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Chapter.1に於ける登場人物と用語

登場人物



・ミーナ


 人類文明が滅び、(わず)かに生き残った人間が『カイブツ』に怯えながら細々と暮らす世界で老翁(ろうおう)の様な声と喋り方の『妖刀』と共に生きる十代前半の少女。

 銀髪に白い肌、そして紅い虹彩を持った儚げな見た目とは裏腹に非常に快活で好奇心旺盛。

 日常的に危険な外の世界を探検していたが、ある日カイブツが湧き出てくる空間の裂け目から(こぼ)れた『妖刀』を拾い、同じ日の夜に集落をカイブツに全滅された事で運命が変わる。

 安息の地を求める旅の道中で出会ったルカという青年と共にダーク・リッチという巨大な髑髏(どくろ)の知性を持ったカイブツと交戦し、凄まじい潜在能力を発揮して何とか退けるも、左腕を失った上に付け狙われる羽目になる。

 また、旧文明の遺跡の探索者を自称するシャチという青年とも出会い、共に『古の都』と呼ばれる最大の遺跡にして大勢の人々が暮らす巨大な集落に辿り着いた。

 人類滅亡の真実やカイブツの秘密、そして文明復興の鍵を見つけ出すよう、『古の都』の『帝』であるリヒトに求められるが、本人はあくまで好奇心の(おもむ)(まま)に冒険した(かつ)ての延長上に捉えている節がある。

 また、リヒトの弟であるクニヒトから剣術の基礎を教わり、彼と死別した後も鍛錬を続けており、天稟(てんぴん)を磨き続けている。



・妖刀


 ある日突然ミーナが手に入れた、人語を話す刀。

 但し、その声は現時点でミーナ、シャチ、そしてリヒトの三人にしか聞こえない。

 元々は人間であったらしく、既に死亡していることまでははっきりと記憶しているが、現在の姿には「成仏したと思ったら気が付くとこうなっていた。」と語っている。

 基本的には優しく穏やかで、それでいて戦闘勘の働く知恵者としての性格が強いが、ミーナに好意を寄せていると思われるシャチの事を揶揄(からか)ったりと茶目っ気もある。

 また、仲間を売る様な人間に対しては普段からは想像も出来ないほどの冷酷さと過激な思想を垣間見せる。

 リヒトとの間には何やら縁があるらしい。



・ルカ


 ミーナが旅の途中で出会った青年で、彼女より少し年上。

 力は並の人間と然程変わらないが、ダーク・リッチの暗殺を決意したミーナに同行し、強大な相手に果敢に挑む勇敢さや、敵の見せた弱みを見逃さない知恵を備えている。

 ダーク・リッチとの戦いで右足を失い、一時はミーナと別れたものの、彼もまた紆余曲折を経て『古の都』に招かれた。

 ミーナやシャチは冒険者としての資質や戦闘力を買われ、警邏(けいら)としての巡回や遺跡の探索を任されたが、彼はその知能が買われ、リヒトから日々知識を授けられている。



・シャチ


 ミーナが旅の途中で倒れていたところを助けた青年で、遺跡探索者を自称する。

 旧文明滅亡の真実に迫るべく遺跡を探索し、遺跡の奥地で度々出会うリヒトという青年本人に会うことを目標としていた。

 ルカよりも少し年上で、この時代の人間にしてはかなり上背と体格に恵まれており、それに見合う以上の強靭な肉体を持っている、

 特に戦斧(ハルバード)の攻撃は振るうだけでカイブツをバラバラにするほどの旋風を巻き起こす。

 自身を特別な存在と信じて疑わない傲慢かつ自意識過剰な性格で、ミーナからも当初いけ好かないと思われていたが、遺跡探索に彼女を同行させたことをきっかけに友に好奇心を満たす冒険仲間と認識されるようになる。

 ミーナにはその冒険心に振り回されながらも何処か惹かれている節がある。

 また、冒険の中で培ったのかそれなりに豊富な知識も備えている。

 カイブツに対しては「この世界に在ってはならないもの」として強い敵愾心を抱いている。



・リヒト


 シャチが遺跡の奥地で度々出会うという青年で、正体は『古の都』と呼ばれる巨大遺跡で多くの人々を統治する『帝』と呼ばれる人物。

 若作りで痩せた風貌だが、何処(どこ)か神秘性を備えている。

 聞く者を陶酔させる甘美な声色で穏やかに語り掛け、また近しい者からも捉え処の無い人物と評されている。

 ミーナに義手を、ルカに義足を与えるなど困っている人々に手を差し伸べる慈善家としての側面を持つ一方で、弟クニヒトの亡き後遺された(おい)のフリヒトに自らを兄と呼ばせるなど怪しげな振る舞いも垣間見せる。

 旧文明滅亡の真相を知り、人類を復興に向け導こうとしているらしい。

 ミーナとシャチに人類文明最高の妨げとなる『奴』を消し去るよう依頼し、その為の遺跡探索をサポートする。

 またミーナ達の普段の生活も保障し、彼女の当面の目標だった「安息の地を得る」という願いを叶えた。



・クニヒト


 リヒトの弟で、『古の都』を守る警邏(けいら)隊を統括する『将軍』と呼ばれている。

 シャチ以上の体格を備えた偉丈夫(いじょうふ)で、剣や弓など(あら)ゆる武芸に秀でている。

 兄の頼みでミーナに剣術の基礎を教えていたが、ダーク・リッチの襲撃で最後の攻撃から彼女達を庇って致命傷を負い、最期にミーナに対し卒業試験として真剣勝負を申し出て彼女の成長を見届けてこの世を去った。

