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時間

   ~時間~

@一般的な時間について@

 ベリー科学術式において、一般的に意識される時間は指標であるとされている。それ単体で存在するものではなく、事象にあわせて作られた指標であるという考え方である。一般的な時間を表す式は「作業量÷作業効率」とされている。これに含まれる有名な式が「距離÷速さ」であり、「移動」における時間を表している。

 一般的な時間をこの式に当てはめると、「地球が1周自転する距離÷地球の物理エネルギー(=1日における時間)」であったり、「地球が1週公転する距離÷地球の物理エネルギー(=1年における時間)」という式になる。

 また、「タイム・マシン」や「時間操作」の研究において、この指標を時間として扱うべきか否かで意見が分かれている。


@ベリー科学術式における時間@

 ベリー科学術式において、時間とはある瞬間におけるエネルギー配置のことである。この配置は、単にエネルギーの位置を表すものではなく、エネルギーの量・質・範囲(空間における相対的位置)など、エネルギーに関する全情報のことである。あらゆる事象(全ての成り立ち)は、このエネルギー配置によって成り立つとされる。そのため、事象の解明と再構築によって、いわゆる時間の移動は可能である。この時間移動を行う装置を「タイム・マシン」という。

 ベリー科学術式では、一般的な時間というものは事象としては存在せず、作業と結果(作業効率と作業量)というエネルギーの動きによって時間的事象の全てを解明できるとしている。以下、ベリー科学術式における「タイム・マシン」や「時間操作」の理論を紹介する。

 


@タイム・マシンの内容@

 まず、ベリー科学術式における「タイム・マシン」の仕組みだが、これは「ある範囲内におけるエネルギー配置をインプットして再現する」というもの。これが全てである。

 この「ある範囲内」というのは、「「タイム・マシン」使用者の活動空間に影響が出ない範囲」のことである。つまり、「タイム・マシン」使用者全員が寿命を迎えるまでに活動し得る空間は、その空間外のエネルギーの影響を一切受けてはならない。もしも空間外からのエネルギーの影響が活動空間に及んだ場合、過去・現代・未来の事象を完全再現できず、時間移動は失敗に終わる。しかし、厳密な時間移動(事象の完全再現)よりも大まかな時間移動(事象の不完全再現〔=パラレル・ワールド〕)のほうが需要があるため、事象の完全再現は研究において重要視されていない。

 この「タイム・マシン」は時間移動先の構築を行う機械(現在時間の消去を含めて「タイム・マシン」とする場合もある)とされている。宇宙規模でのエネルギー配置を行う機械であるため、非常に高いリスクを伴い、また高度な技術力が必要となる。「タイム・マシン」よりも小規模で、同じ仕組みを用いて行うとされる「瞬間移動」を研究してから「タイム・マシン」研究にシフトするという方法が現状効率的であるとされる。


@タイム・マシン エネルギー配置の取得@

 時間移動には、移動したい時間のエネルギー配置を知る必要がある。エネルギー配置を記録した情報をエネルギー配置図という。エネルギー配置図は、厳密であればあるほど安定した時間移動を行うことが可能となる。また、望んだパラレル・ワールドへの時間移動も、元となるエネルギー配置図が厳密であるほど、理想に近い時間移動を行うことが可能となる。

 しかし現在の科学力では、厳密なエネルギー配置図作成どころか、時間移動に必要最低限のエネルギー配置の取得すら不可能に近い。現状、エネルギー配置の研究開発はほとんど行われていないのである。これは認知度の問題が根底にあり、そもそもベリー科学術式における時間の概念を知るものが少なく、人員不足が続いている状況である。エネルギー配置は「タイム・マシン」に必要不可欠な要素であるため、早期に問題解消を図ることが望ましい。


@タイム・マシン 本体@

 「タイム・マシン」に最低限必要な機能は大きく3つに分類される。エネルギー吸収機能・エネルギー配置機能・エネルギー配置取得機能である。

 エネルギー吸収機能は、「エネルギー元の吸収」・「エネルギーへの変換」・「エネルギー貯蓄」に分類される。エネルギー配置機能は、「場の確保(エネルギーの設置作業範囲内の全エネルギー消去)」・「エネルギーの設置作業」・「場のエネルギー固定化(時間停止)」・「場のエネルギー固定化解除(時間起動)」に分類される。エネルギー配置取得機能は、「エネルギー配置計測」・「エネルギー配置取得」・「エネルギー配置図作成(エネルギー配置記録)」に分類される。

 これらの機能は実用段階になればさらに細かく分類されると思われる。また、これらの要素はそれぞれ異なる性質を持つため、「タイム・マシン」はこれらの機能を備えたマシンの集大成となることが考えられる。


@エネルギー配置図作成の補足@

 エネルギー配置図作成は、エネルギー配置取得を通さずに行える可能性がある。エネルギー配置の一部、または全部をコンピュータなどで自動生成する場合や、すでに存在しているエネルギー配置図をアレンジしてパラレルワールドを作る場合などが当てはまる。


@タイム・マシン 時間移動の特徴@

 時間移動には、世界創造という性質が内包されている。時間は「作業量÷作業効率」によって表すことができるが、この作業(エネルギー配置)はあらゆるところで行われているためである。

