エピソード1 第一話 「イルザ村の少年アイラ」
「あっちーな、おい。」
照りつける日差しの中、滝のように汗を流しひたすら草をむしり続ける15歳の少年が
イライラしながら愚痴をこぼす。
「文句言わないでやる!だから今朝の日差しが弱くて涼しいうちにやりなさいって言ったのに」
少年がひたすら草むしりをする中、少し離れたところでベンチ
に腰掛け、パラパラとめくりながら本に目を落とす一人の女性が言った。
「母さんはわかってないんだよ。三度の飯より睡眠ってね。この場合”地獄の草むしり”だけど」
腕を組みながら「エッヘン」と言わんばかりにドヤ顔を決める少年アイラ
「ま、眠いのもあんたがいつまでもバカみたいな本を読んでるせいだけどね」
「バカみたいなとはなんだ。俺はいつかあんな強くてモテモテな主人公になって、、、」
どうでもいいからさっさとやる!と言わんばかりの表情でアイラを睨みつける母テレス。
「・・・・。」
はぁ~っとため息を漏らしまたイライラしたようにヤケクソに
草をむしり始めた。
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太陽は沈み、外は暗くなり
セミの鳴き声のかわりにコオロギの穏やかな鳴き声が静かな外に響き渡る。
「ったく。なんで母さんはいつもあの話になると嫌な顔をするんだよ。」
トイレから戻り、乱暴に扉を閉めると木製の枠で囲まれたベッドに飛び込み
ベッドの布に顔を押しつぶされながらくぐもった声でそう言った。
「ああ。早く明日にならね~かな」
なんでなんで?と心のなかで自分に問い、そして頬を赤らめ、だって明日はリアと二人っきりで街に買い出しにいくんだぜ?と自答しそこから恋人に発展し、、、と勝手に妄想する。
リアはアイラの幼馴染で明るく優しいまるで天使のような娘だった。ここイルザ村の子供達も好意を寄せているが
幼馴染でよく一緒に遊んでいるアイラは彼女にとっても特別だ。
「ご飯できたよー!」
一回から家にテレスの声が響き渡った。
「今行くよー!」
続けてアイラの声が家に響く。
そして明日のことを胸に、上機嫌になったアイラは早歩きで部屋の扉を開け廊下に出ると
静かに扉を閉めて自室をあとにした。
一話一話が短めですが、ご了承ください。
慣れてきたら少しずつ文字数を増やしていく所存です!