 妻のトワとの間に息子のフリヒトを始めとした三人の子を設けている。



・フリヒト


 クニヒトの息子で、ミーナよりもやや年下の少年。

 父亡き後に少しでも『古の都』の役に立つ為、連射器を備えたクロスボウを訓練する。

 また(いず)れ『古の都』を統べる後継者となるべくリヒトから知識を授けられるが、伯父である彼の事を兄と思い込まされる。

 ミーナとシャチに五大遺跡を巡る必要があると発覚した為、彼女らの助けとなるべく旅に同行することになると思われる。



・アリス


 リヒトの側近で、妖刀から「人形の様」と評される事務的で無感情な女性。

 ミーナ達を『古の都』の地下遺跡へと案内したり、冒険に必要な道具を用意したりと、何かとリヒトの意を受けて彼女達を助けることが多い。

 またミーナが知識を求めた際、主からの命で彼女に勉強を教えることになった。



・ゲン


 ミーナの伯父。

 ミーナ達と数人で共同生活を送りつつ、唯一の女性である彼女の事を危なっかしく思いながらも、弟の忘れ形見として世話を焼いていた。

 しかし彼等集落の大人の男たちの目的はミーナに自分達の子を産ませる事だった。

 ミーナが十分大きくなったと判断し襲った矢先にカイブツの襲撃に遭い集落は彼女を遺し全滅する。

 その際、ミーナにした仕打ちに対する反省と謝罪の弁を述べ、彼女を守るべくカイブツと対峙して殺された。



・レナ


 ルカの集落を取り纏めていた女性。

 ダーク・リッチと戦う決意をするが、その実集落の他のメンバーを売って自分だけダーク・リッチに見逃して貰うつもりだった。

 ミーナとルカがダーク・リッチを撃退した事でその事実が発覚し、メンバーのガイに殺害された。



・ガイ


 ルカの集落の男性。

 裏切り者のレナを粛正し、新たなリーダーとしてルカを指名した後自分は補佐役に回った。

 その後はルカの意向に従い、『古の都』に合流したと思われる。



・トワ

・チャコ

・メーコ


 クニヒトの妻と娘達。

 フリヒトと共に、ミーナにとって家族のような存在となる。



・ダーク・リッチ


 極めて珍しい、『知性あるカイブツ』で、人間の三倍ほどの大きさがある骸骨のような姿をしている。

 何やら人間とカイブツを使って実験と研究をしているようで、ルカの集落に対してその材料となる実験台を要求していた。

 ミーナとルカによって研究所が壊滅させられたが、二人に生死の境を彷徨う程の重傷を与え、以後ミーナにとって宿敵のような存在となる。

 その後、ミーナを追って『古の都』を襲撃し、その奥地に眠る存在を新たな目的とするものの、強くなったミーナに敵わず敗走。

 しかし、その際の悪足掻きでミーナの良き師となっていたクニヒトを死に追いやった。

 溜めを要するものの、必殺技の中性子線ビーム『破滅の青白光(デモニアクリティカ)』は脅威。




用語



・カイブツ


 外の世界を多数徘徊する、異形の姿をした存在。

 リヒトによると、表記は怪物ではなく『壊物(かいぶつ)』であるらしく、この世界の生物にとって種という概念を壊し、摂理を造り変えてしまう、「在ってはならないもの」。

 食事によって摂取した生物や壊物(かいぶつ)の遺伝子情報から有用なものを取り込み、自身の身体を変化させて無用な絞り粕を新たな壊物(かいぶつ)として造り替え、卵として吐き出して増える。

 その性質故に寿命は存在せず、また種という概念を持たず一個体で完結しており、その為一部例外はあるものの「自分以外の全ては餌か敵」という「弱肉強食」の生態を持つ。

 リヒト曰く、元は旧文明滅亡の際に(あらわ)れた『奴』の身体がバラバラに砕け散った残骸であるらしく、『奴』を壊物(かいぶつ)に取り込まれた時、人類は滅亡するという。



・空間の裂け目


 ミーナ達の住む世界のいたるところにある不気味な闇を覗かせる裂け目。

 正確には『時空の亀裂』であるらしく、主に壊物(かいぶつ)の棲み処となっている。

 旧文明の末期に人為的に作られたものらしく、人類が辿る事の出来なかった様々な世界や歴史の可能性を探し求める際に生み出されたが、それが「全く異なる形で生物が進化した世界線」とこの世界を繋げてしまった為、壊物(かいぶつ)というイレギュラーが跋扈(ばっこ)することになった。



・遺跡


 旧文明が残した建物の中で、現在も一部機能しているもの全般を指す。

 ダーク・リッチの研究施設の様な建物規模のものもあれば、『古の都』の様な都市規模のものまで数多存在する。

 どうやらリヒトの一族の間で管轄が割り振られているらしく、『古の都』を含む五大遺跡の中には彼以外が担当するものもあるらしい。



・『古の都』


 数ある旧文明の遺跡の中でも最大規模のもので、リヒトに統治される形で表層部には多くの人間が生活している。

 また地下にはやはり他の遺跡と同じく探索が必要な領域が広がっており、その奥には旧文明滅亡の原因となり人類に終わりを(もたら)し得る原初の壊物(かいぶつ)、『奴』の脳髄が眠っているらしい。



・『奴』


 リヒト曰く、旧文明を滅亡させた原初の壊物(かいぶつ)

 現在の壊物(かいぶつ)は元々旧文明との戦いで生じた肉片が転じたものらしい。

 旧文明によってバラバラにされたものの、現在もその一部である『脳髄』が『古の都』の奥地で眠っている。

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