戦艦神奈川乗艦
「すごいな。人類はこんな物を作る事が出来たのね」
そう言ったのは、俺の同期の海兵である木村瑞樹。彼女と俺は毎年三千ほどの卒業生を出している、海軍砲術学校出身で、この学校は名前の通り砲撃技術を学ぶ学校である。
その学校で学んだことなのだが、なんでもレールガンが開発されるまでは、一度海軍が戦艦を使わない時期があったらしい。俺から言わせてもらえばそんなのは海軍じゃない。
まあ俺の意見ははおいといて。第二次世界大戦の時に、空母の艦載機部隊に戦艦は蹂躙されてそれっきりだったらしい。しかし科学の発達により、ハリネズミのように張り巡らされた対空装備が航空機、ミサイルを寄せ付けず。一発一千万ほどのミサイルよりもはるかに安いレールガンを用いて、戦艦は海の主役へと返り咲いた。
なんだかとてもワクワクする話だ。負けてたものが勝つってのは気持ちが良い。
そして俺達は、今目の前にある新型戦艦神奈川にこれから乗り込む事となる。
瑞樹は興奮さめやまない感じだ。さっきからあたりを見渡している。
「しゅごい! 三連装砲! 見て! あれレーダーよ。しかも対空砲もすごい!」
瑞樹は肩にかかるかかからないかの黒髪を持ち、それをきれいに伸ばしている。目はたれ目がちであり、ここだけの話かなり着やせするタイプだ。小型ボートを二人でオールで操作した時に、胸が背中にあたった俺が言うんだから間違いない。顔もかなりいい。でも残念なことに戦艦マニアの少女である。
「はぁ~。私も白い制服を着れる日が来るのね。わくわくするわ」
ため息をつくように、瑞樹はそういった。息遣いが聞こえてきたので、なんだか少し照れてしまう。
そんな息遣いを聞きながら、海軍の制服を着た瑞樹の姿を想像する。着やせする瑞樹の胸が俺の心臓の鼓動を早くさせた。
俺たち二人は今、乗艦するための梯子を上っている。俺たち以外にも十名ほどが乗艦中である。
最後の段を上り終えると、俺は神奈川の甲板に降り立つこととなった。
「すごい……」
あまりの巨大な甲板に俺は圧倒された。大型タンカーに比べれば小さいが、しかし甲板の上に載っている艦橋、煙突。そして何より主砲、副砲がカッコ良すぎた。
「きゃー!」
最初は瑞樹が喜んで悲鳴を上げたかと思ったのだが、どうも聞こえてくる方向がおかしい。俺の右上方。つまり艦橋のあたりから聞こえてきたのだ。
俺がその方向を向いてみると、人が降ってきていた。
俺は驚いた。
しかし感情を整理する前に体が動き、その人間をキャッチする。
ずしり、と思い感触を感じた。うまくキャッチすることがでできずに俺はしりもちをついてしまう。そしてあまりの痛さに目を瞑ってしまう。
「ちょっと! 大丈夫?」
瑞樹の声が聞こえてきた。目を開けると心配そうにこちらを覗き込んでいる瑞樹が見えた。しかし俺はそんなことよりも、彼女のはいていたスカートの間から、太ももの奥が見えそうなのが気になっていた。
見えそうだ! しかし見えない……。風が吹く。見えそう!
とか繰り返しているうちに、見えそうなときに期待のあまり手を握ったりしていた。何かがおかしい。だって手の中に柔らかい感触があるからだ。
なんだか降ってきた人の髪からいい匂いがする。これはもしかしてと思った俺はもう一度握ったりしてみる。やわらかい。
ふむふむと思いながらそれを繰り返していると、なんだか上に乗っかっている人の心臓の鼓動が早くなる。そして急にばっと起き上がり
「何してんのこの変態!」
俺が抱きかかえていたのは少女だった。
そしてその少女は俺の顔面に蹴りを入れた。その時にスカートの間から広い布切れが見えたのであった。