第2話 驚きのステータス
召喚された場所が森だった。
え?普通王城とかじゃないの?なんて事をゲーム脳の僕は考えてしまう。
『 なんで森なのぉぉぉー』
あ、はい。なんか、神様も予想外だったようです。
急に変わった風景にクラスの奴等が騒ぎ出す。
どうやら謎の紙を見せられた時から解除されていたらしい。
いや僕跳ねてたしね。
ただ、いつまでこんな事で騒いでるんだと思っていたら、天風が質問し出す。グッジョブ天風。
「ここは何処です?あと、この紙はなんなんですか?˹世界を救いしもの˼とか書いてありますが」
おいおい、なんだよその称号。内心カッケーとか思ってた僕の˹生物を従えしもの˼が霞んで見えちゃうよ。
『 ここは、帝国アレンの近くの森だね。まぁ、僕も帝国の王城に召喚したつもりだったからちょっとビックリだよ。あと、その紙は君たちのステータスさ。やたらカッコいいのは称号。˹世界を救いしもの˼さしずめ勇者だね』
「じゃあこの体力とかはなんなんですか?」
『 あぁ、体力はHPつまり、生命力みたいなものと思って貰えばいいよ。筋力は文字通り、魔力は、魔法適正みたいなものかな。運は表だった効果はないけど、高いとチートじみた人生を歩むこともある。まぁ、この世界の凡人はだいたい全部50かな』
改めて僕は手元の紙を見る。
体力、筋力、魔力全て凡人の倍で、運にいたってはよくわからん記号がついている。測定不能なんだろうか。
軽く跳ねてみると思ったより飛んだ。アニメみたいにはいかないけど、スキルハイジャンプとかあるんだろうか。
全般的にステータスが高くて運は規格外とかここでの生活は、勝ち確なんじゃないか?西条とかに今までのツケを払わせてやろう。
なんて妄想は耳に入ってきた周りの会話で打ち砕かれた。
「じゃあ全てを癒すものってのがうちの称号?スキルに完全回復とかあるんだけど」
「俺、体力だけ2600なんだけど。ほかのより500も低いってどうなのよ」
「てかこのスキルの半身契約って何?みんな持ってね?体半分犠牲にして契約すんのかな」
え、ステータス高すぎじゃない?あと、半身契約みんな持ってるの?僕それ以外だと魅了しかないんだけど。
『 じゃあ、君達のスキルとか解説してあげよう。一列になって』
そんな神様の声によって、クラス全員が一列になる。
僕は最後尾に着きながらこっそり前の女子のステータスを見た。
井狩 裕奈
凍てつく世界の王女
体力 1500
筋力 1500
魔力 3800
運 1200
スキル 半身契約
水魔法〈極〉
氷結魔法〈極〉
凍てつく波動
魔力吸収
:
僕は、井狩さんのあまりのステータスの高さと本当に半身契約が珍しくないことに驚愕した。
『 天風 璉、勇者くんだね。凄いねー、ステータスオール4400かー。この世界の英雄なんて呼ばれる人でもオール5000がやっとなのに最初からこれって。スキルは半身契約と、勇者系のだね。即時回復Lv.1、身体強化Lv.1、剣技Lv.1、天衝斬撃Lv.1うわっいっぱいある』
「この半身契約って何ですか?これ以外は何となく想像出来るんですが」
『 簡単に言うと、動物を手なずける資格みたいなもんだよ。この世界住民の3割くらいが持ってるよ。まぁ、そんなに珍しくもないし、このスキルに関しては常識だから王様かなんかが教えてくれるさ。他の特別なスキルの説明をしてあげよう。何が聞きたい?』
え?この世界の人でも5000なんて奴がいるの?半身契約って特別でも何でもないの?
唖然とする僕をよそに神様はどんどんと説明していく。
『 ん?君のは…』
気がつけば残りは僕だけになりクラスメイトたちは、説明を受け終わって何やら集まって話をしていた。
『あぁ、君か。僕を呼んでおいてこんなステータスとはね。運だけはブレブレで測れなかったから適当につけたんだけど、この魅了ってなんだ?ごめん君に言えることは無いよ』
˹僕を呼んで˼ってことは、この世界に来た原因はやはり僕なのか?
ってかこの運って適当だったの?限界突破とかじゃないの?
打ちひしがれてる僕をよそに神様は、響く声でこう言った。
『 そうだ、忘れてたよ。君たちの大事なものを返してあげよう♪』
軽い口調でそう告げられた瞬間、頭の中に感情が流れ込んできた。
帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたいかえりたいかえりたいかえりたいかえりたいかえりたいかえりたいカエリタイカエリタイカエリタイカエリタイカエリタイカエリタイ
1話読んで下さって、ブクマ登録等して下さった方、本当にありがとうございます。まだの方宜しければ登録、評価お願いします。
なお、この物語結構続きます。お付き合い下さい。
あと、この世界の英雄さん後ほど出てきます。結構重要だったりそうでもなかったり。