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迷宮探偵  作者: 脩由
プロファイル1
3/10

第三話 調査開始

連続投稿です。

たぶん今日の投稿はこれでおしまいになるはず。


 気がつけば、残り財産5万。

 30万あったはずなんだが、どうやって消えていったのか覚えがない。

 滞納していた携帯代を払ってそれから~、ま、いいか。

 俺の友達ガラケーの”ケンタクン”。

 復活してくれてよかったよ~。

 プルルル。プルルル。

 お!早速電話がかかってきたぜ。きっと俺にあこがれる女子からだな。

 

 「もしもし。」

 「ツケ払え。」


 確かに女子だったが、飲み屋のお上さんからだった。

 

 「ちょ、ちょっと待ってもらっていいですか?」

 「カズミンから聞いたよ~。いっぱいお金はいったんだって~。」

 「あの小娘、次にあったら犯す!」


 ため息をつきながら、近くの居酒屋の暖簾に腕を通して、カウンターにいるお上さんに挨拶をする。


 「うぃ~す。きちゃいました・・・。」

 「あんたも律儀だよね。来ないかと思ってた。」

 「お上さんにはお世話になっているんで。」

 「はいはい。じゃあ3万。」

 「ぶ!今回1万収めでは、だめですか?」

 「手元いくらあるんだい?」

 「5万です。」


 正直に財布を見せながら答えると大きな声でお上さんが笑い、俺もひきつった笑いを見せる。


 「しゃ~ない。今回は1万でいいわ。」

 「マジっすか?!」

 「その代わり今度、体で返してもらうから。」

 「なんなら今晩この体で慰めてもいいんですぜぇ~~。」

 「キモイからいらんわ。それより仕事入ったそうじゃないか?」

 「ええ、何とかまとまったお金をゲッツできそうですけど。」

 「カズミンに心配させなさんなよ。」


 なんであいつが俺のことを心配するんだ?

 それより、いまだに首輪が取れないんですけど。

 ここのお上さんにはすごいお世話になっていて、いっちもさっちもいかなくなった時に、日雇いのバイトで雇ってくれたりする。

 そのバイト中、来た客のおごりで飲んでたりするんだが、見つかっては怒られたりしてるんだが今だにかわいがってもらってる。

 すげ~色々心配をかけているようで、申し訳ないし早くツケを返したいのだが、なかなかね~。

 結構世間話が伸びてしまい、そろそろ出る時間になった。


 「がんばってきなさいよ。」

 「うぃ~。」


 励ましの言葉を頂き、店を出る。

 そのままコンビニに寄って履歴書を買う。

 久しぶりにスーツ姿の俺。

 もうね超イケテルンデスケド。

 履歴書写真を買う前にあの小娘のところに行き鍵を要求する。

 

 「おいこら。そろそろ鍵出さないか。」

 「スーツ似合ってるじゃん?」

 「そうか?ふふ。そうじゃないんだよ。もうね痒いんだよ。」

 「わがままだな。ほれ。」


 鍵を投げつけられ、泣きそうになりながら覚えてろよ~と捨て台詞を吐いてやった。ビルのオーナーの娘には逆らえんとです。

 それから首輪をはずし、写真を取る、で履歴書に内容を書き込んでいく。

 え~と、三流大学卒業して、親父がやっていた今の平瀬事務所に就職。

 親父がいた頃はまだ、仕事も安定してもう一人従業員もいたんだが、俺の代になってから、仕事がなくなって、そいつも解雇しちまった。

 あれからもう2年か。

 辛気臭いのは好きじゃね~よ。

 だから履歴書書くのいやなんだよな。

 最後に写真を貼り付けて、家を出る。

 電車の駅まで行くと、”ケンタクン”で釧路さんから言われた小学校を検索。

 どこだ?ここ?

