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「別れよう」
たった一つの言葉で私の心にナイフが突き刺さったように思えた。
あの日からもう何年したんだろう。
光の無い私の目に溢れ出るのは、大粒の涙だったのだ…
春・夏・秋・冬、、、少なくとも3年は過ぎていた。
「ははは…」
口元から溢れた乾いた笑い。
ベットに横たわった私の体はもう動けなくなっていた。
どうしてこうなったのかと言うと、
私は彼氏のユウと3年前の8月、赤坂へ出かけている時に、ユウの異変に気づいたからだ。
ユウはいつもはほんのり桜色っぽい頬をしており、健康的な肌だったがその日以降、少し青ざめた様子だった。
「どうしたの?顔色が悪いよ?」
そう聞いてもユウは何も言わずにニッコリするだけだった。
3ヶ月後。
ユウの口から信じられないような言葉が出た。
一瞬、これは夢だと思った。
ーーーーーー「別れよう」
その瞬間、自分の視界が真っ暗になった。