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北風と太陽と女の子

作者: 久遠深奥

原作名に「北風と太陽」と書くべきだろうか…?


とある世界でのこと、あるところに北風と太陽がおりました。


二人はたいそう仲が悪く、喧嘩ばかりしています。



そして、それをいつも見ている人がおりました。


いつでも笑みを絶やさない、小さな、小さな女の子です。




ある日のこと、また来た風と太陽が喧嘩しています。


やれ太陽は眩しすぎていけない、

やれ北風は寒いから嫌われ者だ、と

お互いを言い負かそうとしています。



しかし、それで迷惑を受けるのは人間でした。

太陽はいつにも増して照りつけ水不足に、

北風は強風で作物を枯らします。


それを笑って見ていた女の子は言いました。


「このままじゃ二人とも嫌われ者になってしまうわ。

県下はやめましょう?」


「こいつが俺より弱いと認めたらな」


「こっちの台詞だ」


しかし両者とも譲りません。


「じゃあ、勝負で決めましょう。

負けたほうは勝った人の言うことを聞くこと。どうでしょう?」


笑ったまま少女は言います。


「おれはかまわんぞ。太陽ごときに負けるなど有り得んからな」

「だからこっちの台詞だ!」


これを聞いた女の子は、なおも笑いながら言いました。


「そう、良かったわ。なら勝負方法を決めましょう?そうね…」


そうして、女の子はあたりを見渡します。

笑みは絶やしません。


すると、遠くに外套を羽織った男が目に映りました。

女の子は笑みを濃くしながら言いました。


「そうね、あの男の人の外套を脱がした人の勝ち。

勝った人のいうことは何でも聞く。

それでどうですか?」


それを聞いた北風。

満足げに頷きながら言いました。


「なるほど、面白い。たまには太陽の沈んだ顔も見てみたいからな。

おっと、すでに毎日沈んでいるか!」

「フン、くだらん。とっとと勝負を始めるぞ!

俺からで良いな!」

「まあ良いだろう。

無様な様を見るのも良い。」

「ほえ面かくなよ!」



そうして、北風から勝負を始めることになったのです。

太陽はそれを余裕を持った表情で眺めていました。

女の子は笑って眺めていました。



「それじゃあ行くぞ!とりゃあ!」


北風は掛け声とともに突風を起こします。


それは、男の外套を大きくはためかせ、

もう少しで吹き飛ばせそうです。


しかし、男は突然の寒風に対して、

外套をしっかり自分の体に巻きつけてしまいました。


これで困ったのは北風。とうとう脱がすことを諦めてしまいました。



「所詮北風などその程度だ!

次行かせてもらうぞ!」


太陽はすっかりご機嫌です。

そのまま男を激しく照り付けました。


暑くなって、たまらず男は外套を脱ぐ…はずでした。

しかし、男はなぜか脱ごうとしません.


それからしばらく。

とうとう日も沈むころになり、太陽も降参しました。



すると、女の子は男に近づいていきました。

そして、二言、三言男と話したかと思うと、

男は外套を脱ぎました。


女の子は北風と太陽に言いました。

「『勝った人のいうことは何でも聞く』のよね?

ならもう喧嘩せず、仲良くすること!」



そういって去っていく女の子の顔は、

やっぱり笑っていました。



                                                                                         


いかがでしたか?


これを書いてる最中に、

違う展開を思いついたので、、

後日アップするかもしれません。


では、読んでいただいた方に感謝を。

そして、また会えたなら何よりです。

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