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第12話 元の世界へ帰る方法

「さすがに、オレも久々にかーちゃんの顔が見たくなったな」


 くず太たちがホームシックにかかって数日後、ついにつよしまでも家族のことが恋しくなってきた。


「無理もないよ、キミたちはまだ中学生なんだから」


「コマざえもん! どうだった? 今日もだめだったの?」


「……実は、目処がついたんだよ!」


「ほ、本当にっ!?」


「やったー! やっとママとパパに会える!」


「わたしも早くお家のお風呂にゆっくり浸かりたいわ」


「で、オレたちはどうやって帰るんだ?」


「それじゃあ、ひとつひとつ説明していくね。まずはくず太くんがダンジョンで毒液を浴びたのにノーダメージだったことから」


「そんなのどうでもいいから帰る方法を早く!」


「慌てないで聞いてよスカ夫くん。そのくず太くんのことが関係しているんだ」


「ぼ、僕のことが?」


「くず太くんは、実は数百万人に一人の体質の持ち主だったんだ。『身体に受けた魔力を体内で分解して吐き出す』能力のね!」


「それで毒を分解したってこと?」


「うん。正確には『モンスターが体内で魔力によって生成した毒』をね。化学的に調合された毒だと普通に死んじゃうから気をつけて」


「分解したあと吐き出すって、僕は何も吐かなかったよ?」


「キミはあのあとダンジョン内でしょっちゅうおしっこしに物陰に行ってただろ。あれさ」


「そういえばおしっこの色が毒々しかったの覚えてるよ」


「わかったけど、それが帰るのになんの役に立つってのさ。勿体ぶらずに早く言ってよ!」


「キミたちがこの世界にやってくることになった切っ掛け……謎の空間の裂け目はくず太くんの能力によってできてしまったんだ」


「……ボクたちにもわかるように説明してよ」


「ゴメン、詳しく説明する。まず、魔力自体はどの世界の人間でも潜在的に持っているんだよ。魔法が使えるレベルの魔力を持つ者がキミたちの世界には殆どいないようだけど。でもさ、一人凄いのがいるじゃないか」


「ジャイアントか! 魔力SSS級って判定されてたもんね」


「その通り。そして剛くんのリサイタルで歌を聞き続けた結果……くず太くんの体内で分解された魔力が、恐らく汗腺から放出されて空間に歪みを作り出したんだよ」


「確かに、あの時は冷や汗出まくりだったからね」


「くず太! それはどういうことだ! オレサマの歌を聞いて冷や汗だと!?」


「あわわ……そ、それは身震いする程興奮したからだよ」


「なんと、そこまで感動してくれていたとはっ! さすがは我が心の友よ!」


「抱きつくの止めてよジャイアント、骨が折れる!」


「そしてここからが本題。ぼくの収納ポシェットの中の空間にみんな入ってもらって」


「それからどうすればいいの、コマちゃん」


「中でくず太くんにタップリと剛くんの歌声を聞かせるんだ!」


「そしたらまた空間の裂け目ができるってことか! スゴイやコマざえもん!」


「というわけで、ぼくの方で準備が整い次第、決行するってことでいいかな。一応、3日後をその予定としておこう」


「「「「さんせーい!!」」」」


 遂に元の世界に戻るチャンスを得た剛たち。

 3日後に無事に帰れるのか、それとも……。

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