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#15.分かれ道


 村を出てしばらくなにもない平原をひたすらに西へと進む。道中で何度かモンスターと遭遇したが難なく切り抜ける。


「ジル、強いね」

「気休めはやめてください、あなた方には遠く及びませんよ」

「リコやアナはともかく、僕は君に勝てる部分がない気がするんだけど?」

「常人離れした筋力があるではないですか」

「確かに言われてみれば、それだけは勝てるね」

「ロイさんが本気になってその剣を振り回せば自分程度なら手も足も出ませんよ」

「そうなの?」

「そんなお化け武器をどうやって止めろと?」

「あー、確かに」


 モンスター達のドロップアイテムを拾い上げて一休憩しながらそんな会話をした。


「そう言えば、この辺に村や町はあるの?」

「このルートだと無いですね」


 ジルが僕の問いかけに答えた。


「南西ルートに乗っていれば、街道に沿って村も等間隔くらいであったのですが……」


 ジルが言いにくそうに言いよどむ。


「私たちがいま通っているルートは西に向かうほど魔物の勢力圏になってきます」

「そうなのか」

「エルフ種も大ざっぱに括れば精霊種系になりますからね」


 ジルに言われてどこか浮足立っていた僕はハッとする。エルフたち自体は人間によく似ており、生活様式なども僕たちと非常に近いと聞いたことがある。僕たちのような外れの村でも獣人の商人などは時おり滞在することもあり勝手に友好的だと思っていたが、よくよく考えてみたら多種族との交流どころか、部族同士でも交流をほとんどしないといわれているエルフ種が友好的かどうかなんて分からない。


「リコはエルフ種と接点あったりする?」

「前回の災厄時は付き人ではなく観測者でしたから。アイリス達と仔細まで一緒だったわけでもないのでエルフがどのような感情を人間に抱いているかまでは分かりませんね」

「さすがに顔を見るなり飛び掛かってくるとかはないよな?」

「文化が高度に発達しているので部族によってじゃないですか?」


 僕が決めかけて二の足を踏んでいると、ジルが言った。


「これより少し先に、西に向かうルートと南西に向かうルートに分岐しますがどうしますか?」

「エルフの森へ行こう!」


 僕はあらためて目的地をエルフの森に定めて、緩んでいた気を引き締める。


「オババ様の部族は旅人を受け入れるくらいだから友好的まではいかなくともいきなり敵対されるってことはないと思う」

「そうですか、でしたらしばらくは野営になるかもしれませんね」

「野営か、モンスターの襲撃が心配だなぁ……」

 「ここから先は自分もよく分からないのでどれくらい歩けば目的地に着くかも見当できません」


 僕たちは正面に続く道と左に分岐する道を通り過ぎながら会話を続ける。


「それなら魔除けの結界を張れば大丈夫だと思います」

「リコ、そんなことまで出来るの?」

「はい、広い範囲に展開すると効力が落ちてしまいますがこれを使えば……」


 彼女はそう言って4本のナイフを取り出す。


「これを地面に突き刺して図形を作り出せば、図形の内側は父の加護により魔物を寄せ付けない強力な結界となります」

 「広く使おうとすると?」

 「マスターが鼻血を噴いて卒倒すること間違えなしかと思われます」

 「……なるほど」

 「4人が寝れるだけのスペースを作る分には負担はあまりないと思います」

 「持続展開なんだよね?」

 「ええ、もちろん!」

 「いい修行になりそうだなぁ、そいつは」


 僕は少し口元をひきつらせながら相槌を打った。


 「しばらくは負担で夢見が悪いかもしれませんが頑張ってくださいね!」


 リコがちょっと意地の悪そうな笑みを浮かべ、僕は自分の決断に後悔する。


(大人しく南西に向かえばよかったなぁー……)


 しばらく歩いていると段々と辺りが暗くなってくる。


 「今日はこの辺で休もうか」


 その夜の寝心地は最高に素晴らしかった。


ハジメマシテ な コンニチハ!


高原 律月です


竜の魔女15話です!

今回は幕間みたいな短めのお話でした。(それでも2000文字近く……笑)


テンポよくするために短め展開にしたいのですが、ちょっとキャラを動かすだけでグダグダ引っ張てしまいますね:( ;´꒳`;)


あと、普通に俺TUEEEEをやってみたかったのに主人公にボコられグセが付いてしまっているのです……なんでじゃろな?笑


それでは、また次回〜 ノシ

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