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第十一回【ロシア軍ウクライナ侵攻】『ゼレンスキー大統領の日本国会演説にあてて』

 2022年2月24日より始まった、ロシア軍によるウクライナ侵攻。

 侵攻から1年が経過し、ウクライナはロシア軍を押し留めることに成功してはいますが、未だ戦火が止む兆しはありません。


 ウクライナ領からのロシア軍完全撤退および戦争の早期終結を祈念し、2022年3月23日にオンラインで行われたウクライナのヴォロディミル=オレクサンドロヴィチ=ゼレンスキー大統領による日本の国会での演説についてTwitterで述べた感想に加筆し、ここに掲載します。

 2022年(令和4年)3月23日。

 ゼレンスキー・ウクライナ大統領による日本の国会でのオンライン演説を拝見しました。

 そこで語られたものは、ウクライナへの支援とロシアへの制裁にアジアでいち早く乗り出した日本への感謝および敬意と親愛。

 また、ロシア軍侵攻下のウクライナ国内の窮状。

 そしてロシアへの制裁の継続と侵略行為を食い止める為の手段の構築の訴えでした。


 個人的に最も心に残ったのは、国連が機能不全に陥りロシアの侵略を食い止められなかったことへの憤りと、それに代わる手段の必要性を訴えたことでした。

 ウクライナはかつてソヴィエト連邦第二の構成国であり、現在も潜在的に大きな国力を持ってはいますが、常任理事国ではなく、これまで世界に大きな発信力・発言力を持つ国ではありませんでした。


 そのウクライナの指導者が、責任ある国連の常任理事国ロシアに国土を蹂躙され、多くの国民を殺傷され、暴言と妄言により国家の誇りを傷つけられ、発した言葉。

 国連の改革あるいは国連に代わる役割を持つ組織の創設を求める言葉がこうして発せられたことを国際社会は重く受け止めねばなりません。


 私は一貫してウクライナを支持し、その勝利を祈っていますが、ゼレンスキー大統領の国会演説については慎重に判断すべきと考えていました。

 しかし、ゼレンスキー大統領の演説が日本の国会で行われたことに極めて大きな意義があったと思います。

 大統領の言葉は日本を通して世界に発せられた言葉です。


 我々はテレビやネットを通してウクライナ大統領の言葉に触れました。

 しかし、アフガン、シリア、リビア、イエメン、クルディスタン。

 これらの人々にその機会は与えられず、今この瞬間も多くの人が戦いに傷つき、住む家を追われています。

 戦いに傷つく全ての人を救い、侵略を防ぐ手立てが必要です。


 ウクライナが一刻も早くこの戦争に勝利し、平穏な日々を取り戻すと共に、侵略者となったロシア軍将兵がこの恐ろしい任務から解放されることを祈ります。

 世界各地で紛争や戦争に苦しむ全ての人に、再び平穏が訪れることを祈ります。

 我々は残虐な侵略を食い止める世界を、地球を作らねばなりません。

 ゼレンスキー大統領のオンライン演説から10日あまり、ロシア軍が撤退したウクライナ首都キーウ近郊・ブチャにおいてロシア軍による戦争犯罪の痕跡が世界に配信されました。


 民間人への暴力および性暴力、略奪、破壊、そして虐殺。

 その凄惨さはまさしく目を覆わんばかりのものであり、これだけの蛮行が侵攻から1ケ月の間に起きたことを考えると、それはもはや文明国の軍人の所業とは到底思えないものでした。


 しかしながら、戦史マニアやミリタリーマニアなら、チェチェンやシリアで何が起きたか知っているはずで、その主体が何であったかも知っているはずでした。

 占領下で起こり得ることが現実になるのが怖くて口に出せなかった。

 そんな人は私だけではないでしょう。


 驚きはありませんでした。

 あったのは、ただ絶望と諦観と深い悲しみだけ。


 残念ながら、戦争を完全になくすことはできません。

 今後、起こり得る戦争による惨禍を少しでも軽減する為に、今後の紛争地で同じことが繰り返されないよう、ロシア軍による戦争犯罪を追及し、国際法廷での厳重なる裁きを望みます。


 その為にも、ロシア軍が全ての占領地を放棄して撤退することが必要だと私は考えます。

 さもなくば、ブチャの虐殺のようなロシア軍の戦争犯罪は闇に葬り去られるでしょう。

 それはウクライナだけでなく、ロシアにとっても世界にとっても望ましくありません。

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