 マジでわからん。

 約束の時間までに後1時間ぐらいしかなく、タクシーに乗り込む。

 

 「おっちゃん。この場所わかる?」

 「ああ、○○小学校か。ちょっと遠いけどいいかい?」

 「お、おう。」


 今は懐が暖かい。

 遠いといっても4万で収まるはず、しかも市内だぜ。

 タクシーに乗ること30分。はい!きました山奥。

 ありえねーだろ。だって市内って言ったじゃん。

 しかも小学校だよ。

 児童が歩いて通えるのか?と色々考える。

 でさらに15分ようやく、目的の小学校に到着。

 夏目さんが3人消えていきました。

 俺の漱石~~。

 がっくりうなだれていると後ろから声をかけられた。


 「さすがですね。平瀬さん。時間10分前行動いいことです。」

 「ふ、できる男ですから。」


 そこにいたのはもちろん、釧路さんだった。

 日傘を差し、ああ、おっぱいが形を変えて、すばらしい!

 恍惚な顔を向けてしまったのか、少し心配そうにする釧路さんに大丈夫です!と言い張り、その場をしのぐ。

 で、目の前にあったのは、小学校ではなかった。

 いや、小学校なんだが、小中高一環の学校でしかも女学校。

 今回、用務員のおっちゃんが、腰痛のため急遽、変わりの人間を探していたとの事で、俺はその代わりで面接を受けることになっていた。

 面接のアポを取ったのは釧路さんで、そのまま面接も同席。

 面接官は、学園長だった。

 しかし、学園長ってテレビでは結構年配の俳優さんを起用するが、すげー若くまだ30前だった。

 俺と結構近い。

 つい、ニヤニヤしてしまいそうになるが、そこは紳士。しっかり顔を作る。

 話を聞いているとどうも二人は知り合いらしく、面接も特に話すことなく採用が決まる。

 

 「では今日から、よろしくお願いします。」

 「今日から?え、あ、よろしくお願いします。」


 契約がすんで今日から一員ですね的な事だと思ったのだが違っていた。

 本当に今日から出勤なのである。

 しかも住み込みで、24時間体制。

 マジか。

 展開が急すぎるだろう。

 俺の直感で、家賃払っててよかった。住み込みでいつ払えるかわからんからな。

 女子寮の管理用務員として派遣される事になり、用務員室へと案内される。

 ホテルの一室かと思うぐらいきれいで、俺の事務所とは大違い。

 ベットもふっわふわで、もって帰りたい。

 

 「平瀬さんにはこれから、この事項に書かれた内容のお仕事をお願いいたします。」


 学園長から手渡された資料に目を通すと、細かい内容から幅広く作業が書かれており、日数をかけてもいいが、できるだけ早くとのことで、了承する。

 昔、潜入捜査をやったおかげで、色々な作業を経験している。

 何とかなるかと、腹をくくり早速、表の作業と裏の仕事にかかる。

 まずは表の作業で、小中高を統括する職員室があり、先生たちに挨拶をする。

 15時ごろにまわっているおかげで比較的先生も捕まり、挨拶をすることができた。

 今度は裏の仕事。

 この学校は小中高あわせて先生の数は50人ほど。

 その中に男の先生は7人ぐらいしかおらず、後はすべて女性。

 どっから攻めるかな。

 数の少ない男の先生から、攻めることにした。

 男の先生は高校しか在籍しておらず、今回の話だと、小学校にその犯人がいてるとの話だったので除外する方向でいこうかと思ったのだが、体育など重いものを扱うときなどに小中高問わず関わるとの事で、どうしたものかと思う。

 とりあえず一旦は保留にして、今度は小学校に関わる先生をピックアップすると10名ほど挙がってきた。

 もちろんすべて女性の先生。

 しかも全員20代前半とまだ若い。

 キタコレ!俺の時代なんじゃないかい?と思うがこの中に犯人がいると思うと、どうしても一歩ひいて見るしかない。

 一週間雑用をしながら調査を行い、用務室に置かれたパソコンを借りてレポートを作成。

 釧路さんにメールを送る。

 今回のレポート内容はこれでOKとの事で、引き続きお願いしますと返事があった。

 添付ファイルに釧路さんのおっぱい写真を貼り付けてくれって頼もうかと思ったが、さすがにシャレにならないので自重する。

 しかし、早いな一週間。

 あっという間だった。

 何人か仲良くなった先生もでき、用務室で飲むこともある。

 そこで得られた情報は特に変わった物はなく、この学校の児童が、行方不明になった話もなかった。

 全寮制で、全生徒が寮に住んでいるおかげだと先生たちは言っているが、俺は知っている。

 この中に犯人がいてる可能性を。

 口には出せないが、どこか息苦しさを感じているもの確かだった。

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