさせてください……
「クッリスッマスー!!」
「うおぁ!!」
急な大声で飛び起きた。敵襲か?
「小兄!! クリスマスだよ!!」
「え、ああおはよう。クリスマス?」
寝起きで頭がちゃんと回っていない。とりあえず声の主に朝の挨拶を返して周囲を見回す。うん、やっぱりここ俺の部屋だよな?
「光さん。ご近所迷惑になりますのであまり大声は……あ、小兄様。おはようございます」
「あれ亜咲? おはよう……で、これどういう状況?」
徐々に冴えてきた目と頭を働かせて状況の把握に努める。どうやら開口一番の大声は光、続いて亜咲が俺の部屋に入ってきたと。うん、なるほどなるほど。いやなんで?
「っていうかお前らどうやって入ってきたの?」
「もちろん玄関からです」
「うわマジか。俺鍵閉め忘れてたのかよ……」
「いえ、ちゃんと閉まってましたよ」
「え?」
ならなんでキミ達は俺の部屋にいるのかな?
「なのでこの鍵で」
「いやおかしいやろがい」
なんで亜咲がうちの鍵持ってんだよ。いくらなんでも俺合鍵を渡した覚えないぞ。
「要さんに小兄様の家に行くと言ったら渡してくれました」
理解した。いや理解したけどそんな簡単に他人に渡されたら俺のプライバシーとかそういうのガバガバにならないか?
「だって小兄が全然起きないから、おばさん何回も電話したって言ってたよ?」
「え? うわほんとだ」
着信履歴を見ると要母さん、ナツ、ヒナからの着信がいくつも並んでいる。時間を見ればそろそろ正午近い時間だった。
「あー、俺そんなに寝てたか。悪い、急いで準備するわ」
「あちらの準備はほとんど終わってますので、そこまで急がなくて大丈夫ですよ」
「ごめんな。じゃあちょっとリビングで待っててくれ」
光と亜咲に断りを入れて、服を着替えるべくタンスから着替えの服を取り出す。うーん、服装どうすっかな……まあいつも通りでいいか。
十二月ともなれば流石に昼近いとは言え寒さが残る。まだ温もりの残るスウェットを脱いで私服に着替えようと……待て、この流れは記憶にあるぞ?
「いやなんでまだいるんだよ」
「こちらのことはおかまいなく」
「おかまいなくー!!」
「かまうわ!! ほらとっとと出てけ」
無理やり二人を部屋から追い出す。男の着替えなんて見てもなんも嬉しくないだろうが……締め出したドアの前からも人の気配が消えたことを確認し、とっとと着替えることにする。ただでさえ寝坊してるのにこれ以上遅れたら何言われるかわからないしな。
着替えを終えて洗面所に向かい、歯を磨いて顔を洗う。冬場の水は必要以上に冷たくて一気に目が覚めた。濡れた顔を手元のタオルで顔を拭いて……あれ? 俺タオルなんて用意したっけ?
おそらく亜咲だろう。俺が顔を洗うことを先回りしてだろうけど、相変わらず気遣いが凄いな。
「お待たせ、じゃあ行くか」
「早かったですね」
「まあただでさえ遅れてるしな。あ、洗面所のタオル用意してくれたの亜咲だろ? ありがとうな」
「いえ、洗濯物を漁るついででしたので」
「お前なにしてんの?」
前言撤回。ただの変態だったわ。
「あ、小兄様。髪が跳ねてますよ」
と言ってこちらに手を伸ばし、頭を撫でるように跳ねた髪を整えられた。急に距離を詰められて振り払うわけにもいかず、されるがままとなっているがそんな近づく必要あるか?
「あー、小兄が亜咲ちゃんにデレデレしてるー。夏希ちゃんに言っちゃおー」
「おいバカやめろ。デレデレなんてしてないから」
それ絶対俺が怒られるやつじゃん。マジでやめろ。
「っていうか亜咲ちゃんばっかりズルい!! 私も!!」
今度は光が後ろから抱き着いてくる。いや待て俺遅刻してるんだって!! ほんとそろそろ怒られるって!!
どうにか光を引き剝がし、七海家へと向かい始めたのはちょうど正午を過ぎてからのことだった。
後編は仕事サボって日中書きます。午前中は打合せあるから昼から書きます!!




