表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天才少女の四重奏  作者: ニートPM
第1章 プロジェクト、始動
7/7

第7話 鬱モード

 

「ファッ!? みかんソフト期待の新人プログラマーの東和麻(あずまかずま)って伽耶のことだったの!?」


 有須さんが持ってきた恋千☆万花のスタッフロールに名を連ねる東和麻という人物。

 月刊みかんソフトと呼ばれる雑誌に期待の新人プログラマーとして紹介されていた。

 それがまさか伽耶のことだったとは……


「伽耶ぁ、お前いつの間にプログラミングなんて覚えたんだよ」


 俺も高校生の時は、ゲーム開発のマネジメントよりもゲームのプログラミングをやりたいと考えていた。

 だが、C言語と呼ばれるプログラミング言語に道を阻まれ仕方なくゲーム開発のマネジメントの仕事をすることを決意したのだ。


「プログラミングなんてC言語を覚えておけば簡単だよ信兄」


「いや、それを覚えるのが大変なんじゃん」


「そんなことないよ〜。僕、1週間くらいでC言語覚えられたもん」


「えっ、嘘でしょ? 嘘って言ってよ」


 俺が高校生の時、C言語解説本の序章の部分を覚えるだけで1ヶ月はかかった。

 流石に1週間は無理だろ。


「いやいや本当だよー。去年の春くらいにプログラミングの勉強を始めて、今だとC++とかJavaとかも使えるよ」


「マジかよ!?」


 複数のプログラミング言語をマスターしているだと!?

 伽耶は俺ができなかったことをいとも簡単に成し遂げてやがる……!

 それに比べて俺は……俺は……


「へへーん! 少しは見直した? って信兄!?」


「もう無理ぃ、仕事できる気しなぃ」


 自信を喪失した俺は、バタンと倒れこみ床に顔面を突っ伏した。


 1


 しまった、地雷を踏んじゃった!

 僕がそう思ったとき、すでに信兄は床に倒れ込んでいた。


「あ、秋月さん!? どこか具合でま悪くなってしまいましたか!?」


 倒れた信兄を見て、よざ姉が慌てふためく。

 まあ、始めてこのモードの信兄を見るのだ、驚くのも当然だろう。

 ここは僕がちゃんと説明してあげないといけないな。


「よざ姉、今信兄は鬱モードに入ってるの」


「う、鬱モード?」


「うん、信兄が自分は駄目人間だって思い込むと発動するモードなんだけど、このモードになった信兄はこのまま何日も動かなくなる」


「な、何日も動かなくなるの!? そ、それは困るよ! これから他の会社の人たちも来て、ゲーム開発を始めるのに!」


 そう、このまま何日も床で突っ伏されたら正直困る。

 さっさと立ち直ってもらわなければ。

 仕方ない、いつものやつをやるしかないか。


「安心してよざ姉。対処法はあるから」


 僕はよざ姉にそう言ったあと、信兄の元に近づく。

 そして――

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