 「タイム・マシン」の使用には、いくつかの大きく2種類がある。1つは「タイム・マシン」を使った世界(及び使用者)をエネルギーに変換(=存在を消去)して時間移動を行うもの。そしてもう1つは「タイム・マシン」を使った世界とは別のところに時間移動先を作成するものである。前者は、自身ごとエネルギー配置するので従来からイメージされているような時間移動が可能となる。また、自身が「厳密な時間移動先」に時間移動することができる。後者は、パラレル・ワールドを作成して「タイム・マシン」以外で移動したり、時間移動前の場所からパラレルワールドを観測するということが可能である。

 (※「タイム・マシン」使用者は、厳密な時間移動先の観測はできない。厳密な時間移動先は外部のエネルギーの影響を受けてはならないが、観測そのものがエネルギーによる干渉となるためである。パラレル・ワールドであればタイム・マシンの使用者でも干渉できる可能性がある)


@タイム・マシン 倫理的問題@

 「タイム・マシン」による時間移動、特に移動前の世界をエネルギー化する手法については問題点が挙げられている。中でも、大勢の人々を殺しているのと同じではないか、という意見が他分野での「タイム・マシン」研究者から多く寄せられている。生死や意識の問題はエネルギー配置で説明できており(同資料の「魂」の項目に記載)、ベリー科学術式においても一部触れられている。理解されるようにわかりやすい説明文を用意する必要があるだろう。


@時間停止@

 「時間停止」とは、エネルギー量の一時的保存のことである。また「時間停止」は、ベリー科学術式における時間概念の原型とも言われている。ベリー科学術式における時間の概念は、この「時間停止」の仕組みを元に考えられている。

 エネルギーは、エネルギー量を0にすればその場に留まる。時間停止だけを行うのであれば、「タイム・マシン」に外部からのエネルギー的影響が及ばない範囲のエネルギー配置を記憶し、その範囲のエネルギー量を0にして、そして時間停止が解除されるようにしておけばよい。これを「場のエネルギー固定化」という。(この際、時間停止に使う「タイム・マシン」とその周辺はエネルギー量を0にしてはならない。外部からエネルギーの影響が及ぶまで半永久的に時間停止が続く)。しかし時間停止中、一人の人間を活動させるにはもう一工夫必要となる。

 時間停止中に「タイム・マシン」使用者が活動して、時間停止終了時に活動の影響を反映させる場合の方法は存在する。まず①「タイム・マシン」に外部からのエネルギー的影響が及ばない範囲のエネルギー配置をインプットし、②「タイム・マシン」とその使用者以外のエネルギー量を0にして、③「タイム・マシン」使用者が活動する。④その後、「タイム・マシン」に活動後のエネルギー配置をインプットし、⑤活動前後のエネルギー配置からエネルギーの動きを計算して(これはエネルギーの設置作業を行う際にエネルギーの過不足を防ぐため)、⑥エネルギーの設置作業を行う、という手順となる。


@時間停止空間の特徴@

 では時間停止中に人間の活動が可能かどうかについてだが、これは可能である。これから時間停止空間が活動する人間から見てどのようなものなのか、その特徴をいくつか挙げていく。

 まず、時間停止状態でも活動者は動けることが特徴である。これは活動者のエネルギー量が0ではないことが前提だが、活動者は活動者自身のエネルギーにより活動できるからである。しかし時間停止前の状態とはかなり勝手が異なる。空間内は基本的に重力が働いておらず、宙に浮くことができ、空気中であれば基本的に通常時の宇宙よりも流されにくい(活動者周囲のほとんどのエネルギー量が低いため)。

 また空間内では液体などは飛沫が上がらず(ただし空気側の影響)、時間停止中の水中では口を開けても吸わなければ水が入ってこない。固体に限った話ではないが、時間停止中の物質はいとも容易く壊れる。などの物質的な違いがある。

 時間停止空間では、時間停止直後は猛烈な光に目がくらむ。これは時間停止後、活動者からのエネルギーの影響で活動者周囲の光や空気がエネルギーを得て、エネルギー0の物質に囲まれた活動者周辺を高速で飛び回るからである。これらの光や空気のエネルギーは、周りのエネルギー0の光や空気や物質にエネルギー的な影響を与え、それが繰り返されて広がっていくのだ。これは純粋に、活動者のエネルギー量を周りの物体に与えているのである。

 上記の説明から、時間停止空間では活動者のエネルギーは奪われる一方であると思われがちだがそうではない。生物が普通に活動していれば、エネルギーの質を量に変換する作業が行われるため、エネルギー量の少ない空気などが存在するだけでもエネルギーの補充は可能である。しかし、あくまでもエネルギー量の補充であって、生命活動に必要な要素を全て補えるわけではない。エネルギー量が補充がされるからからといって、呼吸などの生命活動をやめてしまえば活動者は死ぬだろう。


@その他:瞬間移動@

 「タイム・マシン」の機能を使えば、瞬間移動も可能となる。瞬間移動は、ベリー科学術式において時間移動の簡易版と呼ばれており、瞬間移動対象の空間分のエネルギー配置図取得が必要となる。時間停止とは違い、エネルギーの設置作業先を消去する必要がない。瞬間移動先のエネルギーは、エネルギーの設置作業中に周囲に追い出される。


@最後に@

 ベリー科学術式では、エネルギーの作業と結果で全ては成り立つという前提があり、エネルギーに影響を与えない概念などは、全て作業と結果に指標をつけたものとしている。一般的に言われる時間もベリー科学術式において指標であり、しかしながら「タイム・マシン」や「時間停止」などは一般にイメージされるものと似たようなものが技術の発展により可能とされている。どちらの時間が正しいにしても、人々はなんとなく時間というものを理解しているのかもしれない。

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