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幕間〜大輝と小吾〜

夜勤中にバリバリ仕事してるフリして続きを書く外道。

短めなのは投稿出来るうちに投稿しないと家に持って帰るの厳しいからとご理解ください……

「まあ上がれよ。テレビのリモコンはそこにあるから、なんならテレビでも見てて待っててくれ」

「あいよーっと」


 何故か我が幼馴染様に「彼氏になって!!」と唐突な告白(?)を受け、騒然とした放課後を乗り越え、逃げるように帰路についた俺達はいったん解散し、後程俺の家に集まる事となった。

 ちなみにナツからの誘いについてはいったん保留しておいた。そりゃそうだろう。あんなやけくそ気味に彼氏になれ、だなんて言われて、はい分かりました。とはいかない。


 言い方を選ばずに言えば"虫除け"としての効果はあるだろう。だがそこに光と亜咲が入ってくるものだから、もはやクラスでの俺の居場所はない。というか明日からの事を思うとなかなかに辛いものがある。


 ナツの言っていた夕食を一緒に、というのは俺だけではなく、大輝、光、亜咲も交えてとの事だった。

 昨日のお礼をしたいと要母さんが言っていたそうだ。

 俺自身はそんなに気を使われる必要はないと思っているが、三人はあくまでも厚意によって協力してくれたわけだし、俺からもちゃんとお礼をしたいとは思っていた。


 なので光、亜咲はいったん帰ってから着替えて来るとの事で校門で解散し、俺、ナツ、ヒナ、大輝の四人で帰路に着いた。

 大輝は別に着替える必要もないとの事だったので、ナツとヒナを家まで送ってからこうして二人で俺の家へ、というのが現在の状況だ。


 その大輝をリビングに放置して、俺は自分の部屋に戻り、制服から私服へと着替える。夕食を、という事で出かける事はないと判断したので、Tシャツにカーゴパンツといった服装だ。これなら最悪出かける事になっても特に問題はないだろう。


 着替えを終えた俺はリビングに戻り、ソファに腰を掛けてテレビに目を向ける。

 とは言っても夕方のこの時間だとほとんどがニュースやワイドショーであり、特に目を引かれるような番組はなかったが。


「大輝」

「んあ? なんだ急に?」

「昨日はありがとうな。本当に助かった」


 アレは本当にギリギリのタイミングだったと思う。みんなの助けがなければ俺は無事ナツを助けられたかどうかすら怪しかったのだから。


「改まって言われると照れるな。まあでもアレくらいなら小吾一人でも問題なかったろ?」

「ただぶちのめすってだけならそうかもしれないが、ナツを守りながらってなるとちょっと自信はないし、少なくとも余裕はなかったと思う」


 光と大輝が上手い事露払いしてくれたから事なきを得たが、俺一人だったら最悪一人くらいは二度と動かなくしていた可能性はある。

「ま、今更礼を言われるような間柄でもないだろ。今度困った事があったら助けてもらうさ」

「お前が困るような事態に俺が役に立つとは思えないけどな……」


 せいぜい女子生徒達に囲まれているところに乱入して蹴散らすくらいだろうか。それなら俺でも出来る気がする。ただしそうなった場合には本格的にクラスでの居場所はなくなりそうだが。


「それはそうと小吾」

「ん?」


 少し声のトーンを落として俺に問いかけてくる大輝。どうやら真面目な話のようだ。


「やっぱりお前のその眼は……」

「……ああ、これか」


 そう言って左眼へと手を伸ばす。いつ聞かれるのかとは思っていたが、どうやら今の内に聞いておきたいらしい。


「みんなが集まってから話そうとは思ってたんだけどな。今話さないと駄目か?」

「いや、詳しい事は後で構わないんだが。そのなんだ、何か身体に影響とかはないのか?」


 大輝は大輝で俺の事を心配してくれているのだろう。もしかしたら俺がこの左眼を手に入れた原因が自分達とでも思っている節まである。


「普段は特に何の問題もない。夜になったら痛む事が多いけど、日によってまちまちだしな。まあ奇跡の代償としては安いもんだろ」

「すまない。俺達がもっと——」

「バカ言うな。それこそ俺なんて最後の最後まで大して役に立てなかったんだぞ? そんな事で謝られたら俺なんて何回謝ったら良いんだよ」


 なんだかんだで真面目なんだよなぁコイツも。普段は結構やる気なさげにしてるし、人付き合いは無難にこなすから淡泊な印象を受けるが、きっと根っこのところは暑苦しい奴なんだと思う。


「そうか、なら感謝しておく事にするさ。それにしても――」

「おいおい、あんまり近付くなよ。俺にそんな趣味はないぞ」


 大輝が俺の左眼を覗き込むように顔を近付けてくる。

 コイツの整った顔でこんなにも近付かれては女子ならたまったもんじゃないだろうな。と思うが、あいにくと俺にはそんな趣味はない。


「今は普通なんだな」

「何もない時はホント普通なんだよ。痛みもないし、赤く光る事もない」


 大輝は興味があるのか、まじまじと俺の左眼を見てくる。


「あんま近付くなって、気色悪い」

「まあまあ、どうなってるのか気になるんだよ。おい小吾、逃げるなって――」


 思わず後ずさった俺を逃がすまいとして、俺の両肩を掴む大輝。あれ? この構図ってどこかで……


「ちわー!! 小兄来たよー!!」

「お兄ちゃんただい――ま……」

「しょうちゃん鍵開けっ放しだった……よ?」


 ――ああなるほど、こうなるわけか。これはナツを責めるわけにはいかないな。


「小兄様、大兄様。もしかしたらと思ってはいましたが、本当にそうだったとは……いえ、大丈夫です。私は小兄様がどんな性癖だったとしても受け入れ――」

「待て待て待て待て。とりあえず話を聴け。そんでもって大輝は今すぐ離れろ」

「どういう事だ? まあみんなも来たし、続きは後でも構わないが」

「火に油を注ぐような言い方するんじゃねえ!! お前やっぱバカだろ!! バーカバーカ!!」

「ああ、その台詞久しぶりに聞いたな」

「懐かしがってんじゃねえ!!」


 その後女性陣の誤解が解けるまでの数十分、俺は必死で釈明をする羽目になったのだった。


一章エピローグで評価とかお願いしたら跳ね上がってびっくりしました。

引き続きよろしくお願いします。

時間があれば朝までにもう一話書き切りたいと思ってます。

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