01プロローグ
初めましてです!拙い文章ですが、どうぞ暇つぶしに。
静かに雪の降る、1月23日。桃園財閥に生まれた、千聖。家族に愛され、不自由ない生活の中で、彼女はのびのびと、可憐に育っていく。
それから時は流れ、彼女はもう、子供ではなくなった。結婚の時は近づいている。
幼い頃の、唯一の反抗で、彼女には、婚約者まだいない。ならば、と周りは相手を探す。すると都合よく、桃園財閥と共同のプロジェクトを進める、九条財閥が名乗りを上げた。
九条財閥は、長男の誠人を推薦する。ゆくゆくは社長令嬢という立場で、眉目秀麗な夫をもてる。まだ新しい財閥であれ、なかなか財政は豊かだ。よく通るカウンターテナーは地声。神は二物を与えず、なんて嘘だ。そんな誰もが憧れる、優しい彼。
しかし蓬田グループも、黙ってはいない。共同プロジェクトに参加しているのはこちらも同じこと。ならば伝統ある者同士が、結婚するべきと言う。長男で副会長を務める、秀人の、甘いマスクと、優しいテナー。容姿も財力も、家柄も性格も。全てが完璧な彼。
顔を合わせても、どちらとも決めかねる千聖に、一週間の期限を与えられる。
彼女の容姿に惹かれる二人。純真可憐、つまり天然。知れば知るほど、残念になる箱入り娘。それでも彼女を、大切にしますか?
最終的な決定権は、千聖にある。さあ、どちらをえらぶのでしょう。
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