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エピソード1 プロローグ
ちょっと厨二ぽくてちょっと恥ずかしいお話です。
通勤通学の合間に程度の気持ちで読んで下さい!
――雨、嫌いだな。
まるで雷鳴のごとく音を鳴らし、地面を抉るかのように降り続ける豪雨。
そんな雨の中、囁き程度の小声で男は刀を上から下に振り、
刃にこびり付いた血を払う。
ゆっくりと刀を前方、おおよそ数十メートル先にいるゴブリンに向け
刀を両手で持つ。
閃光
刹那、男は首から上が消えたゴブリンの背後に立つと
ゆっくりとその黒光りする刀身の刀を鞘にしまい、いつの間にかやんだ雨に気づき
悲しげに目を、雲よりも空よりも遥か天空に向ける。
――何してるんだろう。俺は
そう呟いたのだった。